たいして好みでは無い、と言われたので婚約解消した令嬢は、伯爵様と交渉する。

らりささ

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2.新婚編

7.初デート

 屋台には、本当に色々な食べ物があった。

 私は、目移りしてしまって、周りがあまり見えてなかった。

 気が付くと、アスラン様の姿が、ない!!

 あれ、さっきまで近くにいたのに…

どんどん人が増えてきていた時間だった。

 そして、ここどこ??

 やばい、これって、もしかして、もしかしなくても、

 迷子??!!

やーーーー!
私、今年20歳になるのに、迷子になってんだけど??!!

(取り敢えず、馬車まで帰ったらどうにかなる…)

しかし、馬車がどの辺にあるか、既に見当もつかなかった。

「あんた、もしかして、迷子??」
同じところをウロウロしていたのか、声をかけられた。
 その男性は制服を着ていて、おそらくこのあたりの騎士のようであった。
 その騎士様は、とても背が高く、私は見上げるようにして答えた。

「いえ…大丈夫です。夫もこの辺りにいるはずなので…」
「いや、全然大丈夫じゃなさそうだよね。え?夫?え、いくつ?」

なんて、失礼な方…

「ちゃんと大人です!失礼いたします!!」
私はそのまま立ち去ろうとした。

すると、その騎士様は私の腕を掴んで、
「大丈夫じゃないって!これから暗くなる。変なやつがウロウロしてくるぞ。送ってやるから、素直に言うこと聞きなよ!」
そう言って、私を引き寄せた。

その瞬間、

「私の妻に、何かご用ですか?」
アスラン様が、私と騎士様の間に、割って入ってきた。

 怒っている。

アスラン様が、めちゃくちゃ怒っている。

「あ、あの。ごめんなさい。私…」

「私の妻に、触らないで頂けますか??!」
アスラン様は、私の言ってることなど耳に入っていないようだった。

「違うのです。私が迷子になって…」

「俺が、送ろうと思っただけですよ」
騎士様は、私の腕を離して言った。

「…それは…そうとは知らず、失礼いたしました」
アスラン様は、続けて言った。
「しかし、妻には触らないで頂きたい」
アスラン様は、まだ怒っているようである。

「それは失礼を。咄嗟のことでしたので。お嬢さん、もう迷子にならないようにな」
騎士様は、私にそう言って、去っていった。

「アスラン様…ごめんなさい。私、迷子になっちゃって…いや、こんな年で迷子なんて恥ずかしいんですけど…」
私は、アスラン様がここまで怒っている姿を、これまで見たことがない。

私は、一生懸命に謝った。

 すると突然、アスラン様は、私を強く抱きしめたのだ。

(あ、アスラン様の匂いだ…)

いやいや、ちょっと待って!
これは、何事…??!

私の心臓は、飛び出るほど鼓動が大きくなった。

「あ、アスラン様…」
私が声を掛けると、アスラン様は我に返ったようだった。私をアスラン様の体から離した。

「心配しました」
アスラン様は、やっと、ホッとしたような顔になった。
「ごめんなさい…」
私は、半泣きだった。

「ルシンダ…僕は、貴方が他の男性に触られている、ということが、もの凄く嫌で…それで、あんな態度をとってしまいました。あの方は、貴方を助けようとしてくれたんですね」
「そうみたいです。私の事、子供だと思ったようで…」
色気も何もない、と言っているようで、悲しくなってくるが。

「それでも!僕は、誰にも貴方のことを触られたくないのです」

そう言ったアスラン様の頬が、どんどん赤くなっていった。


き、綺麗だ…


私は、アスラン様に釘付けになった。

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