異世界八険伝

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愛と勇気を胸に

92.世界の意思

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『リンネ様! リンネ様! 起きてください!! 』

「ん……貴女は……誰? 」

『えぇ!? ワタシ、忘れられた!? ミールです、花の妖精ミールですよ! 確かに影薄いですけど、ちょっとそれは酷いです! 』

「ミール? うーん……ごめんなさい。覚えてないわ。それと……私はリンネちゃんじゃないから……」

『またまた! 血を流し過ぎて頭が変になりましたか? 』


 ボクの前で繰り広げられているのは、銀髪の美少女と、蒼く輝く長髪の美少女との会話――凄く嫌な予感がするんだけど。

 さっきから身体が重いし、頭も手足も痛くて涙が出そう。魔力は感じるけど、ヒールができないし、アイテムボックスも使えない。辛うじて動かせる左手――そこに伝わる柔らかい温もりだけが、ボクの心の支えになっている。

 身体が重い理由は疲労感だけじゃないと思う。多分、この胸。こんなのぶら下げてたら日々筋トレでしょ。それに、右手は手首からポッキリ逝ってるし、左足もそう。動かそうとすると激痛が全身を駆け巡るんだ。よく考えると、自分で殴ったんだけどね――。

(アイちゃん! リーン! )

 ダメだ、念話も通じない――。


「そこの可愛い妖精さん。まずは、服を着ましょうか」

『メルさん、さっきはよくもリンネ様を! ワタシは貴女のこと嫌いになりました! だから、貴女の言うことなんて一切合切、聞きませんからね! 』

 腰に手を当てて睨んでくるミール。でも、可愛すぎて威圧感がないんだよね。

「ねぇ、メルちゃん。ごめんね、こんなことになっちゃって――」

「リンネちゃんの身体、凄く軽くて綺麗で羨ましいです! もしかして、ずっとこのままだったりしますか? 」

 軽いと言うのは嫌味にしか聞こえないんだけど、こんな深刻な状況なのに、嬉々としてはしゃいでいる。でも、そんなメルちゃん(自分の顔だけど)の笑顔を取り戻せたことで、ボクは心からホッとした――。


『はっ!? もしかして、あのリンネ様の魔法は……身体を取り替える魔法だったのですか!? 』

 やっとミールも現状を把握したようで、ボク(メルちゃん)の方を見て話し掛けてきた。

「違うよ! ボクはね、“心”を入れ替えようと思ったの」

「でもリンネちゃん、それって同じことですよね? 」

 ボクの身体にメルちゃんの心が入り、メルちゃんの身体にボクの心が入る。それって、よく考えてみると、身体を取り替えたのと何ら変わらない気がしてきた。

「うん、そうかも――でも、本当は星を宿した魔力そのものを移動しようとしたんだよ。認識と言うかイメージの違いと言うか……ボクの中では、魔力は“心”そのものだから、こんな結果になっちゃったんだと思う」

『魔力は心そのもの、ですか。確かに仰る通りかもしれません。完全に魔力を入れ替えられるとしたら、今のお二人のように、心も入れ替わるのかもしれませんね――でも、普通は無理ですからね!? 』

「リンネちゃん……大丈夫なのですか? 星は……憎悪は……」

「あ、そうだね――」

 痛みを堪え、目を閉じて心の中を探ってゆく――。


 あぁ、こうして観ることができるんだ!

