ナイトメアメイズ2 ~悪夢迷宮庭園(ナイトメアラビリンス)~

クライン・トレイン

文字の大きさ
112 / 152
戦争の勝利者編

96話 ハイルドが生徒だった頃の回想

しおりを挟む
~とある学校の風景~

「ハイルド
この問題はどう捉える?
復讐に身を投じた人間がいたとして
そいつを味方にするかどうかだが…」


授業では仲間にする材料を選んでいた
今回は復讐心が強い者を味方として補填できるかという話だった

そこに教師の最も良くしている生徒であるハイルドは選ばれていた


「はい先生
この場合、まず復讐心を和らげるのです」


「どのようにだ?」


「まず戦争とは何か
まず復讐とは何か
それを紐解くのです

そしてその概念を上手く扱い
そして仲間にするのです」


「だがそれでは…弱いぞ
まとわりつく思考概念が」


復讐にその身を投じている人間は思考概念が他人と異なる
それ以外を考えられない習性がある


「それは大丈夫です
何故なら復讐以外のシーンを見せつける事で
徐々にその戒律を外せばいいのですから」


復讐とは戒律を自ら持つ事だ
ハイルドはそう思った
だから戒律を外す為の伏線をそこに持たせればいいのだと

教師も生徒も拍手していた


「さすがだよ
それでこそ私の勇敢なる生徒だよ」





~戦争が起きた翌日~

担任をしていた顧問を
ハイルドは慕っていた

その日の戦争後の会話を聞くまでは…


「先生…どこに行ったんですか」


ハイルドは最近授業で満点を取れていた事で
担任へと褒められる為に待ち伏せしていた

それにミニチュアの駒を使った戦争ゲームをするのが好きだったからだ
その駒を用意してハイルドは待ち伏せしていた

扉の先で話し込んでいる声が聞こえる
それは戦争についての話であった

それを聞く事は禁じられている
罰則があるからだ
しかしハイルドは興味津々だった 薄く意識を閉じてから話を聞いていた


「先生 調子はいかがですか?良い商品は出来上がっていますか?」
「えぇ中々の人材がいますよ」

「あのハイルドって人ですか 彼は良い人材になってくれましたね」
「はい 私が教えた通り段階を踏んで彼は戦争の勝利者として世界を蹂躙してくれるでしょう」


その声にハイルドは嘘話だと感じた
否、それは嘘なのだ そうあって欲しい ハイルドは強く思っていた
何故ならハイルドにとって担任教師がしてくれたのはあくまで戦争を終わらせるための伏線だ

これではまるで戦争を流行らせようとしているではないか
まるで戦争を面白がっている そうハイルドは感じていた






「そう言えば先週、餌を見ていた国はどうなりましたか?」
「あぁそれですか 私が得た情報によりますとどうやら再戦になりそうですよ」


それは密約を交わす事を否定されていたからだ
密約とは、戦争の大原則としての利益だった

利益の為の戦争
それが繰り返されていた


「戦争は国と国の争いでは無い
それを分かっている商売人こそが戦争の勝利者となるのです」


顧問はそう笑っていた
それをハイルドは信じたくなかった

だからハイルドはそこから繰り出していった
後の事はよく覚えていない
しかし教師の顔を殴り続けていた事は覚えている

そしてハイルドは拷問室へと連行された





~拷問室~

こいつはスパイだろう
ありったけの情報を吐かせろよ


「先生…!教えてください!
これは…何かの間違いではないのですか…!
戦争とは…こんな下らないものだったのですか…!
我々生徒は手駒でしかないのですか…!」


手駒
ハイルドが戦争ゲームに使用していた
その駒はプレイヤー側に身を委ねられる
そのプレイヤー以外は自分で行動する事も出来ない

何故なら行動したとしても
全てがプレイヤーの思惑だからだ

これはつまり戦争も同じであり
主軸の操縦者以外はゴミ同然
そのようにしかハイルドは感じられなかった






その後拷問室で見た顧問の顔は普段と違うものだった
そこには笑顔が無かった
ただ敵だという認識をした顔でハイルドに対して拷問をしていた


『仲間がいるのか?お前は』
『なら何故祖国に反対を示した』
『お前の信じる者は何だ?』
『私を信じたければ戦争を勝利に導かれよ』


ハイルドはその拷問の中を耐え抜いた
耐え抜いた際にハイルドは作った人格者に自身を乗っ取られていた

正義感を口にしていたハイルド自身の人格はどこにもいなかった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷遇された聖女の結末

菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。 本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。 カクヨムにも同じ作品を投稿しています。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話

カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 チートなんてない。 日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。 自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。 魔法?生活魔法しか使えませんけど。 物作り?こんな田舎で何ができるんだ。 狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。 そんな僕も15歳。成人の年になる。 何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。 こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。 になればいいと思っています。 皆様の感想。いただけたら嬉しいです。 面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。 よろしくお願いします! カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。 続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。

処理中です...