雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

文字の大きさ
137 / 495
眩暈する秋涼編

織田さんは、押しが強い

しおりを挟む
 新聞部の取材が終わり、僕と織田さんは新聞部部室を後にする。
 僕は今日はもう歴史研の部室には寄らずに、さっさと帰宅しようと考えていたところ、織田さんが話かけてきた。
「これから池袋に行って、お茶でもしない?」

 彼女の突然の提案に驚いた。
「え? まあ、いいけど」
 今日は予定もないし。まあ、僕は大抵予定は無いのだが。

 僕と織田さんは連れ立って地下鉄で雑司が谷駅から1駅の池袋までやって来た。
 そして、駅近のマックに入り、100円ジュースをすすりながら話をする。
 少し世間話をした後は、織田さんと話す話題が無くて、手持ち無沙汰でジュースを飲んでもいないのにストローをしばらくの間、くわえていた。しばらく沈黙。
 織田さんはスマホいじり。

「ねえ」
 織田さんが、スマホを置いて再び話し出した。
「歴史研の部長さんって生徒会長もやってるよね」

「うん。やってるね」

「そうかあ…」

「それが、どうかした?」

「私も来年、生徒会長に立候補しようと思ってるのよ」

「ああ…。そうなんだ」
 目立ちたがり屋の織田さんなら、さほど驚く事ではない。予想できたことだった。

「それで、武田君には副会長をやってもらえないかなぁ」

「ええっ?!」
 これは予想してなかった。驚いて店内で少々大声になってしまった。
「いや、それは…」

「ちょっと考えておいて」

 いや、考えても、やらない。
「以前、伊達先輩にも副会長をやらないかと誘われたんだけど、断ったんだよ」

「どうして断ったの?」

「生徒会に興味ないから」

「でも、応援演説はやったよね?」

「まあ、それぐらいは同じ部活のよしみでいいかなと思って。勉強も教えてもらってるし」

「私の時も応援演説、やってもらえないかな?」

 やっぱり、そう言う話になるか。
「それは…、ちょっと考えさせて」
 まあ、やらないけどな。

 織田さんは話を続ける
「それと、まず、現生徒会長とお近づきになりたくて」

「なんで?」

「会長は結構な得票で当選したでしょ? その会長の後継ということにしてもらえば、それなりの票が集まると思ったのよ」

「まあ、そうかもね」
 会長の得票のうち、男子からの得票の多くは僕に対しての面白半分の投票だったようだ、ということは言わないでおこう。

「だから、会長を紹介してくれないかな?」

「いいんだけど…。それより、生徒会の役員にでもなったらどう? 生徒会は人手不足のようだから、歓迎されると思うけど。それに後継として指名されたいのであれば、役員でもやって恩を売っとけばいいと思う」

「なるほど、それもありね。私、演劇部もあるし調整はしないといけないけど」

「その点は融通利くんじゃない? 伊達先輩は生徒会長やりながら歴史研の部長もやっているし。だから、掛け持ちもできると思う。多分」

「じゃあ、決まりね。明日、会長を紹介してよ」

「明日?!」

「早い方が良いでしょ?」

「まあ、そうだね…」
 急だ。そして、行動力と決断力がすごいな。
「ちょっと待って、伊達先輩の明日の予定をLINEで聞いてみるよ」

 僕はスマホを取り出してLINEで伊達先輩にメッセージを送る。
 そして、返事はすぐに帰って来た。
 明日、歴史研の部室で待っていると言う。僕はそれを織田さんに伝えた。

「じゃあ、明日、よろしくね」
 織田さんは答えた。

「え? 僕も行くの?」

「一緒に行ってよ、一人だと心細いじゃない」

 嘘つけ。
 でも…、まあ、いいか。暇だし。
「わかったよ、一緒に行こう」

「おお! ありがとう!」
 織田さんはそう言って僕の肩を叩いた。

「それにしても、もう来年の生徒会長選挙のことを考えるとか、気が早いね」

「早いうちから動いた方が、より有利になるでしょ?」

 確かにそうだ。
 そう言えば、彼女は学園祭のクラスの出し物を“白雪姫”にするために、早い時期から裏工作をしていたらしいのを思い出した。

 僕はジュースを啜りながら、織田さんの事をちょっと考えてみる。
 彼女は伊達先輩に似ているところがあるな。ちょっと強引で、裏工作が好き。自分の目的を達成するためには手段を選ばないところ、とか。
 しかし、そう言うタイプが生徒会長やりたがるのかなあ、などと考える。
 2人の違いと言えば、織田さんは、陽キャで、伊達先輩はやや陰キャ寄り、という点かな。

 その後、僕は織田さんに知っている範囲で、現在の生徒会の内情を少し話をしてから解散し帰宅した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない

七星点灯
青春
 雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。  彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。  しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。 彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

処理中です...