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どうも、異世界に知り合いのお医者さんが現れ、絶賛混乱中の王子悠里……あ、今世の名前はユリタンです。
森下先生がそそくさと血圧計を取り付ける。
血圧計の表示が思いっきり日本語……でも、異世界言語が日本語に見えるのってあるあるだし、分からない。
「あの……ここはアリステート王国ですよね? レイはこの国の騎士団長で……理事長って何ですか?」
「へ……? ええええええ……?」
森下先生が目をむいて、慌ててレイを見やる。
レイが静かに答えた。
「そう……アリステート王国の騎士団長……」
レイの口角がゆっくりと上がる。その美しさは現実離れしていて、どこか人間離れした恐ろしさが漂っていた。
「思い出したんだね。私はこの医療施設の理事長も兼ねているんだよ……無理に思い出さなくていい。私にまかせて、一緒に取り戻していこう?」
無理……してたのかな?
コクリと頷いた俺は、血圧計を見ている先生に耳打ちした。
「先生……いつ転生したんですか?」
「て、ててて……転生って……!?」
ぎょっとした顔で俺とレイを交互に見て、大量の汗。
「ア、アー……イツカ、マエデス」
なんで片言!?
「……じゃあ、俺と同じですね。同郷の方がいて嬉しいです」
にこにこと微笑んだ、その瞬間――
「ひぃっ!」
先生がレイを見て悲鳴をあげ、顔色がみるみる真っ青に。
え、大丈夫!?
……ぞわり。
隣のレイから、骨の芯まで凍りつくような冷気。息が詰まり、背筋が強張る。
すっと顎を持ち上げられる。
「ひっ……!」
真っ直ぐ射抜くような無表情。
怖いから! 美人の無表情ってホラーだから!!
「だめだよ、よそ見をしたら……婚約とは、一生を添い遂げることだからね」
「仮です!!」
「恥ずかしがるユリタン、可愛い……食べちゃいたい」
首筋に落とされるキス。
「んっ……」
そのまま唇が首筋をたどって降りていく。
「ふぁ……っ」
「理事長! 彼の血圧が!」
「これで血圧が上がるのは正常でしょう? 良かったね、正常だと分かって。じゃ、もう君はいいから」
「やっ……!」
やめ――っ、首もとで話さないで!!
ズキズキズキン!
「いっ……! 頭が……!」
「理事長、血圧が140超えてます!」
レイがすぐさま脈拍を確認し、冷たい声で言い放つ。
「まったく……なぜ報告を遅らせる? 鎮静剤の準備を。ユリタンが危険な目にあったら、君のせいだよ」
(いや、お前のせいだ!!!)
俺と森下先生の心の声は、ハモっていたに違いない。
注射が打たれ、意識はゆっくりと闇に沈んでいった。
森下先生がそそくさと血圧計を取り付ける。
血圧計の表示が思いっきり日本語……でも、異世界言語が日本語に見えるのってあるあるだし、分からない。
「あの……ここはアリステート王国ですよね? レイはこの国の騎士団長で……理事長って何ですか?」
「へ……? ええええええ……?」
森下先生が目をむいて、慌ててレイを見やる。
レイが静かに答えた。
「そう……アリステート王国の騎士団長……」
レイの口角がゆっくりと上がる。その美しさは現実離れしていて、どこか人間離れした恐ろしさが漂っていた。
「思い出したんだね。私はこの医療施設の理事長も兼ねているんだよ……無理に思い出さなくていい。私にまかせて、一緒に取り戻していこう?」
無理……してたのかな?
コクリと頷いた俺は、血圧計を見ている先生に耳打ちした。
「先生……いつ転生したんですか?」
「て、ててて……転生って……!?」
ぎょっとした顔で俺とレイを交互に見て、大量の汗。
「ア、アー……イツカ、マエデス」
なんで片言!?
「……じゃあ、俺と同じですね。同郷の方がいて嬉しいです」
にこにこと微笑んだ、その瞬間――
「ひぃっ!」
先生がレイを見て悲鳴をあげ、顔色がみるみる真っ青に。
え、大丈夫!?
……ぞわり。
隣のレイから、骨の芯まで凍りつくような冷気。息が詰まり、背筋が強張る。
すっと顎を持ち上げられる。
「ひっ……!」
真っ直ぐ射抜くような無表情。
怖いから! 美人の無表情ってホラーだから!!
「だめだよ、よそ見をしたら……婚約とは、一生を添い遂げることだからね」
「仮です!!」
「恥ずかしがるユリタン、可愛い……食べちゃいたい」
首筋に落とされるキス。
「んっ……」
そのまま唇が首筋をたどって降りていく。
「ふぁ……っ」
「理事長! 彼の血圧が!」
「これで血圧が上がるのは正常でしょう? 良かったね、正常だと分かって。じゃ、もう君はいいから」
「やっ……!」
やめ――っ、首もとで話さないで!!
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「いっ……! 頭が……!」
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レイがすぐさま脈拍を確認し、冷たい声で言い放つ。
「まったく……なぜ報告を遅らせる? 鎮静剤の準備を。ユリタンが危険な目にあったら、君のせいだよ」
(いや、お前のせいだ!!!)
俺と森下先生の心の声は、ハモっていたに違いない。
注射が打たれ、意識はゆっくりと闇に沈んでいった。
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