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人民革命
オレガの証言~人民革命~その1
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大陸歴1710年6月27日・パルラメンスカヤ人民共和国・首都アリーグラード
イリーナは首都中心部にあるカレッジの授業のあと、午後にオレガのもとへ自転車で向かう。今日はオレガに面識のあるクララももちろん一緒に同行する。
カレッジからオレガの住む川を挟んだ北部地域は自転車で四十五分程度で到着する。
首都の北部はその昔、貧困地区といわれていたそうだが、革命後は大きく改善され今ではその面影はほとんどない。
オレガ・ジベリゴワはここ二十数年は、彼女の生まれたこの区域で暮らしているという。
クララは彼女に手紙を送り、近代史を学ぶ同級生のイリーナと革命の時期の頃を調査していると伝えた。すると、オレガは彼女に会うための約束を快く了承してくれたのだ。
イリーナとクララの二人は自転車で颯爽と風を切り駆ける。車輪は道路に敷かれている石畳でガタガタと音を立て、オレガが住んでいる北部地域へ向かう。
二人はどんどんと道を進み、アリー川に掛かるアリー中央大橋を渡る。革命の時は、この橋で蜂起した住民と帝国軍の間で武力衝突があったという。革命当時、このアリー中央大橋以外の橋は封鎖されていたそうだ。なので、必然的にここが戦場となった。元々、人民軍に参加した人々は北部地域の住民がほとんどで、そこが、後の人民軍の蜂起の場所となったと伝えられている。
オレガの住む家は北部の閑静な住宅街にあった。二人は順調に自転車を進め目的の場所に到着する。そこは、臙脂色の屋根をした小さな質素な家だ。今はオレガは一人暮らしらしい。彼女には息子が一人、孫が三人いるが、彼らは近くに別々に住んでいるそうだ。
扉をノックすると、「どうぞ」と返事があったので、二人は家に入った。
リビングのソファに座っている上品そうな老婆。彼女がオレガ・ジベリゴワだ。
「叔母様、お久しぶりです」。
クララはそう言ってオレガに駆け寄り彼女を抱きしめた。クララはオレガの事を“叔母様”と呼んでいる。
「本当に久しぶりね。二年ぶりかしら」。
「そうですね、お爺様のお墓参りに一緒に行って以来です」。
「元気そうね」。
「私は元気だけが取り柄ですから。叔母様もお元気そうで」。
「ええ、おかげさまで、最近は風邪もひいていないわ」。
オレガはクララとの再会を懐かしんだあと、イリーナを見つめて言った。
「ごめんなさい。クララが懐かしくて、お客様を放っておいて」。
「いいえ」。イリーナは笑顔で答えた。そして自己紹介をする。「私はイリーナ・ガラバルスコワと言います。今日はお時間をいただき、ありがとうございました」。
イリーナは頭を下げた。
「お話を聞かせていただけるとのことで、楽しみにしておりました」。
「全然、忙しくないから大丈夫よ。最近は来客も多くなくて、いつも退屈しているのよ」。
オレガは、台所の方を指さしてクララに言った。
「お湯を沸かしているから、お茶を作ってくれないかしら」。
クララは「はい」といって、笑顔で台所に向かう。オレガは、イリーナに向き直って尋ねる。
「ラーミアイ紅茶だけど、大丈夫かしら?」
「大丈夫です」。
ラーミアイ紅茶は船で三週間もかかる遥か南方にある大陸“ダクシニー”の名産品で、こちらの大陸でも人気の商品だ。
しばらく、雑談をして、クララが紅茶をカップに入れて持ってきた。それをそれぞれに手渡し、皆が少し飲んだ後、今日の本題に入る。
イリーナは首都中心部にあるカレッジの授業のあと、午後にオレガのもとへ自転車で向かう。今日はオレガに面識のあるクララももちろん一緒に同行する。
カレッジからオレガの住む川を挟んだ北部地域は自転車で四十五分程度で到着する。
首都の北部はその昔、貧困地区といわれていたそうだが、革命後は大きく改善され今ではその面影はほとんどない。
オレガ・ジベリゴワはここ二十数年は、彼女の生まれたこの区域で暮らしているという。
クララは彼女に手紙を送り、近代史を学ぶ同級生のイリーナと革命の時期の頃を調査していると伝えた。すると、オレガは彼女に会うための約束を快く了承してくれたのだ。
イリーナとクララの二人は自転車で颯爽と風を切り駆ける。車輪は道路に敷かれている石畳でガタガタと音を立て、オレガが住んでいる北部地域へ向かう。
二人はどんどんと道を進み、アリー川に掛かるアリー中央大橋を渡る。革命の時は、この橋で蜂起した住民と帝国軍の間で武力衝突があったという。革命当時、このアリー中央大橋以外の橋は封鎖されていたそうだ。なので、必然的にここが戦場となった。元々、人民軍に参加した人々は北部地域の住民がほとんどで、そこが、後の人民軍の蜂起の場所となったと伝えられている。
オレガの住む家は北部の閑静な住宅街にあった。二人は順調に自転車を進め目的の場所に到着する。そこは、臙脂色の屋根をした小さな質素な家だ。今はオレガは一人暮らしらしい。彼女には息子が一人、孫が三人いるが、彼らは近くに別々に住んでいるそうだ。
扉をノックすると、「どうぞ」と返事があったので、二人は家に入った。
リビングのソファに座っている上品そうな老婆。彼女がオレガ・ジベリゴワだ。
「叔母様、お久しぶりです」。
クララはそう言ってオレガに駆け寄り彼女を抱きしめた。クララはオレガの事を“叔母様”と呼んでいる。
「本当に久しぶりね。二年ぶりかしら」。
「そうですね、お爺様のお墓参りに一緒に行って以来です」。
「元気そうね」。
「私は元気だけが取り柄ですから。叔母様もお元気そうで」。
「ええ、おかげさまで、最近は風邪もひいていないわ」。
オレガはクララとの再会を懐かしんだあと、イリーナを見つめて言った。
「ごめんなさい。クララが懐かしくて、お客様を放っておいて」。
「いいえ」。イリーナは笑顔で答えた。そして自己紹介をする。「私はイリーナ・ガラバルスコワと言います。今日はお時間をいただき、ありがとうございました」。
イリーナは頭を下げた。
「お話を聞かせていただけるとのことで、楽しみにしておりました」。
「全然、忙しくないから大丈夫よ。最近は来客も多くなくて、いつも退屈しているのよ」。
オレガは、台所の方を指さしてクララに言った。
「お湯を沸かしているから、お茶を作ってくれないかしら」。
クララは「はい」といって、笑顔で台所に向かう。オレガは、イリーナに向き直って尋ねる。
「ラーミアイ紅茶だけど、大丈夫かしら?」
「大丈夫です」。
ラーミアイ紅茶は船で三週間もかかる遥か南方にある大陸“ダクシニー”の名産品で、こちらの大陸でも人気の商品だ。
しばらく、雑談をして、クララが紅茶をカップに入れて持ってきた。それをそれぞれに手渡し、皆が少し飲んだ後、今日の本題に入る。
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