アレストクロニクル ~永獄機関とサイバーコロニーと汎用人工知能~

クライン・トレイン

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開闢編

3話 成功体と失敗体

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過去の人類が残したであろう模型の像で彩られている
廃棄工場となってしまった研究施設もまた何かの影響で
そうした像的シンボルになっていくのだろう

アレスト
「いや、その場合
今のトカゲなどの生物なのかもしれんな
トカゲが恐竜という仮説も
トンボを環境を変えて巨大トンボとして品種改良した実験も聞くしな」


今では展覧会にて
そうした博物館が好評だ

皆の人権という考えとは裏腹にそうしたものは需要が確かに存在していた

アレスト
「まあ、人権がイコールで人間で有り続ける限りは
博物館(あそこ)に人間が置かれる心配はあるまい」


ただ、それは人間と許された人物だけである
囚人は軒並み人権から外れやすい傾向にあった

死刑廃止に反対する人間による身勝手な制裁意欲によって人権というものがギクシャクしているからだ

アレスト
「それを大抵の人間は知らない それが身勝手だという事を知らない
例えば俺らのような試験体の人間の中には囚人もいたくらいだからな

俺だって無業者で人権が無かったし
試験体としても人権が無いようなもんだ
今はただ首輪をつなげられた製造番号の類だぜこれは」


人権というものが非常に薄いスケールである危険性を知っている
そしてその危険性を知っていた新規人類は
地球外部へ旅立つ際に
地球内部へ接触禁止条例を発足して防壁領域を作り出した

アレスト
「以来、地球から抜け出せる事が不可能
そしてコンタクトを取れるのもまた希少価値レベルで極薄だ」


人権の持たない人間の元に
無人島の拠点である廃棄工場へと着いた








廃棄工場は寂れていた
開かれたままのガレージ

アレスト
「こいつは人が出ていったというよりは
抜け出したって言った方がいいだろうな

試験体として成功した成功体と失敗体とでは別次元だ」


別次元とは力の比較では無い
概念の比較だ

アレスト
「成功体は超能力的な技術を介せる体を持っている
失敗体は超能力が直接自分の遺伝子に刻まれている

制御出来ているか出来ていないかの違いだ」


だから研究者は皆この地を去った
この地が荒れ地になる前に
この地で争いをする前に

アレスト
「最初から無人島を選んでいる時点で
最初からそうなるシナリオも予定済みだったんだろう

俺には最初から人権は無いからな
成功体も失敗体も同じく等しい人権の無いものよ」


廃棄工場へ入る前に何かを察するが
その前に能力は発動された

爆雷する周辺と共にアレストは散った


そこにアレストは座標転送戻しを繰り返した
アレストが座標転送の技術を持っていなければ一瞬で吹き飛んでいた

アレスト
「地面に穴が開いているな
威力はとてつもない

むしろここからが本領発揮か?」


アレストが上空を見ていると
左右から挟み込むようにギロチンカッターが投げられる

アレスト
「やれやれだ
危ないよそれは…」


アレストが危機に成れば戦闘機はやって来る
自動操縦機として繰り出されたそれは術者を殺していた

殺されたものを見ると
頭に血が上っていた

アレスト
「真っ赤な頭をしてやがる
高濃度な脳回路によってパンクしかかっているのを人工器に変えているからだろう

狂っていたのだな
無人島から復讐鬼でも生み出す気か?」


アレストは内部へと入る









廃棄工場では音が静かだ
しかしエコーが響くような薄暗くて恐怖しそうな場所だ

だがアレストにとって恐怖とは程遠いものだった
成功体となったアレストは極端に感情の高ぶりが冷静だからだ

アレスト
「昔ならドーパミンが高くなっていただろうな
感情機能を忘れた俺からすれば別に何てことは無い

ただ、ここは静けさがあり
そして血みどろなのだろう そう思えるだけだ」


廃棄工場になっている姿には失敗体のまま置き忘れている者達が死体として転がっていた
腐臭が半端無いので
アレストは腐臭を取り除く為に消臭機能のボタンを押した


ブレーカーのようなこの一括機能がどこにあるかも
無人島の昔の資料から
ロジクト上で仮想試行すれば自ずと分かるものだ


『生きてぇ…』
『ワレは…ナンダ…』
『おれはだれだ』


そんな血の文字が飛び交う
これは皆の感情だ

アレスト
「皆の感情に入っているのは誰だ?
皆、暴走してしまったのか?

それでも入る前の能力者は何故存在したのだ?
これも一つの演出なのかい?」


暴走した姿は壁を破壊されている形で表れている
何層もの壁を前面に走り続けていった後が血を引きづるようにして残しているからだ

アレスト
「隠ぺい中の隠蔽だな
とても敵国には存在を見られてはならんな
通りで危険区域に指定されているはずだ」


日本と中国では完全に切り離されていた
それは危険区域などの区域分けをされる事で
そうなっていた

アレスト
「ま、最も俺は興味が無いんだがな
うおっと!あぶねぇな
こんな所で死んでんじゃねぇっての」


アレストは死んだ肉体の頭を蹴り飛ばした
同時に腐った肉は簡単に頭だけを蹴り飛ばすように
サッカーボールのようにゴールを決めていた

アレスト
「あれはどこだ?
ちょうどあそこにボタンのような装置があるぞ」


そのボタンを生首によって押されて開けられた
その室内には何か存在していた
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