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証言者たち
資料探し
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大陸歴1710年5月30日・パルラメンスカヤ人民共和国・首都アリーグラード
ズーデハーフェンシュタットから戻って数日後、イリーナとクララは、いつものようにカレッジのカフェで話をしていた。話の内容はソフィア・タウゼントシュタインから聞いた軍法会議の件だ。
イリーナはここ数日で調べた資料などを広げて、クララに説明をしていた。
「ソフィアさんの話で、お爺様が反逆の罪が軍法会議に掛けられたという話があったでしょ? それで、その判決は死刑だったけど恩赦で釈放されたと」。
「恩赦は皇帝が即位したときのものとはちがうのかな?」
「お爺さんが恩赦になったのは “ソローキン反乱” の後、イリアが皇帝に即位したのはその半年前の事。時期が近いから、皇帝が即位したときに行われた恩赦だと思って、ちょっと調べてみたの。その時の恩赦の対象者たちのリストは入手できたけど、その中にユルゲン・クリーガーの名前はなかったわ。それに、そもそも反逆罪が恩赦になることはないみたいよ」。
「そうなの?」
「反逆罪は重罪だから通常は対象外みたい」。
「不思議ねー」。
「ほかに恩赦になるような理由はなかったようだし、軍法会議の事や恩赦になったということも資料が一切見つからないなんて、この件については、調べれば調べるほど、謎は深まるばかりだわ」。
クララはふと思い出したように、話題を変えた。
「そうそう、それで、お父さんに、お婆さまの事を色々聞いていたんだけど。その中で、出てきた話で、パーベル・ムラブイェフという人が曾祖伯父《そうそはくふ》でいるって」。
「“ソウソハクフ”って何?」
「私の曾祖父または曾祖母の兄。要は、お婆さまから見て伯父さん。それで、その人は法律の専門家で、帝国の時代から人民革命後のしばらくの間、政府の法律関係の仕事をいくつも関係したことあると聞いたことがあるって。それで、調べてみたら、その人が革命の時代の前後に軍法会議の弁護もしていたみたいだから、ひょっとした何か関係のある資料が見つかるかなと思って」。
「へー。それは、期待できそうね」。
「そうなのよ。で、お父さんは今はムラブイェフ家と交流が無いと言ってたけど、住所はわかったよ、古い情報だけどその人の子孫が引っ越ししてなければ、そこにいるかも」。
「そうよね!その人、尋ねてみない?」
「大丈夫。早速、お願いの手紙を書いておいたよ」。
「なんか今日は準備がいいじゃない?」。
「どうだー」。クララは胸を張った。そして、嬉しそうに封筒をカバンから取り出して、イリーナに見せつけた。「後で出しておくね」。
そういうと封筒をカバンに戻した。
そして、十日ほど経った後、パーベル・ムラブイェフの子孫から手紙の返事があった。会って話をしても良いとのことだった。相手の名前はイワン・ムラブイェフでパーベル・ムラブイェフの孫にあたるそうだ。
弁護士をやっていたパーベル・ムラブイェフの遺品で“人民革命”の前後の物が少しあるので、それを見せても良いという。
更に手紙のやり取りをして、会う日時も決まった。
ズーデハーフェンシュタットから戻って数日後、イリーナとクララは、いつものようにカレッジのカフェで話をしていた。話の内容はソフィア・タウゼントシュタインから聞いた軍法会議の件だ。
イリーナはここ数日で調べた資料などを広げて、クララに説明をしていた。
「ソフィアさんの話で、お爺様が反逆の罪が軍法会議に掛けられたという話があったでしょ? それで、その判決は死刑だったけど恩赦で釈放されたと」。
「恩赦は皇帝が即位したときのものとはちがうのかな?」
「お爺さんが恩赦になったのは “ソローキン反乱” の後、イリアが皇帝に即位したのはその半年前の事。時期が近いから、皇帝が即位したときに行われた恩赦だと思って、ちょっと調べてみたの。その時の恩赦の対象者たちのリストは入手できたけど、その中にユルゲン・クリーガーの名前はなかったわ。それに、そもそも反逆罪が恩赦になることはないみたいよ」。
「そうなの?」
「反逆罪は重罪だから通常は対象外みたい」。
「不思議ねー」。
「ほかに恩赦になるような理由はなかったようだし、軍法会議の事や恩赦になったということも資料が一切見つからないなんて、この件については、調べれば調べるほど、謎は深まるばかりだわ」。
クララはふと思い出したように、話題を変えた。
「そうそう、それで、お父さんに、お婆さまの事を色々聞いていたんだけど。その中で、出てきた話で、パーベル・ムラブイェフという人が曾祖伯父《そうそはくふ》でいるって」。
「“ソウソハクフ”って何?」
「私の曾祖父または曾祖母の兄。要は、お婆さまから見て伯父さん。それで、その人は法律の専門家で、帝国の時代から人民革命後のしばらくの間、政府の法律関係の仕事をいくつも関係したことあると聞いたことがあるって。それで、調べてみたら、その人が革命の時代の前後に軍法会議の弁護もしていたみたいだから、ひょっとした何か関係のある資料が見つかるかなと思って」。
「へー。それは、期待できそうね」。
「そうなのよ。で、お父さんは今はムラブイェフ家と交流が無いと言ってたけど、住所はわかったよ、古い情報だけどその人の子孫が引っ越ししてなければ、そこにいるかも」。
「そうよね!その人、尋ねてみない?」
「大丈夫。早速、お願いの手紙を書いておいたよ」。
「なんか今日は準備がいいじゃない?」。
「どうだー」。クララは胸を張った。そして、嬉しそうに封筒をカバンから取り出して、イリーナに見せつけた。「後で出しておくね」。
そういうと封筒をカバンに戻した。
そして、十日ほど経った後、パーベル・ムラブイェフの子孫から手紙の返事があった。会って話をしても良いとのことだった。相手の名前はイワン・ムラブイェフでパーベル・ムラブイェフの孫にあたるそうだ。
弁護士をやっていたパーベル・ムラブイェフの遺品で“人民革命”の前後の物が少しあるので、それを見せても良いという。
更に手紙のやり取りをして、会う日時も決まった。
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