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第2章~カズの願い~

双子の引越し

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🕒「………朝か」
俺はあの後、夢見が悪くて結局よく眠れなかった。何度か起きては朝が来るまで寝ようとしていた。なので朝が来ても当然眠い。気がすむまでまた寝ていたいが、起きてあいつらにこれを見られるわけにも行かないのでとりあえず顔を洗いに行くことにした。しかし____

🕒「ん?月夜がいない…」

2人が寝ていたはずの布団には1人しか寝ていなかった。時計を見るとまだ6時半、起きるにしては少しばかり早いのでは?と思いながら寝ている星夜を起こさないように起きている月夜を探し始めた。

🕒(どこいったんだ?)

2階の寝室から降りてくると、リビングからいい匂いがしてきた。ジュージューとした何かを料理する音も聞こえる。
あぁ…ここにいたんだな…
とキッチンに繋がっているリビングに向かったら、案の定美味そうな朝食を作る月夜の姿があった。月夜は気づいたようにこちらを振り返る。

💜「あぁ、おはよう。随分早いな、これ作ったら起こしに行こうと思っていた。勝手にキッチン使って悪い」
🕒「別に構わないが、次からひとこえ…」(やばい!)

俺は眼帯を見られたと思い咄嗟に後ろに隠れた。

🕒(やばいやばいやばいやばいやばい、見られた、深追いされる、嫌われる!どうしよう)

そんなことを悩んでいると察したかのように月夜が話した。

💜「眼帯のことならしっている。昨日の夜中つけて戻ってくるところを見た。」

ドキッ!
俺は隠れなくても見られていたことに驚き、不安がつのってまた吐きそうになってきた。

💜「何か右目に隠しているのなら深追いはしない、だからそれ早く隠してついでに星夜を起こしてこい。そろそろ飯ができる」
🕒(えっ……)
🕒「・・・ありがとう」
💜「…礼はいい」

俺は予想外の答えに一瞬思考が停止したが、聞いてこないなら好都合だと思い一言お礼をいって、洗面台に向かった。
俺は眼帯を外し見たくも無い自分の目を見ると目を閉じて深呼吸をし、カラーコンタクトを取り出して片目に着け、星夜を起こしに2階に向かった。

🕒「星夜起きろ、朝食が出来たみたいだぞ」
♦️「うーんもう少し寝たい」
🕒「星夜の分も俺が食べてもいいのか?」
♦️「それは嫌だ…おきる」
🕒「起きたら1階の階段の傍に洗面台がある、そこで顔を洗ってこい。」
♦️「はーい」

俺が星夜を起こしてリビングに戻ってくると、美味そうな朝食が綺麗に並べられていた。

🕒「お、おいこれお前が作ったのか?」
💜「あぁ、なんか文句あるか?」
🕒「いや、ない。むしろ満足だ。これだけの材料…一体どこから」
💜「冷蔵庫にあったものを勝手にアレンジしただけだが?」
🕒「冷蔵庫…昨日のファミレスの持ち帰りか!」
💜「ん?そうだったのか、どおりで物が多いと思った」
♦️「2人ともおはよう…お!相変わらず美味しそうだね、月夜の料理」
💜「そりゃどうも」
🕒(いやいや、この料理を美味しそうだねですませるのか、見た目プロ並みだぞ!)

俺は驚きながらも席に着いた。そしてみんな揃ったので朝食を頂くことにする。

♦️「いただきます!」
💜「いただきます」
🕒「…いただきます」
♦️「パクっ、うん美味しい!」
💜「それ毎回言ってて飽きないのか?」
♦️「だって月夜の料理久しぶりなんだもん」
💜「だからって、何度も言われると聞き飽きるってもんだ」
♦️「何度でもいいたいの、ホントのことだし悪く言ってるわけじゃないからいいだろ」
💜「好きにろ」
♦️「好きにする~(もぐもぐ)美味しい!ねぇ、カズもそう思うでしょ!」
🕒「…………」
♦️「カズ?どうしたの?」
💜「もしかして口に合わなかったか」
♦️「そんなはずないよ!こんなに美味しんだもん!」
💜「じゃぁなんでかたまって…」
🕒「美味い……」
💜♦️「えっ?」
🕒「こんなうまい飯食べたの…始めてた」