 蠢く黒い闇の中、懸命に光り輝いて憎悪と戦う7つの星。星は悪い存在じゃないと、黒が言っていた通りだった。憎しみに囚われた心を癒してくれる温かな光、それが星の真の姿だったんだね。

 そうだとしたら、“星を全て集めた者が魔王の器になる”とはどう言う意味だろう――。


『リンネ様、ところで此処はどこなのでしょう? まだミルフェ様たちは戦っていますよね、早く戻らないと! 』

「えっ!? ミールちゃんの結界の中じゃないの? 」

「私もそう思っていましたが……」

『言ってありませんでした? ワタシは変身魔法しか使えませんよ? 』

「あっ、そうだった! 」



 周囲を見渡すと、奥には森のような場所が見えた――。

 さっきまで隣に居たはずのレンちゃんの姿は見えない。勿論、リーンや魔王軍の姿も見えないばかりか、あの激しかった戦いの音すら聞こえない、ここは深い沈黙の世界。

 大地から生えるのは樹木などではなく、水晶のようなキラキラしたもの。空気は凄く澄みきっているのに、生物の気配は全くない。そして、真っ白な空に輝く黄金色のオーロラのようなもの――あれは結界だろうか、それとも精霊?

 もしかして――。

「ねぇ、ミールちゃん。ここって精霊界じゃない? 」

『……それはワタシも最初考えましたよ。でも、精霊界には人間が入れるはずがないですから……』

 地底城(アークデーモン)に居たはずのボクとメルちゃんが、どうしてこんな森に飛ばされたんだろう?

「もしかして、まだ地底城の中に居るのかな? 」

「それはないと思いますよ、だってほら、あそこ――」

 ボクの曲がっていない方の腕が伸びる先、そこには炎を司る2大精霊フェニックスとイフリートが居た――。

『わっ、大精霊様が居る!? リンネ様、こんな所でのんびりしてないで、早く戻りましょうよ! 』

「戻りたいけど身体が動かないし、戻り方も分からないんだけど? 」

「戻り方ですね、あの精霊たちに直接訊いてみましょうか」

 人見知り?せずに突撃してくれるいつものメルちゃんの背中を生温かく見守る。でも、それってボクの身体だけどね――。



『リンネ様……魔の者をこのような神聖な場所に連れてくるとは! 』
『我が滅殺しましょう! 』

「えっ!? 」

 ちょっ、イフリートがこっちに走ってくるんだけど!?

『お待ちください、大精霊様! この者こそ、リンネ様なのですよ!! 』

『なに!? 』
『なんじゃと!? 』

 ミールちゃんが両手を広げて立ち塞がってくれた!


 怖い顔の巨人と、可愛い顔の少女が交互にボク(メルちゃん)の顔を覗き込んでくる――。


『全く分からん! 』
『妾にも分からん! 証明はできぬのですか? 』

 証明しろって言われても――物的証拠は何一つないし。

 あ、そうだ!

「記憶はあるよ。フェニックスとは、ヴァルムホルンの火口で会って、力を証明しろとか言われたから水魔法で吹き飛ばしたよね。その後で貰った尾羽根のお陰で、サクラちゃんの世界でイフリートと契約することになったんだ。イフリートは、最初、ウィズの下僕だったん――」

『リンネ様、もう充分です! それ以上は無用です!! 』

『お主、下級魔人に屈したのかや? 』

『いや、ちょっとした手違いで……』

 あちゃぁ、内緒だったのか――空気が悪くなっちゃったよ。

「まぁ、それは置いといて! 今はボクがメルちゃんの身体をコントロールしているから安心してね。それと、此処はどこなの? 」

『此処は、精霊界の最奥……深層精霊界への門がある場所。我は、何故に此処に居るのか』

『それは妾も同じじゃ。情けなくもその魔の娘に屈し、炎の精霊界へと戻ったはずじゃったのに』 

 腕を組んで難しい顔をする大精霊たち――。


 そう言えば、黒は、深層精霊界には世界の意思があると言っていた。もしそうなら、ボクたちは呼ばれたと言うこと!?

