【R18】嘘から本気にさせられちゃった恋のおはなし。

浅岸 久

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第2話 恋のライバル登場に「えっ、ベタな……」ってなるのは許してほしい。

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 なんて慰められながら、彼に抱きしめられる。
 いっぱいいっぱい、彼は慰めてくれようとしてくれてるけどね?
 ふわふわって、やっぱり漂う、ミリアムを思い出すかおりがひっかかって。

 ……おふろだ。おふろ。
 悔しいから、はやくおふろはいって、匂い落としてきてもらおう。

「ね、ラルフ、お風呂入ってきて?」
「は?」

 いきなりすぎただろうか。
 まだご飯も食べてないのに、告げたものだから、ラルフがぱちぱちと瞬いた。

「っ。……いいのか……リリー?」

 もちろん大丈夫だ。
 もう、じゅうぶん抱きしめてもらったし。少しは気持ちも落ち着いた。

「もちろん。……だから、はやく入ってきて?」

 はやく、彼女の匂いを落としてほしいもん。
 ラルフの方は、昨日の今日なのに……とひとりでブツブツ呟いている。

「おっ……おう……じゃあ、今日はこっちの部屋で?」
「ぅん? そりゃあ、あなたの部屋なんだから」

 お風呂くらい好きに使えばいいと思うの。

「マジか。……オマエから誘ってくれるだなんて。やべ。これはあの女のおかげか?」
「えっ」
「うれしすぎる。はぁー、今日は疲れたけど……いいこと、あったわ」
「誘って? ないけど!?」
「えっ」
「えっ」

 あ!?
 お風呂! そういうこと!?

「ちがうちがう! そんな意味じゃないからっ! とにかく臭いからっ。はやく入ってきてっ」
「なにい!? オレ臭い!?」

 もうっ。ラルフってば、すぐにえっちのこと考えるんだから!
 全力で否定して、なにかにショックを受けてるラルフをお風呂場に押し込む。

「晩ご飯っつくっておくから! ほら!!」

 問答無用でドアを閉めて、はぁーってため息をついて。
 深呼吸。
 いつものようにラルフとやりとりして、ちょっとだけ気持ちが落ち着いて。
 彼の部屋にひとり――昼間のことを思い出しながら、わたしはそっと、自分の胸に視線をむけた。


 カウンターに肘をついた、彼女の谷間……。
 あれ、すごかったよね。圧倒的、存在感。
 ……むぅぅ。わたしだってね。……わたしだって……っ。

 ふにっ。

 それなりに。あるんだからね。
 両手にちょうど、おさまるくらいのおっぱいが。

 ふにふにっ。

 形と感触をたしかめながら、ミリアムの言葉を思い出す。

『あたしの勝ちね?』

 あたしの、勝ちね?
 あたしの……あたしの……っ???

 なにを言ってるんだか!
 ラルフはっ、わたし・・・の! おっぱいが! すきなんですー! もー!
 落ちこむだけ落ちこんだら、今度はふつふつと怒りが押し寄せてくる。

 もみもみもみもみっ。

 ふんだふんだっ。わたしだってねっ。それなりにボリュームもあるしっ。
 ミリアムは知らないだろうけど形だってねっ! 綺麗なんだからねっ!!

 もみもみもみもみっ。

 もみもみもみもみっ。

 もみもみもみもみもみもみもみもみっ。

 なんて、怒りを爆発しながらたしかめる。
 こうやって揉んでたらね? ちょっとは大きく……って思ってたら。

 にゅっと後ろから腕が伸びてきて、わたしは硬直した。

「!?」
「リリー、やっぱり、一緒に風呂しよう。……な?」
「は……?」

 えっ!? ラルフ!?
 いつのまにそこに立ってたの???

 しかも、ラルフってば、すっぽんぽんで!
 問答無用でわたしをぎゅううって抱きしめて。

「オレ、ちゃんと、体洗うから」

 しかもまだ、臭いっていったこと気にしてる!
 いやいやそれよりもねっ。ラルフっ、え?

「えっ…ちょ、ま……!? どうして、いるのっ!?」

 お風呂、入るんじゃん?
 ここですっぽんぽんで戻ってくる???

「いや。食材、好きに使っていいぞって言おうとしただけなんだけどな?」
「まっ……まっ……」
「胸育てるのは、オレの役目だろ? いくらオマエだって譲れねーぞ」

 なんて堂々としたもの言いですかっ。
 ってか、しっかり見られてた!?

「まっ、まって、ラルフっ!」
「待てねえ」


 で、このあと。
 無事にお風呂場に連行されましたとさ。

 いや……。
 うん……。

 ちょっとはおっぱいおっきくなったかな……?
 おっきくなってたら、いいな……。
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