たいして好みでは無い、と言われたので婚約解消した令嬢は、伯爵様と交渉する。

らりささ

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2.新婚編

8.同部屋

「僕も、貴方を置いて歩いて行ってしまって、申し訳ありません」

「そんな!周りをよく見てなかった私が悪いのです」
私達は、どちらが悪いか、謝り合いになってしまった。

なかなか決着がつかないので、
「では、私とアスラン様、どちらもこれから気を付けましょう!と、言う事で、今回は終了!これでいいですね!?」
と、私は提案した。

「僕、ルシンダのそういうところが、好きなんですよね」
アスラン様が、言った。

「え、それって告白ですか?」
私は、冗談のつもりだった。

だって、女性に興味がない。

私を女性として興味ない、と言った方ですよ?


アスラン様は、無言だった。

「あの…冗談ですよ?」
私は、ちょっと失礼すぎたかな、と思い始めていた。

「…そうかも、しれません」
アスラン様は、いま気付いたと言わんばかりだった。

「え?」

「いや、そう思って頂いて構いません」

「はぁ?」

「そうです」

「何が、“そうです”なんですか?」
私が、そう聞くと、アスラン様はハッとして、

「いや、忘れてください」
と言った。

そして、アスラン様は、無言のまま私の手を引っ張り、馬車まで戻ったのだった。

 ものすごく、気まずい。

アスラン様は、ずっと窓の外を見たまま、無言だし。

お腹は空いてくるし。

そして、今日の宿についたのだが、なんと、アスラン様と


同部屋!


いつもなら、キャー!と、心の中で踊り喜ぶのだけど、今日は何だかそんな雰囲気でもない。

ベッドが二つあるのが、せめてもの救いだ。

「アスラン様、どちらのベッドを使われますか?」
私から切り出した。

「ルシンダの好きな方を使ってください。僕は、少し出てきます」
アスラン様は、そういうとすぐに外に出ていってしまわれた。

私は、ショックだった。

本当は、まだ怒ってたのだろうか。

あの時の、アスラン様の真意は何だったんだろうか。

頭の中が、不安でいっぱいだった。

付いてこなければよかった。

私は、柄にもなく、シクシク泣いてしまった。

数時間して、ガチャ、と扉があいた。
アスラン様が、戻ってきたのだ。

「アスラン様…!」
私は、アスラン様が戻ってきただけで、嬉しくなってしまった。

「ルシンダ、泣いてたの?!」
アスラン様は、驚いたようだった。

「だって、アスラン様が怒って、出ていったのかも、と思ったら…」

「僕が?!怒って?!」
「そうです…」
「いやいや、怒ってないですよ!それにこれ、どうぞ」
アスラン様は、屋台で色々な食べ物を買ってきてくれていた。

「わーーーん。ありがとうございます」
今度は、うれし泣きだった。
「好きなだけ、どうぞ。おなか空いていたでしょう」
アスラン様は、笑顔だ。

 好きだな。

 この方の笑顔が、大好きだな。

私は、アスラン様に完全に恋をしていた。
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