「ボクたちは此処に呼ばれたのかもしれない。外の仲間たちが心配だし、思い切って進むしかないよね」

「私も、そう思います」

 メルちゃんがすぐに賛成してくれたけど、ミールは押し黙ったままだ――。

『しかしじゃな――人間には入ることができないはず。もし入れたとしても、精神崩壊を起こして魂ごと掻き消されてしまうじゃろう』

 フェニックスが物騒なことを言いだしたよ。あれだ、宇宙の藻屑と消えるような感じだ。

 でも、ボクはメルちゃんを苦しめた憎悪にも打ち勝っているんだ。何とかなるかもしれない。まぁ、その辺の根拠と言うか仮説は、ボクの頭の中で成立しているんだけどね――。

 スキルや魔法は心身が一致しないと使えないけど、称号は心(魂)のみに刻まれているようなもの。そして、星の副作用や、深層精霊界の精神破壊の類は魔法の一種――つまり、今のボクは身体こそ違えど、魔法攻撃無効の効果を持つ称号“秩序神の愛”が有効だから問題ない。多分だけど、そう言うことじゃない?


「大丈夫! イフリート、ボクを運んでくれる? 」

『わ、分かりました――主がそう決めたのであれば、我は黙って従うのみ。むっ、重くなりましたか』

 イフリートの呟きを聞き、メルちゃん(ボク)がイフリートのお尻を杖で連打している。なんか、いつものメルちゃんに戻ったと思いきや、通り過ぎてしまったような――。

 可哀想だから、イフリートの頭を撫でてあげた。身体は違うけど、ボク優しい。



 ★☆★



 水晶の森を進むこと数分、ボクたちは目的の場所に辿り着いた。

 深層精霊界の門――黒縁円形の取っ手が付けられているそれは、遠目に見る限りは何の変哲もない両開きの扉だった。

 しかし、近づくにつれ、その異様さに違和感を覚える。鏡のような素材を注視すると、水銀のように蠢いているのが見て取れた。ファンタジーと言うよりは、どこかSFっぽい感じの扉だね。


「中に入るのは、ボクとミールだけだからね」

『えーっ!? 』

 他の面々が吃驚して口をパクパクさせる中、当の本人である妖精姫ミールだけが、死刑宣告を受けたかのように叫び声を上げる。

「だって、“未来の”ミールちゃんは此処に入ったんだよ? だから大丈夫なはず――」

『魔神様が仰られたあのことですか? 全く記憶にないんですが……うぅ……分かりました……リンネ様と心中します……』

 心中って――。

「リンネちゃん、私も一緒に連れて行ってください! 」

 キリっとした口元、潤んだ瞳、それでいて強い意志を感じさせる眼差し――あぁ、この子って、こんな表情もできるんだ。この可愛い顔、男の子は全員1発KOだろうね。でも、持ち主のボクでさえも真似できないけど!

「メルちゃん、それにフェニックスとイフリートも、よく聴いて。深層精霊界が人間界や精霊界から隔離されている理由はね、人や精霊が入れないようにするためだと思うんだ。人と精霊の架け橋である妖精族のミール、この世界の理に縛られないボク――ボクたち2人にしか踏み込めない世界なの。だから、待っていてほしい」

 思い付きで言ったことだけど、当たらずとも遠からずでしょ。

 しばらく考え込んでいたメルちゃんが、震える手で鳥の羽のデザインが施された腕輪と、黒いもじゃもじゃの羽を渡してきた。“浮遊の腕輪”と“黒竜の翼”だ。

 そうか、アイテムなら身体が入れ替わっても使えるかもね! この異次元空間では転移は無理かもしれないけど――。

「メルちゃん、ありがと。フェニックスたち、ボクの身体をお願い」

『言いたいことはあるのじゃが――承知した! リンネ様の御身は任されよ』

 赤髪少女と巨人の鼻息が荒くなった? 逆に身体の貞操が心配になっちゃうんだけど――まぁ、メルちゃんに任せるっきゃない!