俺は固まっていた手を一気に動かし獣のようにガツガツと食べ始めた。

🕒「おかわり!」
💜「おう、好きなだけ食え」
🕒「あぁ」

俺は満足するまで朝食を食べると、食器洗いを手伝ってリビングの机につき、気になることを聞いた。

🕒「そういえば親の顔を知らないって言っていたが、お前たち今までどこに住んでたんだ?」
♦️「覚えてる範囲だと確か小学校から中学校卒業までは施設にいたね」
💜「その後は俺らの意思で俺らの荷物を売り払って金に変えて施設をでたな」
🕒「その後は?」
💜「犯罪まがいのホテル無断宿泊だ。俺の鏡があれば、大抵どこにでも入れるしな」
🕒「は、犯罪!」
♦️「安心して、まだバレてないから捕まったことも無いよ」
🕒「いや、バレてないからって勝手に泊まったらダメだろ!ホテルの方は大丈夫なのかよ!」
💜「それなら心配ない、むしろ別の意味で噂されているかもしれないな」
🕒「別の意味?」
♦️「僕達は泊まったホテルに恩返しとして、来た時より綺麗にして帰るんだ。ホコリが溜まっていたら掃除したり、ベットが曖昧にシーツがしかれていたら敷き直したり。もちろん使ったシーツなどは洗って乾かしてからなんだけどね!」
💜「その分早く起きないともろもろの作業が出来ないから、早めに寝ることになるんだけどな」
🕒「そ、そうなのか。えーっと話をまとめると、俺がここに住まわせるまで宿無しで、さらには荷物諸々売り払ったんなら何も無いんだよな?」
♦️「うん」
💜「あぁ」
🕒「よし、ちょっとまってろ」

俺はそう言うとスマホを取り出し学校に電話をした。

🕒「はい…はぃ…そうです。すみません…よろしくお願いします」
♦️「どうかしたの?」
🕒「学校に休みの電話を入れた。今からお前らの諸々の荷物を買いに行くぞ」
💜「はぁ!ちょっと待て、俺らそこまでしてもらう義理ないぞ!」
♦️「そうだよ、住まわせてもらうって言ったけどほとんど強引にだし、申し訳ないよ」
🕒「護衛になってくれるんだろ、これぐらい当然だ。それに部屋はお前たちそれぞれに与えられる。それくらい空いていたからな、家具とか服とかいるだろ?」
💜♦️「でも・だが!」
🕒「アイツからも守ってくれたんだ、これぐらいはさせてくれ。」
💜「はぁ…ん、わかった」
♦️「月夜!」
💜「これだけ言われたら、どうせ何度断っても行くまでひかないだろ」
🕒「その通り」
♦️「わかったよ…でもお金は、大丈夫なの?」
🕒「昨日俺の部屋見てわかってるだろ…俺の財布には、自然と金が入ってくる。親の金じゃなく、誰かが毎回振り込む金がな。もちろん自分で稼いでるのもあるが」
💜「そうか」

俺たちは出かける準備をすると、家を出た。

♦️「あ!そう言えばさっき学校休むって電話入れたって言っていたけど、外出て大丈夫なの?先生とかに見つからない?」
🕒「この時間教師は全科目の担当に着いてるから外を出歩いてる先生はほとんどいない。仮に出歩いていたとしても学園と逆方向の店に向かっているからまず合わないだろう」
💜「ふーん、ちゃんと考えているんだな」
🕒「昨日の今日で襲われてる所見られたくないし、仮病で休んでるなんてバレたらきっと……なんでもない。」
💜「あっそ、とりあえずチャチャッと済ませて戻ろうぜ、まだ話してないこととかもあるし」
♦️「確かにそうだね」
🕒「あぁ」

俺たちは店に入ると家具を注文して買い揃え、服を何枚か選んで購入した。その際にもこの2人には振り回されて大変だった。選んだ家具を鏡を通して家に運ぶと言い出した時は止めるのに必死だった。でも、不思議と楽しかった。思えば同い年くらいのやつと買い物したのなんて初めてだった。俺が微笑んでいると星夜が近づいてきた。
♦️「ふふ、やっと笑った顔が見れたね」🕒「え?」
💜「俺らが来てからずっとため息しかついていなかったからな」
🕒「そうだったか?特に意識していたわけでは」
♦️「まぁ…楽しんでいるなら何よりだよ。今日はいろいろありがとう」
🕒「いや、守ってもらってるのはこっちだから当然と最初に…」
♦️「ちがうちがう!」
🕒「なにが?」
💜「楽しい時間をってことだ」
🕒「楽しい時間?」
💜「俺らはいろいろホテルを渡り歩いていたから、サツや周りの目から隠れるのに必死でこんなに自由に買い物したのなんて初めてだ」
🕒「そんなの…俺だって初めてだよ」
♦️「なら同じだね!あ!じゃぁさ、帰ったら小さいけどパーティーしない?」
🕒「は?なんの」
♦️「僕達の引越し記念パーティーとカズの初めて友達と買い物記念パーティー」
🕒「と、友達!」
💜「俺らと友達は嫌か?」
🕒「嫌ではないけど、いた事なくて」
♦️「そうなの?なら追加で初めて友達出来たパーティーもしないとね」
🕒「そんな大袈裟な」
💜「いや、いいんじゃないか?どうせこれから何もすることないんだろ」
🕒「な、ないけど」
💜「決まりだな、じゃぁもう少し金使ってもいいか?料理の材料買わないとな」
🕒「別に構わないけど」
♦️「わーい!月夜の作るご馳走だ!」
💜「あんまりはしゃぐな、周りに迷惑だろ」
♦️「ごめんごめん」

俺たちはそんな賑やかな会話をしながら食材の買い物を済ませて家に向かった。
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