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第一章
8
「お前、忍者だな?」
「忍者?」
「ほら、ニンニン!ってやるやつ」
「にんにん⋯⋯」
クインテスは、人差し指を立てて忍者のポーズをしましたが、ドウザキには通じませんでした。
(絶対忍者なのにっ!!)
クインテスは項垂れました。
「えっと⋯故郷では俺らみたいなのは生まれの土地の名で名乗っていました。有名な所だとイガとかコーガがとか⋯⋯」
「ほらぁぁぁ!!忍者ぁぁあ!」
伊賀に甲賀、紛れもなくニンニンです。
なのに通じないニンニン。
「お前の出身ニホンとかジャポンとかだろ!?東の島国!」
「確かに出身は海を渡った東にある島国ですが、国の名前はゴクトウと言います」
「極東っ!!」
「こっちではゴトーと呼ばれてます」
「後藤じゃん!!」
クインテスは叫ぶばかりです。
ドウザキは自分の発言の度に叫ぶクインテスを心配しました。
これらのやり取りは、パーティを組んでしばらく経った後のやりとりでした。
クインテスがドウザキの新たな保証人となり、いくつか討伐依頼を受けました。
そして、その時の討伐での彼の動き、戦い方が前世で知る忍者だったのです。
軽く素早い身のこなし、パワーよりもテクニカル重視、得意武器を持たず、身近にある石や枝、時には魔獣の骨や牙を使って戦うソレは乱定剣そのもの。クインテスは前世の幼少期に読んでいた忍者のたまご的な漫画本を思い出していました。
◆◆◆◆◆
(ここ、絶対日本人が創作したナニカの世界だろ)
クインテスは確信していましたが、皆目検討がつきません。
なのにドウザキと出会ってから、やたらと日本を、忍者を感じているのです。和の心です。
しかし、それなら……
(俺の立ち位置は何だ?悪役令息か?溺愛されてたまらん男爵家五男か?前世知識でチート三昧ハーレム展開か?)
どれも心当たりがありません。
悪役令息しようにも4歳から冒険者してるものだから貴族との交流なんてありません。溺愛してくれる高位貴族の令嬢とも令息とも、勿論縁なんてありません。男爵で五男だから婚約者も居ません。虐めたい平民も居ません。生前知識を活かして……と、言いたいところですが、そこまで専門的な知識もありません。
(まぁ、悩んでも仕方ないからな。このまま冒険者を続けて金に困らない程度になったら国外に旅にでるのも良いだろう。そうすればきっとアレだ。作品には影響は出ないはず)
そもそも、クインテスもアリアも無自覚に原作からドロップアウトが済んでいます。
考えるだけ、無駄なのです。
そんなこんなで、クインテスとドウザキは共に冒険者として日々勤しむのでした。
◆◆◆◆◆
成人したクインテスは、スケイルズ家には戻らず、ギルド近くの小さな家を借り、そこをドウザキと共に拠点としました。
そう、どさくさに紛れて同棲……では無く、同居にこじつけたのです。
「あの、家賃は……」
「あぁー、要らないよ。俺が家に帰るのが面倒くさくて借りただけだし。それに依頼によっては帰らない事だってあるだろ?完全に俺の都合で借りてるのだから、気にするな」
今までの依頼報酬の殆どを貯蓄していたため、お金には困っていなかったクインテスです。
ここぞとばかりに男(童貞)の甲斐性を見せました。
そして、勿論寝室は同じ部屋です。
しかしベッドはツインです。
そこは前世も今世も童貞なので、寝室を同室にするだけで精一杯だったのです。
あわよくば、ドウザキに惚れられたいし、うっかり同じベッドで眠りにつきたいし、セッまで行かなくとも、抜き合いくらいは出来るんじゃないかと、童貞思考で存分に期待しましたが、残念ながら叶いませんでした。
帰宅すれば、2人でお行儀良くスヤァなのです。
そんな毎日を過ごしていたら、ドウザキは本来の戦い方でメキメキと実力を発揮し、依頼をこなし、あっと言う間に単独で冒険者ギルドに登録が出来る、Cランクまで成長しました。
これで、晴れてクインテスの保証人は終わります。
「クインテスさん、本当にお世話になりました」
「単独でギルド登録出来るようになって良かったな。まぁ、ドウザキの実力ならすぐだと思っていたけど」
(ぐぅぅっ!!俺のバッカチーン!チャンスはいくらでもあったのに!)