「うん、行ってきます! 」

 ボクは、メルちゃんの後ろに隠れていたミールの手を掴み、深層精霊界の扉を押し開けた――。



 ★☆★



 そこは果てなき銀色の海だった――。

 さっきの扉で蠢いていた水銀のようなモノ、それがこの世界全てを覆っている。大地も空も無く、ここにあるのは広大なる大海、ボクはその中をひたすら漂う微生物のような存在だった。

 水を蹴る脚の感覚も、ミールと繋いでいる手の感覚も、視覚も嗅覚も味覚も無い。これが、黒が言っていた精神世界と言うものなのか――。


《ほんとうにきたよ にんげんなのにがんばったな あらかわいいようせいさんもまたきたみたいね》

 脳内に響き渡るこの声、これが世界の意思!?

「ミールちゃん居る? 」

《ここはきみのせいしんのなかだからようせいちゃんはいないよ それにしてもきれいなぎんいろのうみだな なるほどぎんのしょうかんせきはわたしのまりょくをはじくのか》

 ミールが心配だけど、今は集中しよう――。

「あなた方がボクたちを呼んだのですか? 」

《よんだよ よんでない よびたくもないわ》

 3人?

「あなたがたは、世界の意思と呼ばれる存在でしょうか? 」

《いかにも けいいをこめてそうぞうしゅとよんでほしいな わたしはなまえなんてどうでもいいわ》

 創造主? リーンたち創造の3柱のこと?

《ちがうよ われらがかみをつくりかみがせかいをつくった ふふふっわたしたちはかみよりじょういのそんざいだね》

 やっぱり、聴こえちゃうか。神より上位の存在なら、隠し事もできないし、交渉も何もないか――。

「あのタイミングでボクを此処に呼ぶと言うことは、魔王復活を阻止する意志をお持ちだと考えても? 」

《しつもんばかりだな なにこのださくくそなまいきねけしちゃう? まてまてそんなのいつでもできるだろ》

「うっ、それなら――ボクたちを呼んだ目的を教えてくださいませんか」

《ほんとうならゆうしゃがあつめたしょうかんしゃがかみをしょうかんしてまおうがたおしておわるはずなのにな あのかまかっこいいよね うんじしんさく》

 ん? 何て言ったかの聞き取れなかった。凄く聴きにくいんだけど――。

《それがこんかいはいれぎゅらーばかりだった ゆうしゃをしょうかんしたはずがぎんのちんちくりんがあらわれた それにぜんかいかみがよそうがいにがんばってくれちゃったし あとれいのじゃまものもいるよね じゃしんをつくってほろぼそうとしたのにな でもけっきょくはおもいどおりになったじゃない わたしたちがはったけっかいをとおりぬけたやつのこともきになるし――》

「待って! 邪神を作った? あなたたちが!? 」

《そうだよ そういない きみにやられちゃったけどね》

 世界の意思が、世界を滅ぼす邪神を作った――どういうこと?

《かんちがいしてるよ われらはせかいをそんぞくさせることしかかんがえていない そうよあのいぶんしをけすためだったんだもの》

 異分子――異質の悪意、まさかウィズ?

《きみのなかまがいのちをはってたおしてくれたね あれにはかんどうしたぞ さいこうのかたちがととのったのにね》

「最高なんかじゃない! 大切な仲間を失って、仲間同士で戦って、ボクたちがどれだけ苦しんだか分かるか? 分からないでしょ! 」

《おちつきなよ たちばをわきまえよ やっぱりなまいき》


「ふぅ――それで、何のために、ボクたちを呼んだのですか? できれば早く戻りたいのですが」

《かんたんにいうとだねせかいをすくってほしいんだ われらはとてもこまっている このせかいをまもりたいとねがっているの》

「それが本当なら、ボクはどうすれば良いのですか? 」

《ほんとうだとも われらはうそはいわない きみにはかみをすべてころしてもらいたいの》

「神を、殺す!? 」

《せかいをしゅうせいするにはいまのばぐだらけのかみをけさないといけないんだ そのためにきみにちからをあたえた ひつようならもっと――》

「断る!! 」

《なんだって どういうことだ いみがわからないわ》

「リーンも、白と黒も、この世界のために精一杯頑張ってる。一人ひとりの命を背負って生きているんだ。たとえ世界の意思と言えど、ボクは彼女たちのことを否定させないよ! 」

《ふうんそれならどうやってせかいをすくうつもりなんだい だいたいあんをしめせ こどもはみんなそうりそうしかみえてないのよ》

「今、ボクの中に在るこの星を消すことができれば、魔王の復活を阻止できるはずです」

《まおうをふっかつさせない? いっているいみがわからないむじゅんしているぞ きみもまおうもかみをころさないならだれがころすのよ》

「えっ? 魔王は神を殺すための存在? 」

《そうだよ まおうはせかいをしゅうせいするためのほごしすてむさ さいこうしんをまおうのいけにえにするの》

 逆じゃないか! いや、黒も魔王は悪くないようなことを言っていた――でも、神を、リーンを殺す存在だなんて聞いてない!

《にんげんはしらなくていいことだからね まじんはしっていたのにはなさなかったようだな それであなたはまおうのちからもないのにどうやってせかいをすくうのよ》

「この星は、次元の存在がボクに託した希望の光――まず、この世界が生んだ星を消してみせます」

《やはりあいつのしもべか おまえもこのせかいをほろぼすためにきたんじゃないだろうな あれははかいしゃはかいのさきにはきぼうなんてないわよ》

「確かに、次元の存在は多くの世界を滅ぼしてきました。でも、ボクが会って話した彼は、この世界を愛しているようにも思えましたよ」

《なにをこんきょにそんなこというのさしんじられないよ うむありえんな あのはかいしゃにいしなんてそんざいしないわ》

「根拠になるかは分かりませんが、彼から純粋な悪意(ウィズ)が抜け落ちたからかもしれません」

《あれはあいつのはんしんか どうりでじげんをいききしているはずだ でもそいつはじゃしんのかわりにしょうかんしゃがたおしてくれたわよねそれでもせかいははめつにむかっているのよ?》

 世界が破滅に向かっている? それって魔王が復活するからでしょ? でも、魔王は神様を殺して世界を修正する存在――だとしたら、世界を破滅に向かわせているものは、魔王でも神でもない、この世界に住む者自身――つまり、この星を何とかしないといけないんじゃない?

《なるほどいちりあるね まじんがつくったというきぼうのほしか どうでしょうわたしにはまだしんじられないけど》

「少なくとも、この世界はまだ滅んでいない。星を消すことさえできれば――つまり、この世界の場合、種族間の争いを無くすことができれば、次元の存在もこの世界を消し去ることはしないはず――」

《それをきみをここへよんだもくてきとしようか われもいろんない きみたちがそういうならしばしようすをみることにさんせいするわ》

「ちなみに、この世界を構成する種族って――」

《ひとぞく あじんれんごう せいれいもだ ほかにようせいもいるねもりのえるふやだいちのどわーふかぜのうんでぃーね それとまじんぞくだな》

 人族、亜人、精霊、妖精(森のエルフ、大地のドワーフ、風のウンディーネ)、魔人族か――。

《まおうがふっかつするまでのこりいつかだよ それまでにほしがきえなければわれらはかみをけす そのためにしゅだんはえらばないわ》

「分かりました。では――」



 ボクの視界から銀色の海が消えていき、次第に視覚と聴覚が甦ってくる。

 右手には、まだボーっとした感じで立ち尽くすミールの手の感触がある。

 
 ゆっくりと回想する。

 今の出来事は、決して夢なんかではない。

 その証拠に、消えゆく深層精霊界の門が眼前にある――そして、その前でボク(メルちゃん)の身体を弄っている精霊たちも見える。


 ボクは、多種族間融和条約を結ぶ。それが唯一残された世界を救う道なんだ――。


 風が吹き荒ぶ。

 空を見上げると、鳥が飛び去るのが目に映る。

 ここは地底城アークデーモンか!

 状況は、みんなは、どうなってる?
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