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5.仕事編
7.仕事のはじまり
とうとう、魔術部の片づけが終わった。
流石に疲れた。
しかし、2週間ほど前から、侍女のアンナが一緒に手伝ってくれて、とても楽しく作業ができた。
アンナは私と同じ男爵家の出で、多少の魔力を持っていた。
それだからか、ブライアン侯爵様がよかったらと、私にご紹介くださったのだ。
なんて仕事のできる男、ブライアン侯爵様!!
アンナは侍女であったが、私は友達のように思っていた。
「ルシンダ様。休憩にいたしましょう」
アンナがそう言って、お茶を淹れてくれた。
楽しく談笑している最中であった。
「やっほー」
バタンっとドアを開けて、クルーズ様が魔術部に戻っていらした。
「クルーズ様、扉はもう少しお静かに開けていただけませんか?」
私は、毎回、同じことを彼に言っている気がする。
「あら…?」
クルーズ様の後には、軍服に身を纏った大変美しいお方が立っていた。
髪は黒色に少し紫色がかっていた。瞳は黒く潤んでいた。
「あら」
流石にアンナも驚いていた。
こんなに美しいお方ならば、一度見たことがあれば忘れるわけがない。
誰でしょう?
うん?
しかし、何か違和感が…
「あの、そのお方は…?」
私は、クルーズ様の紹介が待てなかった。
「あ、この人は、セラだよ」
クルーズ様の紹介は、だいたい名前だけである。もう少し詳細をください…
「クルーズ様の部下、セラと申します」
え…!!?
セラ様の声を聞いて、私たちは驚いた。
じょ、女性なの?!!
男装の麗人!
しかも美形!
本当にこの世に存在しているとは!!
「美しいお二人に出会えて、大変幸せです」
セラ様は流れるような動きで私たちに近づき、そう言った。
「「きゃぁー!」」
私とアンナは思わず感嘆の声を上げた。
「君たち、目がハートになっとるが、その人は“女”やぞ」
クルーズ様が呆れたように言った。
「う、美しさに、女も男もありません。ルシンダ・アンダースと申します。こちらは、侍女のアンナです。ぜひ!宜しくお願い申し上げます」
私は嬉しかったのだ。
女性がこんなふうに自分を貫いて仕事をしていることに、感動してしまっていた。
「こちらこそ、ぜひ宜しくお願い申し上げます。アンダース伯爵夫人、お噂通りお美しい方ですね」
セラ様は、私の手を取って微笑んだ。
やばい。
この方は、ご自身の魅力をよく解っていらっしゃる。
「すぐ仲良くなれそうで良かった良かった。ここにセラ君を連れてきたのは、他でもない、仕事ですからね」
クルーズ様が、珍しく真面目な話を始めた。
「その前に、ちょっと待ってて」
クルーズ様はそう言って、空間を切った。
そして、彼の荷物の一部をその中に放り込んだのである。
そう、クルーズ様は相当な魔力持ちであった。
「さぁ、始めようか」
彼は、空間を閉じて言った。
「何から説明を始めようかな…」
そうだった。
クルーズ様は、ご自身が賢すぎて、どのように説明しなければ、普通の人が理解ができないか、解らない方だった。
「クルーズ様、宜しければ、私がご説明いたしますが?」
セラ様がとてもいいタイミングで提案された。
「では、頼もうかな」
クルーズ様のその言葉で、セラ様のお話が始まった。
流石に疲れた。
しかし、2週間ほど前から、侍女のアンナが一緒に手伝ってくれて、とても楽しく作業ができた。
アンナは私と同じ男爵家の出で、多少の魔力を持っていた。
それだからか、ブライアン侯爵様がよかったらと、私にご紹介くださったのだ。
なんて仕事のできる男、ブライアン侯爵様!!
アンナは侍女であったが、私は友達のように思っていた。
「ルシンダ様。休憩にいたしましょう」
アンナがそう言って、お茶を淹れてくれた。
楽しく談笑している最中であった。
「やっほー」
バタンっとドアを開けて、クルーズ様が魔術部に戻っていらした。
「クルーズ様、扉はもう少しお静かに開けていただけませんか?」
私は、毎回、同じことを彼に言っている気がする。
「あら…?」
クルーズ様の後には、軍服に身を纏った大変美しいお方が立っていた。
髪は黒色に少し紫色がかっていた。瞳は黒く潤んでいた。
「あら」
流石にアンナも驚いていた。
こんなに美しいお方ならば、一度見たことがあれば忘れるわけがない。
誰でしょう?
うん?
しかし、何か違和感が…
「あの、そのお方は…?」
私は、クルーズ様の紹介が待てなかった。
「あ、この人は、セラだよ」
クルーズ様の紹介は、だいたい名前だけである。もう少し詳細をください…
「クルーズ様の部下、セラと申します」
え…!!?
セラ様の声を聞いて、私たちは驚いた。
じょ、女性なの?!!
男装の麗人!
しかも美形!
本当にこの世に存在しているとは!!
「美しいお二人に出会えて、大変幸せです」
セラ様は流れるような動きで私たちに近づき、そう言った。
「「きゃぁー!」」
私とアンナは思わず感嘆の声を上げた。
「君たち、目がハートになっとるが、その人は“女”やぞ」
クルーズ様が呆れたように言った。
「う、美しさに、女も男もありません。ルシンダ・アンダースと申します。こちらは、侍女のアンナです。ぜひ!宜しくお願い申し上げます」
私は嬉しかったのだ。
女性がこんなふうに自分を貫いて仕事をしていることに、感動してしまっていた。
「こちらこそ、ぜひ宜しくお願い申し上げます。アンダース伯爵夫人、お噂通りお美しい方ですね」
セラ様は、私の手を取って微笑んだ。
やばい。
この方は、ご自身の魅力をよく解っていらっしゃる。
「すぐ仲良くなれそうで良かった良かった。ここにセラ君を連れてきたのは、他でもない、仕事ですからね」
クルーズ様が、珍しく真面目な話を始めた。
「その前に、ちょっと待ってて」
クルーズ様はそう言って、空間を切った。
そして、彼の荷物の一部をその中に放り込んだのである。
そう、クルーズ様は相当な魔力持ちであった。
「さぁ、始めようか」
彼は、空間を閉じて言った。
「何から説明を始めようかな…」
そうだった。
クルーズ様は、ご自身が賢すぎて、どのように説明しなければ、普通の人が理解ができないか、解らない方だった。
「クルーズ様、宜しければ、私がご説明いたしますが?」
セラ様がとてもいいタイミングで提案された。
「では、頼もうかな」
クルーズ様のその言葉で、セラ様のお話が始まった。
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