雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

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逡巡する初冬編

生徒会室で先輩女子に囲まれる

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 そんなこんなで、放課後。
 伊達先輩に呼び出されたので、生徒会室へと向かう。

 生徒会室に到着すると、松前先輩のみが来ていた。

「あら、こんにちは」
 松前先輩は僕に気付くと挨拶をした。

「こんにちは」

 松前先輩に椅子に座って待つように言われたので、その通りに座る。
 少し待つと、ぞろぞろと他の生徒会役員共もやって来た。

 ロの字に並べられたロングテーブルの真正面に伊達先輩、左側に松前先輩、右側に津軽先輩と佐竹先輩が座って、一見、僕は先輩女子4人に取り囲まれるような感じになってしまっている。

「えっと…、伊達先輩、なにか僕に用があるとか…?」

 伊達先輩が話を始める。
「実は、生徒会に対して、一部で反発が出てきたようなのよ。何人か生徒が集まって、生徒会を妨害しようとする動きを察知したの」

「ほほう」
 何かマンガみたいな展開だな。

 伊達先輩は続ける。
「彼らは、女子制服の事とか、トイレの生理用品の事とか、女子のみが優遇されるような施策がとられているという風に言っているみたいなの」

 次に松前先輩が話す。
「学食の値下げとか、部費の増額とか、男子生徒を含めた全校生にも恩恵のある施策もやったんだけど、そいうことには目もくれないようなのよ」

「で、その首謀者なんだけど…」
 伊達先輩は静かに言う。
「生徒会選挙で対抗馬だった、北条よ。私たちが、彼の公約だった来年の学園祭の日程変更を採用したことにも不満があるみたいで」

「なるほど、なんか大変ですね」
 生徒会で起こることなんて、正直、他人事だ。
 でも、それが、僕と何の関係があるのだろう。

「まだ、目立った動きはないんだけど、反発が大きくなると、まだ半年ある任期で生徒会の運営がやりにくくなるのでは、と危惧しているの。それで、急遽、昼休みに私たちで協議をして、彼らの反発を早めに抑えるために、いくつか対策を打つことにしたの。まず、彼らが、生徒会が女子優先の施策しかやってないというふうな誤解をするのは、今の生徒会役員が女子だけだで、男子がいないことが理由の一つになっているという結論になったのよ。それで、まずは生徒会に男子役員を入れるというものよ」

 ん? いやな予感しかしないんだが…。

「だから、武田君に生徒会役員になってほしいの。具体的には、武田君に松前さんがやっている副会長に就任してもらって、松前さんのほうは庶務に就いてもらうことにしたいのよ」

「お断りします」
 頼むから、巻き込むなよ。

「そう言うと思ったわ」
 伊達先輩は笑った。
「だから、交換条件で生徒会として、武田君の望みを聞いてあげるわ。出来る範囲内でね」

 僕は腕を組んで考えた。
 『出来る範囲内』というのが、上手いな。
 "望みを『何でも』聞く”、と言わないところが、伊達先輩の策士らしいところだ。
 しかし、この生徒会の4人に対しての望みが、すぐに思いつかない。
 しばらく、考え続ける。
 どうしようか?

「武田君?」
 何も答えない僕に、待ちきれなくなった伊達先輩が声を掛けてきた。

 僕は考えを披露する。
「その……。今すぐに望みが思い浮かばないので、少し時間をください。僕の望みを幾つか考えてきます。その中で先輩たちで出来そうなことをピックアップしてもらって、それらが、僕の納得がいく数であれば、副会長になってもいいですよ」

「なるほどね。私はそれでいいわ。皆は、それで、いいかしら?」
 伊達先輩は、他の役員に目配せで返事を求める。
 特に異論が出なかった。

「じゃあ、あまり時間が取れないから、希望を出してもらうのは、今週中でどうかしら?」

「それで構いません」

「じゃあ、今週の金曜日、放課後にこの生徒会室に来てちょうだい。その時に、武田君の望みを聞かせて」

「わかりました」

「じゃあ、今日は、これで解散とします」
 伊達先輩がそう言うと、一同は立ち上がって生徒会室を後にした。

 これは、やりようによっては、いろいろ望みを飲んでもらえるかもしれない。
 ちょっと楽しいことになって来た。

 最後に歩きながら、伊達先輩に僕が学年9位だったことを報告し、一応勉強を見てもらったりしているので、礼を言っておいた。
 ちなみに伊達先輩は今回も学年5位だったそうな。
 伊達先輩は普段ほとんど勉強しないのにあの成績。やはり地頭が違う。

 そんなこんなで、僕らは校門付近で別れて、帰路についた。
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