9 / 20
#9 コンビニとバカ舌
しおりを挟む
臣熟駅から出たカラスマはそのまま駅前のコンビニに入った。コンビニチェーン最大手“キューサクマート”の一店舗であるここのレジ前では、例によってタヌキ族の者が突っ立っている。
「はぁぁー…っしゃぁせぇ」
そいつは大きなため息のあと、カラスマに気のない挨拶をした。とても業務態度が悪いが見たところ学生ではない。プライドの高いタヌキ族のことだから、いい年こいてこんな所でアルバイトをしている自分を認められないとかそんなところだろう。くだらない。そんなことを考えながら、カラスマは飲み物が陳列されたコーナーに向かう。彼が手に取ったのはヘンテコなデザインの発泡酒。この発泡酒はよく『安いことだけが取り柄で死ぬほど不味い』とよくいわれるものだが、カラスマのバカ舌の前ではどれも変わらない。それを右手に3本、左手に2本掴んでレジに置く。
「…!?」
例のタヌキはそれを見て愕然とする。マジ!?それ買うの!?やべえなこいつ、度胸あんなぁー…の顔である。
「ひ、120円の商品がいち、にい…」
奴はまた愕然とする。5本!?5本も飲むのか!?この毒薬みてぇな酒を!?自殺行為だろ…の顔である。
「…600円になります」
タヌキは、明らかに手遅れな作り笑いを浮かべてそう言った。しかし、今更いくら取り繕っても奴の驚いた顔は無かったことにはならない。カラスマは適当に会計を済ませ、レシートはしっかり受け取ってコンビニを出た。
「はぁぁー…っしゃぁせぇ」
そいつは大きなため息のあと、カラスマに気のない挨拶をした。とても業務態度が悪いが見たところ学生ではない。プライドの高いタヌキ族のことだから、いい年こいてこんな所でアルバイトをしている自分を認められないとかそんなところだろう。くだらない。そんなことを考えながら、カラスマは飲み物が陳列されたコーナーに向かう。彼が手に取ったのはヘンテコなデザインの発泡酒。この発泡酒はよく『安いことだけが取り柄で死ぬほど不味い』とよくいわれるものだが、カラスマのバカ舌の前ではどれも変わらない。それを右手に3本、左手に2本掴んでレジに置く。
「…!?」
例のタヌキはそれを見て愕然とする。マジ!?それ買うの!?やべえなこいつ、度胸あんなぁー…の顔である。
「ひ、120円の商品がいち、にい…」
奴はまた愕然とする。5本!?5本も飲むのか!?この毒薬みてぇな酒を!?自殺行為だろ…の顔である。
「…600円になります」
タヌキは、明らかに手遅れな作り笑いを浮かべてそう言った。しかし、今更いくら取り繕っても奴の驚いた顔は無かったことにはならない。カラスマは適当に会計を済ませ、レシートはしっかり受け取ってコンビニを出た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
呪われた少女の秘された寵愛婚―盈月―
くろのあずさ
キャラ文芸
異常存在(マレビト)と呼ばれる人にあらざる者たちが境界が曖昧な世界。甚大な被害を被る人々の平和と安寧を守るため、軍は組織されたのだと噂されていた。
「無駄とはなんだ。お前があまりにも妻としての自覚が足らないから、思い出させてやっているのだろう」
「それは……しょうがありません」
だって私は――
「どんな姿でも関係ない。私の妻はお前だけだ」
相応しくない。私は彼のそばにいるべきではないのに――。
「私も……あなた様の、旦那様のそばにいたいです」
この身で願ってもかまわないの?
呪われた少女の孤独は秘された寵愛婚の中で溶かされる
2025.12.6
盈月(えいげつ)……新月から満月に向かって次第に円くなっていく間の月
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる