雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

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混乱の修学旅行編

水子の霊

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 上杉先輩の誕生パーティーも無事(?)終わり、明けて月曜日。
 いつものように登校する。
 明日からは修学旅行なので、みんなそっちにが気になる様子で、教室内は浮足立っている感じだ。
 僕は、お城巡りで旅行慣れしているとはいえ、今回は歴史研のメンバーは毛利さんだけ。
 同じ班になった、山名さん、赤松さんとうまくやって行けるか不安だ。まだ、あの2人を良く知らないし。

 修学旅行の宿泊。旅館の部屋は当然、男女別の部屋割りになるが、幸いなことに唯一と言っていいほど良く話をする(ゲームの中でだが)六角君が一緒の部屋になったので助かる。
 もし、そうじゃあなかったら、ほとんど話をしたことのない男子と一緒になってたわけで、きっと気が重かっただろう。
 とりあえず、修学旅行は3泊4日あるので、無事にトラブルなく帰ってこれればいいと思っている。

 昼休み、少しだけ班のメンバー4人で修学旅行の行動の確認をする。
 修学旅行の準備は万端で、今の時点は何も問題なさそうだ。
 そして、どさくさにスケジュールに入れたお城巡り、安土城と観音寺城の訪問はいずれも山城で、道が険しそうなので、学校ジャージで登ることにする。

 そんなこんなで、放課後。
 上杉先輩からLINEが来て、珍しく部室に来いと呼び出された。
 毛利さんは図書委員で行ってしまったの僕一人で部室に向かう。
 理科準備室の扉を開けると、上杉先輩と伊達先輩がいた。

「いらっしゃい」
「来たね!」

 この挨拶を聞くのは、久しぶりだな。
「ど、どうも」
 僕も挨拶を返す。

「昨日はありがとうね」
 上杉先輩が昨日の生誕祭の礼を言ってきた、

「いえ、準備はほとんど妹がやったので…。でも、すごい人数になりましたね」

「アタシの人徳でしょ?」
 上杉先輩はそう言って、ドヤ顔をした。

 否定したいが、否定して言い合いになるのも面倒なので、ここは素直に認めておく。
「きっと、そうですね」
 僕は続ける。
「将棋の動画配信って、まだやってるんですね」

「うん。私、人気者だから」
 上杉先輩は、再びドヤ顔

 まあ、ギャルが将棋をやるって意外性が受けてるって言ったしな。
 本当にそうなのかもしれない。

「今度、将棋で勝負しようよ」
 上杉先輩が提案してきた。

「まあ、いいですけど…」

「なんか賭けようよ」

「ジュースとかですか?」

「そんなんじゃあ、真剣にやらないでしょ?」

「だったら、何かいいですか?」

「1カ月奴隷をやるってのはどう?」

「え? 上杉先輩が負けたら1カ月奴隷をやってくれるってことですか?」

「そうだけど。アタシ、負けないから」
 上杉先輩はそういうと、ニヤリと笑った。

「ち、ちょっと、待ってください」
 僕は少し考える。
 上杉先輩、自信満々のようだけど、そんなに強くなったのか?
 成田さんに教えてもらい始めてから数カ月はたっているから、強くなっている可能性もあるのか…?
 ここで軽々しく条件を受け入れて、万が一、負けたら前みたいにリードに繋がれて校内散歩とかやらされたりするのか?
 それは避けたい。

「ど、奴隷じゃなくて他のにしませんか?」
 僕は提案した。

「なに? 勝つ自信がないんでしょ?」

「ないですよ」

「面白くないなあ」

「賭けの商品は、明日から修学旅行に行くので、その間に考えておいていいですか?」

「まあ、それでいいよ」
 上杉先輩は、渋々だが承諾してくれた。

「ところで」
 僕が話題を変える。
「そこのキャビネットなんですが、雑司ヶ谷高校七不思議になってるの、知ってますか?」
 僕は壁に並んでいるキャビネットを指さした。

 この質問には、伊達先輩が答える。
「もちろん、知っているわ。夜に赤ん坊の泣き声がするって話でしょ?」

「ええ。聞いたことありますか?」

「夜中に部室に来たことがないから、わからないわね」

「そうですか…」

「そんなのウソに決まっていると思うけど」

「そ、そうですよね」

 上杉先輩が割り込んでくる。
「キミの水子の霊が泣いてるんじゃない?」

「なんで僕のなんですか?!」

「だって、いつも女子といちゃついてるから」

「いちゃついてません」

「織田ちゃんあたりを妊娠させて、降ろさせたんじゃないかと思って」

「何、言ってるんですか? 僕はそんなひどいことはしません!」

「じゃあ、妊娠させて、産ませたの?」

「なんでそうなるんですか? 僕はまだ未経験なんです!」

「いきなり、ドーテー宣言しなくても」

「話の流れで、しょうがないじゃあないですか?!」

「それに、キミ、触っただけで妊娠させる特技があるって言ってなかったけ?」

「そんな迷惑な特技はありません!」
 それは、前に明智さんが言っていた妄言だ。

「面白くないなあ」
 上杉先輩はため息をついた。

「全然、面白くないですよ」
 まったく。上杉先輩は相変わらずだな。
「それより、なにか用があったんじゃあないんですか?」

「昨日の生誕祭のお礼を言いたかったんだよ」

 それは、最初に聞いたな。
「そうですか…。じゃあ、明日から修学旅行なので、今日はこれで失礼をしていいですか?」

「うん。いいよ。お土産よろしくねー」

「わかりました」
 といいつつ、京都のお土産って何があったっけ?
 などと考えつつ、僕は部室を後にした。
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