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第1話 嘘から本気にさせられちゃった恋のおはなし。
1−17 *
しおりを挟む「大丈夫、しっかり、ほぐす」
「ラルフ……ぅ……」
「っ。しがみつかれるの、いいな……」
緊張で腕をがっちり回してたみたいで、ラルフの声が少しだけ上擦った。でも、手は全然止まってくれない。
何度か入り口付近を往復しながら、ゆっくりと、割れ目にそうように、つぷりと指が侵入してきて。
「ぁ、ぁ、ぁのっ。ラルフ!」
「ん?」
「はじめてなのっ」
パニックになっちゃったままそんな告白をしちゃって、もっともっと混乱する。
だって、こんなの。
わたし。ちゃんとできるかわかんなくて。
「ん。光栄だ――」
「ぁぁっ……!」
「だからよけいにな? しっかりほぐさねえと」
知ってた、と言わんばかりの微笑みに、どうしていいかますますわからなくなる。
あわあわあわあわしてたら、彼が体をずらして、わたしに顔を寄せる。触れるだけの優しいキスをくれてから、あまってる方の手で頭を撫でてくれて。
「ちゃんと息しろ? な? 力抜いて――」
「ぅ、ど、してそんな余裕なの……」
「はっ。余裕なんてあるかよ?」
いやいや、あるでしょ。
でもラルフってば、わたしの疑問に笑って答えててさ。
じーって見てやったら、ぐしゃぐしゃと頭を撫でられて、耳元で囁かれる。
「安心しろ? ちゃんとする。オマエはただ、オレにまかせてたらいいから」
「っ」
「怖いなら、全部わかんなくするくらいどろどろにしてやってもいいが?」
「……初心者用で、オネガイシマス」
「りょーかい」
そのまま彼は、わたしの耳朶に口づけて、じゅ、って、そこにも舌をおしつけて。
「ひゃっ!?」
「ほら、リリー?」
「初心者用って、言った……!」
「ん? ああ、これ、好きなのか」
「ふぁ……!」
耳の穴まで舐められて、なんか、すごい音がする。
体がきゅっと縮こまるような感じがして震えると、わたしのなかに挿入ってた指が、ぐりぐりと強く押しつけられて、ますます体が震える。
だれも受け入れたことのなかったそこが、どんどんと押しひらかれてゆく。
「さすがに、狭いか――」
けれど彼は少し心配そうに呟き、体を起こす。ベッド脇の棚に手を伸ばしたかと思うと、なかからいくつか小さなものを取り出した。
そのうちの小さな瓶を両手に持って、栓を抜く。
無色透明の瓶には、なにやらとろりとした液体が入っていて、彼はそれをいくらか手に取り、再びわたしのなかに指を擦りつけるようにして。
……もしかしてこれは、ローションと呼ばれるものではないだろうか。
「あ、の……?」
「はじめてでそのままだと、さすがにキツいから。ほら」
「ぁ……っ」
一本の指を擦りつけるように何度も何度も出し入れされると、なんだか股の間がむずむず疼くような感じがして、落ち着かない。
しかもしばらくしていると、なんだか奥の方がぽかぽかして、疼きはじめて。
腰が勝手に動いちゃいそうになるけど、ラルフにがっちりとのし掛かられてるから、満足に動けない。
「こっちもな?」
「ひゃっ」
なんて、きゅってクリトリスをつねられて、わたしは体をねじっていた。
体が勝手にきゅんきゅん跳ねて、全然制御できない。
なかとそとを一緒にいじられると、むずむずと体の奥の方が変に熱くなってきて、妙な気分になって。
「ラルフ……らるふ、なんか、へん……」
「んー?」
「へんなかんじ、する」
「ん。もっと、変になっちまえ」
「っあ……!」
なんていじわる言って、ますますラルフはくりくりとわたしの敏感なところ弄ってきて。
塗り込まれた液体が妙に熱く感じて、わたしははくはくと息をした。
「スゲー、感触、変わってきた」
「?」
「濡れてきたんだよ。――わかるか? オマエの体から出たヤツが、混じってる」
「……っ」
「これなら二本イケっかな」
「ぁ……ラル……」
「ん――お、イケそー」
「ぅぅぅ、ラルフ。ラルフ……っ」
「しっかりほぐすからな? ホラ」
なんて、二本の指でなかを広げるようにぐいーって伸ばされて。
なかのざらざらしたとこにしつこいくらいに指の腹が押しつけられると、体の芯が、びくびくって震えそうになって。
「スゲー顔」
「っ、ど、どうせ変な顔だもんっ」
「なわけあるか。かわいいに決まってるだろ? ――ほら、キス」
「ぅ……」
「きーすー?」
これは、わたしからしろってことなんだよね。
わたしの気持ちはなんかふわふわ浮ついているというか、熱に浮かされたみたいになっているというか……彼にねだられたら、拒めない。
ゆっくり自分から顔を寄せると、彼も嬉しそうに目を細めて。
恥ずかしくて、唇くっつけるだけだったけど、彼の舌がツンツンしてくるから。つまり、受け入れろってコトで。
ちろっと唇開いたら、ゆっくり彼の舌が侵入してきて。わたしの舌の先と、ぶつかって。
そうやって段々と深くなっていくうちに、彼の指がどんどんとわたしのなかをひらいていく。
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