ラブに発展しなくとも、同じ屋根の下で過ごしたのです。ヤリチンの心得があれば、ドウザキと一回くらいは抜き合いができた事でしょう。
しかし、残念ながらクインテスは童貞でした。4歳から冒険者をしていたため、女っ気はゼロですし、パートナーのエスコートを含めた貴族教育も、所詮脳筋アリアとの机上の空論です。
所作は完璧に叩き込ましたが、それ以外は空論。
ドキドキの褥教育に至っては、木の洞と丸太での学習でした。
「坊ちゃま、この穴に、丸太をこう!(ズボッ)」
「こう!(ズボッ)」
「そうです!」
(ぜったいに違う⋯⋯)
そんな教育しか受けてこなかったクインテス。そして前世は中二病に疾患した童貞大学生。アプローチなんて出来やしないのでした。
そんな塩っぱい過去を思い出しながら、クインテスはドウザキに微笑んで「寂しくなるな」と呟きました。
ギルドに正式登録が出来れば、一緒に組む理由は無くなります。
ドウザキともお別れです。
すると、ドウザキはクインテスの顔を覗き込みながら、聞きました。
「クインテスさんは、俺が居なくなると寂しいのですか?」
クインテスの呟きが聞こえたみたいです。
「そりゃ寂しいよ。俺はドウザキとパーティ組む前は、家の使用人と組んでいたから、一人で冒険者ってのは未経験なんだ」
「使用人⋯⋯お強いのですか?」
「強いな。物凄く強い。なんでアリアがうちの使用人なのか不思議で仕方ない。俺の親代わり兼教育者だったのだが、いま思うとチートじゃね?褥教育のクソっぷりに目を瞑れば貴族教育に魔術体術戦術、全部アレから教わったもんな⋯⋯」
クインテスは、改めて脳筋アリアのスキルの高さに感心しました。
「し⋯⋯とね⋯⋯?」
ドウザキの目の色が変わりました。
「その方から、そちらも教育受けたのですか?」
「うん?クソみたいな教育だったけどな!受けた受けた」
木の洞と丸太で、とは言いませんでした。
そんなの褥では無いですからね。
「クソみたい⋯⋯って事は、きちんと受けられなかったって事ですよね?」
ドウザキは、クインテスに詰め寄りました。
いつもより少しばかり顔の距離が近くて、クインテスはドキドキです。
そして、どのように教育を受けたかは言えずに、クインテスは頷くだけでした。
「では、今までのお礼も込めて俺が改めて貴方に褥についてお教えしてもよろしいでしょうか?俺は房中術の心得があります。内容としては一緒でしょう。どうか、その役目、今度は俺に任せて貰えませんか?」
願ってもいない申し出でした。
クインテスはドウザキと組んずほぐれつな関係を密かに思っていたのですから。
クインテスは二つ返事で、ドウザキの申し出を受け入れました。
(こんなことってあるんだー!!!)
「忍者?」
「ほら、ニンニン!ってやるやつ」
「にんにん⋯⋯」
クインテスは、人差し指を立てて忍者のポーズをしましたが、ドウザキには通じませんでした。
(絶対忍者なのにっ!!)
クインテスは項垂れました。
「えっと⋯故郷では俺らみたいなのは生まれの土地の名で名乗っていました。有名な所だとイガとかコーガがとか⋯⋯」
「ほらぁぁぁ!!忍者ぁぁあ!」
伊賀に甲賀、紛れもなくニンニンです。
なのに通じないニンニン。
「お前の出身ニホンとかジャポンとかだろ!?東の島国!」
「確かに出身は海を渡った東にある島国ですが、国の名前はゴクトウと言います」
「極東っ!!」
「こっちではゴトーと呼ばれてます」
「後藤じゃん!!」
クインテスは叫ぶばかりです。
ドウザキは自分の発言の度に叫ぶクインテスを心配しました。
これらのやり取りは、パーティを組んでしばらく経った後のやりとりでした。
クインテスがドウザキの新たな保証人となり、いくつか討伐依頼を受けました。
そして、その時の討伐での彼の動き、戦い方が前世で知る忍者だったのです。
軽く素早い身のこなし、パワーよりもテクニカル重視、得意武器を持たず、身近にある石や枝、時には魔獣の骨や牙を使って戦うソレは乱定剣そのもの。クインテスは前世の幼少期に読んでいた忍者のたまご的な漫画本を思い出していました。
◆◆◆◆◆
(ここ、絶対日本人が創作したナニカの世界だろ)
クインテスは確信していましたが、皆目検討がつきません。
なのにドウザキと出会ってから、やたらと日本を、忍者を感じているのです。和の心です。
しかし、それなら……
(俺の立ち位置は何だ?悪役令息か?溺愛されてたまらん男爵家五男か?前世知識でチート三昧ハーレム展開か?)
