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二章~首都へ~
13話 戦闘
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あまりに呆気ない単調な攻撃に、キドは首をかしげる。
何しろ今の一撃は、オークの棍棒と同レベルだったからだ。
これが本気だとしたらAランクの実力に程遠い。
良くてDランクだろう。
どうやってAランクになったのか疑問に思うがそれは後で考えればいい。
とりあえずキドは自分の指に挟まった鉄の塊に意識を移す。
指に渾身の力を入れ、掴んだ斧の刃を砕き散らした。
刃の一部が欠け、握ることのなかった部分にもヒビが走る。
それを見たグラド達は、唖然とした表情をキドへと向けてきた。
何が起こったのか、今だに理解出来ていない様子である。
だが数十秒ほど経つと、我に返ったグラドは斧を捨ててその場から後ろに飛び退く。
ようやく状況を理解した小柄な男達も、慌てながらグラドへと駆け寄った。
「や、やべーよグラドさん!あいつとんでもなく強いよ!」
「そーです!今なら間に合います!逃げましょう!」
小柄な男達は恐怖ですぐにでも逃げ出したいようだ。
だが焦る二人を右手で制し、グラドは反対の手で胸のポケットを開ける。
すると胸ポケットにある飾りのようなサバイバルナイフを取り出した。
「こんなんで終われるか!!冒険者の意地ってのを見せてやるよ!」
目が血走り、荒い息をたてながら怒りを露わにする。
「あ、あの…もう終わりにしない?だってこのまま続けてもお互いメリットなんてないだろ?」
めんどくさいキドは早急な離脱を図るが…
「逃さねーぞガキ!!今殺してやる!」
全く聞く耳を持たない。
それどころか先程よりも怒ってるんじゃないだろうか。
行動すべてが裏目にでている現状に、キドは嘆息する。
(人と全く喋ってなかったからかな…)
そんなキドのことも露知らず、グラドはナイフを片手に突進してきた。
図体のでかいグラドの突進はまるで巨大な猪と対峙しているようだ。
「仕方ない…か…」
キドはグラドの突進をギリギリでかわし、背後から蹴りを入れる。
「ぐわっ」
呻き声をあげるグラドは前のめりになって転がっていった。
「やべ!強く蹴り過ぎた!」
初の対人戦で力の加減出来なかった。
かなり遠くまで吹っ飛んでいる。
「クソガキが調子に乗りやがって!」
だがグラドはまるでダメージを感じさせない。
(本当に俺は強くなっているか??)
キドはグラドを殺していない安心感と同時に、グーシオンとの再会の時に感じた違和感が一層強くなる。
「おい!体は大丈夫か?」
「舐めてんのか!黙って俺にやられろ!」
グラドは即座に体を起こし、再びキドへ突進してくる。
「人の話を少しは聞けよ!お前の心配してやってる
…だけだろ!」
キドは正面からグラドの一撃を受け流し、怒りに任せて背負い投げで地面に叩きつける。
今度の攻撃は効いたようだ。
地面でグラドはバタバタと悶え、痛さのあまり声も出ない様子である。
「グラドさん!今助けます!」
少し距離を置いた場所から戦闘を見ていた男たちもリーダーの危機に勢いよく飛び出していく。
グラドを助けるための決死の選択だ。
「よ…よせ!カイル!キール!」
それに気づいたグラドはかすかすの声を必死に振り絞る。
だがグラドの制止も聞かず、二人は一目散にキドへと走る。
「「グラドさんから離れろ!!」」
二人は小刀の一閃をキドへ浴びせようと、二手に分かれて挟み討ちにする。
何しろ今の一撃は、オークの棍棒と同レベルだったからだ。
これが本気だとしたらAランクの実力に程遠い。
良くてDランクだろう。
どうやってAランクになったのか疑問に思うがそれは後で考えればいい。
とりあえずキドは自分の指に挟まった鉄の塊に意識を移す。
指に渾身の力を入れ、掴んだ斧の刃を砕き散らした。
刃の一部が欠け、握ることのなかった部分にもヒビが走る。
それを見たグラド達は、唖然とした表情をキドへと向けてきた。
何が起こったのか、今だに理解出来ていない様子である。
だが数十秒ほど経つと、我に返ったグラドは斧を捨ててその場から後ろに飛び退く。
ようやく状況を理解した小柄な男達も、慌てながらグラドへと駆け寄った。
「や、やべーよグラドさん!あいつとんでもなく強いよ!」
「そーです!今なら間に合います!逃げましょう!」
小柄な男達は恐怖ですぐにでも逃げ出したいようだ。
だが焦る二人を右手で制し、グラドは反対の手で胸のポケットを開ける。
すると胸ポケットにある飾りのようなサバイバルナイフを取り出した。
「こんなんで終われるか!!冒険者の意地ってのを見せてやるよ!」
目が血走り、荒い息をたてながら怒りを露わにする。
「あ、あの…もう終わりにしない?だってこのまま続けてもお互いメリットなんてないだろ?」
めんどくさいキドは早急な離脱を図るが…
「逃さねーぞガキ!!今殺してやる!」
全く聞く耳を持たない。
それどころか先程よりも怒ってるんじゃないだろうか。
行動すべてが裏目にでている現状に、キドは嘆息する。
(人と全く喋ってなかったからかな…)
そんなキドのことも露知らず、グラドはナイフを片手に突進してきた。
図体のでかいグラドの突進はまるで巨大な猪と対峙しているようだ。
「仕方ない…か…」
キドはグラドの突進をギリギリでかわし、背後から蹴りを入れる。
「ぐわっ」
呻き声をあげるグラドは前のめりになって転がっていった。
「やべ!強く蹴り過ぎた!」
初の対人戦で力の加減出来なかった。
かなり遠くまで吹っ飛んでいる。
「クソガキが調子に乗りやがって!」
だがグラドはまるでダメージを感じさせない。
(本当に俺は強くなっているか??)
キドはグラドを殺していない安心感と同時に、グーシオンとの再会の時に感じた違和感が一層強くなる。
「おい!体は大丈夫か?」
「舐めてんのか!黙って俺にやられろ!」
グラドは即座に体を起こし、再びキドへ突進してくる。
「人の話を少しは聞けよ!お前の心配してやってる
…だけだろ!」
キドは正面からグラドの一撃を受け流し、怒りに任せて背負い投げで地面に叩きつける。
今度の攻撃は効いたようだ。
地面でグラドはバタバタと悶え、痛さのあまり声も出ない様子である。
「グラドさん!今助けます!」
少し距離を置いた場所から戦闘を見ていた男たちもリーダーの危機に勢いよく飛び出していく。
グラドを助けるための決死の選択だ。
「よ…よせ!カイル!キール!」
それに気づいたグラドはかすかすの声を必死に振り絞る。
だがグラドの制止も聞かず、二人は一目散にキドへと走る。
「「グラドさんから離れろ!!」」
二人は小刀の一閃をキドへ浴びせようと、二手に分かれて挟み討ちにする。
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