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死後も腐敗しない奇跡の美少女たち
しおりを挟む20世紀の奇跡といわれるロザリア・ロンバルドは、イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に安置されている。
「死後80年以上経過してもなお、腐敗しない死少女」としてつとに有名である。
1920年、当時2歳(1歳11ヶ月)とまだ幼かった彼女は肺炎で亡くなってしまう。
彼女の家族はカプチン会という修道会に所属していた。
カプチン会にゆかりがある者が死去すると、まず血を抜くなどの処置をした後、地下の小部屋に運ばれ、8ヶ月ほど閉め切ったまま放置される。
気温や乾燥度合いにあって異なるが、死者が小部屋から運び出される時は、干からびた状態になっている。その後、全身を酢で洗浄され、外気に晒されて乾燥状態になってから、胴体部分にわらを巻くなどしてかたちを整え、生前着ていた服を着せられ、地下室の壁に安置される。
そのためカプチン会の地下納骨堂には、古ぼけた衣服を身につけたミイラ化した死体が8000体も眠っている。 しかし、ミイラを作る技術自体があまり高くなかった事と、保存状態が悪いこともあって、ほとんどの死体は白骨化してしまっている。
イタリアの将軍だった父親マリオ・ロンバルドは、彼女の魂を残したいと願い特別なミイラ化を施すことを希望したのである。
幸い彼にはそれなりの財力があった。
このマリオの希望に応えたのが、遺体保存の専門家であるアルフレッド・サラフィア氏だった。
秘密主義と伝えられていた彼は、ロザリアの遺体を自分だけが編み出した特殊な方法でミイラ化したと伝えられている。
その技術の詳細は現在失われて永遠に不明となったと思われていた。
ところが2009年、サラフィア氏の直筆と思われる一冊のカルテ・ノートが発見された。
このノートはサラフィア氏の二番目の妻の子孫が所有しており、生物人類学者ダリオ・マスカーニ氏によって研究された。
このカルテノートには英語で「遺体を永遠に保存する新しい方法」と書かれていた。
その保存方法とは、アルコールやグリセリン(湿潤)・塩化亜鉛(腐敗防止)・サリチル酸(菌繁殖の防止)などの薬品を体内に注射するもので、さらに当時発明されたばかりのホルマリンを体内に注射し、顔の頬にはパラフィン(ろうそくの原料)を注射したという。
これにより顔をふっくら残すことができたのではないかと推測されている。
ここで注目されたのがパラフィンというろうそくの原料だ。
実はミイラを作成するうえで、死蝋という現象は古くから知られていた。
魔術道具として使用されるハンズオブグローリーなどがその代表で、斬り落とした人間の腕を死蝋化させて、儀式の蝋燭として使用することはすでに行われていた。
現代科学において死蝋化とは死体が何らかの理由で腐敗菌が繁殖しない条件下にあって、外気と長期間遮断された果てに腐敗を免れ、その内部の脂肪が変性して死体全体が蝋状もしくはチーズ状になったものである。
ミイラとは異なり、乾燥した環境ではなく湿潤かつ低温の環境において生成される。
まさに地下墓所は死蝋化のそうした条件を兼ね備えていた。
なおルルドの泉で聖母マリアを幻視し、死後聖女(死体が腐敗しないのは聖人の条件の一つ)となったシスター・ベルナデッタもまた、こうした死蝋化現象によるものと思われる。
このロザリア・ロンバルドだが、瞬きをしたという動画があるので、興味のある方は検索してもらいたい。
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