どれも心当たりがありません。
悪役令息しようにも4歳から冒険者してるものだから貴族との交流なんてありません。溺愛してくれる高位貴族の令嬢とも令息とも、勿論縁なんてありません。男爵で五男だから婚約者も居ません。虐めたい平民も居ません。生前知識を活かして……と、言いたいところですが、そこまで専門的な知識もありません。
(まぁ、悩んでも仕方ないからな。このまま冒険者を続けて金に困らない程度になったら国外に旅にでるのも良いだろう。そうすればきっとアレだ。作品には影響は出ないはず)
そもそも、クインテスもアリアも無自覚に原作からドロップアウトが済んでいます。
考えるだけ、無駄なのです。
そんなこんなで、クインテスとドウザキは共に冒険者として日々勤しむのでした。
◆◆◆◆◆
成人したクインテスは、スケイルズ家には戻らず、ギルド近くの小さな家を借り、そこをドウザキと共に拠点としました。
そう、どさくさに紛れて同棲……では無く、同居にこじつけたのです。
「あの、家賃は……」
「あぁー、要らないよ。俺が家に帰るのが面倒くさくて借りただけだし。それに依頼によっては帰らない事だってあるだろ?完全に俺の都合で借りてるのだから、気にするな」
今までの依頼報酬の殆どを貯蓄していたため、お金には困っていなかったクインテスです。
ここぞとばかりに男(童貞)の甲斐性を見せました。
そして、勿論寝室は同じ部屋です。
しかしベッドはツインです。
そこは前世も今世も童貞なので、寝室を同室にするだけで精一杯だったのです。
あわよくば、ドウザキに惚れられたいし、うっかり同じベッドで眠りにつきたいし、セッまで行かなくとも、抜き合いくらいは出来るんじゃないかと、童貞思考で存分に期待しましたが、残念ながら叶いませんでした。
帰宅すれば、2人でお行儀良くスヤァなのです。
そんな毎日を過ごしていたら、ドウザキは本来の戦い方でメキメキと実力を発揮し、依頼をこなし、あっと言う間に単独で冒険者ギルドに登録が出来る、Cランクまで成長しました。
これで、晴れてクインテスの保証人は終わります。
「クインテスさん、本当にお世話になりました」
「単独でギルド登録出来るようになって良かったな。まぁ、ドウザキの実力ならすぐだと思っていたけど」
(ぐぅぅっ!!俺のバッカチーン!チャンスはいくらでもあったのに!)
ラブに発展しなくとも、同じ屋根の下で過ごしたのです。ヤリチンの心得があれば、ドウザキと一回くらいは抜き合いができた事でしょう。
しかし、残念ながらクインテスは童貞でした。4歳から冒険者をしていたため、女っ気はゼロですし、パートナーのエスコートを含めた貴族教育も、所詮脳筋アリアとの机上の空論です。
所作は完璧に叩き込ましたが、それ以外は空論。
ドキドキの褥教育に至っては、木の洞と丸太での学習でした。
「坊ちゃま、この穴に、丸太をこう!(ズボッ)」
「こう!(ズボッ)」
「そうです!」
(ぜったいに違う⋯⋯)
そんな教育しか受けてこなかったクインテス。そして前世は中二病に疾患した童貞大学生。アプローチなんて出来やしないのでした。
そんな塩っぱい過去を思い出しながら、クインテスはドウザキに微笑んで「寂しくなるな」と呟きました。
ギルドに正式登録が出来れば、一緒に組む理由は無くなります。
ドウザキともお別れです。
すると、ドウザキはクインテスの顔を覗き込みながら、聞きました。
「クインテスさんは、俺が居なくなると寂しいのですか?」
クインテスの呟きが聞こえたみたいです。
「そりゃ寂しいよ。俺はドウザキとパーティ組む前は、家の使用人と組んでいたから、一人で冒険者ってのは未経験なんだ」
「使用人⋯⋯お強いのですか?」
「強いな。物凄く強い。なんでアリアがうちの使用人なのか不思議で仕方ない。俺の親代わり兼教育者だったのだが、いま思うとチートじゃね?褥教育のクソっぷりに目を瞑れば貴族教育に魔術体術戦術、全部アレから教わったもんな⋯⋯」
クインテスは、改めて脳筋アリアのスキルの高さに感心しました。
「し⋯⋯とね⋯⋯?」
ドウザキの目の色が変わりました。
「その方から、そちらも教育受けたのですか?」
「うん?クソみたいな教育だったけどな!受けた受けた」
木の洞と丸太で、とは言いませんでした。
そんなの褥では無いですからね。
「クソみたい⋯⋯って事は、きちんと受けられなかったって事ですよね?」
ドウザキは、クインテスに詰め寄りました。
いつもより少しばかり顔の距離が近くて、クインテスはドキドキです。
そして、どのように教育を受けたかは言えずに、クインテスは頷くだけでした。
「では、今までのお礼も込めて俺が改めて貴方に褥についてお教えしてもよろしいでしょうか?俺は房中術の心得があります。内容としては一緒でしょう。どうか、その役目、今度は俺に任せて貰えませんか?」
願ってもいない申し出でした。
クインテスはドウザキと組んずほぐれつな関係を密かに思っていたのですから。
クインテスは二つ返事で、ドウザキの申し出を受け入れました。
(こんなことってあるんだー!!!)
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