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エミナ町崩落編

22.3話 機械傀儡

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機械天使
「機械傀儡
それが機械軍団の本当の名前だった
機械生命体というのはコアが存在している

そのコアというのは機械天使祭殿にあった生命エネルギーの集合体だが
その集合体は、実は人力で寄せ集めた結果だ

傀儡メイズ道具を駆使した自動旋律組曲(トワイライト・メイズ)にしていた
自動旋律組曲となった機械祭殿はそうして現実世界を空中から干渉して支配していた

生命エネルギーの支配に値する」




機械糸の繊維は蚕メイズ生物から取っている
飼育を担当していたメイズ協会

メイズ協会の一つの区域だけは
別のアルゴリズムで動いていた それが機械糸の運搬だった

表ではメイズ生物の飼育と管理とは名ばかり
本当の使用目的は、その蚕メイズによる機械糸の生成による細胞操縦だ

機械天使
「蚕メイズにとって、世界は全て敵だ
一人では決して生きていけない脆弱な生物だからだ
しかしそれを利用するものによって、今まで絶滅危惧種とならなかった

メイズ協会は絶滅危惧種などにも協会として解決してきていた
その中のほんの一握りのメイズ協会員がでっち上げて作られたのが
この蚕メイズ生物の飼育チームである」


メイズ協会はあちこちに散らばっている
電子世界の影響によって変わったのは主に移動経路





機械天使
「まず電子世界確立の為にラウドが水底に沈んだという覚悟をもってして計画を立てられた

メイズ協会と機械天使によって
電子メイズ道具の開発が成された

電子干渉を世界のあちこちに配置する事で
電子干渉の支配領域を拡大 そして今の移動先への転送ポータルがある」

機械天使
「電子メイズ道具として一つにクラウドが存在する
しかしこのクラウドが今は問題となっている

メイズ道具による元弱者からの武力介入・群集心理による快楽殺人
メイズ道具はトルギスの策略によってメイズ道具技術を完成させていった

トルギスは元々、機械天使の存在概念を知っていた
トルギスは元々、メイズ協会員であり初期メンバーの情報を持っていた
その情報はエールの電子世界で散らばっていた情報を吸収メイズ道具で集めていた情報で知っていた」


誰も探さなかった圧倒的な情報によって
トルギスはメイズ道具技術に確かなる進化力を見定める




機械天使
「没落貴族を聞いた事あるだろう?
そう言われたラウドはその存在を記憶を覚えていた そして後悔もしていた
しかしあのようなイレスのような存在は一部では無かった

大きな問題の一つであった
メイズ技術がままならなかった非電子世界では格差が広がっていた
格差も結局はメイズの使い道だった

メイズ協会は元々、義賊と悪辣どちらかによる概念で創設されたものである
どちらも正義では無かった 正義の革を被っているだけ」


イレスはその被害にあっていただけ

ラウド
「なら、イレスは良い餌釣りだったんじゃねえのか?
そんなの許せねぇよ」


メイズ協会員はそれに疑問を傾げていた
ラウドの意図が分からないのだ

メイズ協会員
「メイズ協会は、メイズある世界を望んでいるからな
結局正義と悪には別に関係無い

終わりよければ全て良し それが基本の構造だ
捨てるものがあってもメイズ協会はそれを利用出来るのなら飼い殺しにするまでだよ」


メイズ協会員はそこにマリアを示した
マリアはラウドが痛感する程鋭い亀裂メイズだった

彼女の亀裂メイズは、地面を破裂させて
壁を破裂させて、しかし人へは攻撃をしなかった

ラウド
「マリアは…お前らメイズ協会にどういう意図を刺しこまれたんだ?
俺にも俺個人に良いように言ってきただけなのか?」





メイズ協会に入ったラウドは
メイズ協会員の触れ込みでこうあったから入ったのだ


『私達もそのメイズへの探求心については大いに賛同です
メイズ協会員にもそうした探求心を持った方はおられますよ

ナイトメアメイズ…ふふふ、良い響きですね』


と。
そう言った女性のメイズ協会員は長髪を靡かせて去っていった

ラウドはそこにローズのような女性特有のオーラを感じていた
ローズの姿を借りてまでスカウトしていた事が
あれがラウドへのストーキングの末の犯行だったとしたら

そうラウドは考えたのだ
メイズ協会員は舌打ちをしながらも伝えた


『ラウドがローズを殺害したのは直ぐに分かった
トルギスはその始終を確認しては報告したのだから

彼はメイズ協会員の創始者のデータを持っているからね』


メイズ協会員が下した判決は
ギロチンもしくはラウドのデータを分裂させる事だった





ラウド
「どちらにしろ
俺には死ぬか
もしくは、記憶が定まっていない自分になるかのどちらかになるって事だろう」

マリア
「表向きの発言はそう言うしかないからな
私の場合はそのどちらの意見も当てはまるんだ
それ以上にラウドが抱えたものは大きいからな

一筋縄でいかないのなら
内部からも外部からも何とかするしかないんだ」

ラウド
「メノワールのメイズ協会襲撃を食い止めよう」

ラウドはそう言い残してエミナ町を去った
メイズ協会にいる同胞を救済する事を誓って
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