雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

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衝撃の新学年編

勧誘活動開始

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 翌日の放課後。
 僕と毛利さんは、校門近くにやって来た。
 今日から歴史研の新入部員勧誘のため、昨日作ったチラシを1年生に手渡すのだ。

 近くでは、いくつかの他の部活も同じようにチラシを配ったり、派手な看板を持って勧誘活動をしている。
 悠斗や六角君の所属するサッカー部、福島さんや明智さんの所属する卓球部なんかも少し離れたところで勧誘活動をしていた。 
 
 僕がチラシ配りをしている途中、通り過ぎる1年生からチラチラ見られている。 
 注目されているのか? 
 そして、失笑されているようだが?
 べつに目立つために、変な格好をしているわけでないのに、なぜだろう?
 社会の窓は開いてないぞ。

 1時間と少し経った。
 注目の割には、チラシはあまり受け取ってもらえなかった。
 僕と毛利さんの2人で20数枚程度。
 他の部活は僕らよりも沢山のチラシを受け取ってもらえている様子。
 やっぱり歴史研って地味だからかな?

「でも、僕ら、なんか、注目されてなかった?」
 僕は、毛利さんに尋ねた。

「そうだね…。 私もちょっと見られた」

「何でだろう?」

「うーん…。武田君のことはXで晒されているから、知られているかもしれないけど。私は全然そんなことないのに…」

 そうか。僕はXでも有名人だからな。

「それは、まあいいや…。でも、あまりチラシは渡せなかったね」

「仕方ないよ。また明日もやろうよ」

「うん。今日は、また生徒会室に行かないといけないから、行くよ」

「何か手伝う?」

「いや、PCは1台しかないから大丈夫だよ、ありがとう。じゃあ、また明日」
 そう言って、僕は残ったチラシをカバンに入れると、そこで毛利さんと別れた。

 チラシ配りの後に生徒会の仕事をやるとか、僕は働き者だなあ。
 昨日は、生徒会長選挙の打ち合わせで何もできなかったから、今日は少しは作業できるかな。

 生徒会室にやって来た。そして扉を開ける。
 中では、松前先輩と蠣崎先輩ともう1人知らない女子生徒が、向かい合って椅子に座っていた。
 他の生徒会のメンバーはいなかった。
 そうか、生徒会の集まりが無いときは、生徒会室は松前先輩と蠣崎先輩が占い研の部室として使っていると言っていたな、学校には無許可で。

「こんにちは」
 僕は挨拶をする。

「あら、こんにちは」
 松前先輩は振り返った。
 その手には、糸で吊るされた5円玉が。

「ええと…。入っても大丈夫ですか?」

「いいわ。ちょうど、今、終わったところだから」

「何をやってるんですか?」

「催眠術をやっていたのよ」

 以前、松前先輩が催眠術を始めたって言っていたのを思い出した。

「なんか、効いたような気がする!」
 松前先輩の前に座っていた、僕の知らない女子生徒が元気よく言って、立ち上がった。
「これで、今夜から良く寝れると思うよ!」
 そう言うと、その女子生徒は生徒会室を出て行った。

「なんの催眠術をしてたんですか?」
 僕は好奇心から尋ねた。

「今の子は、不眠症っぽかったから、催眠術で治療していたのよ」

「効くんですか?」

「今まで、何人かに試したけど、半分ぐらいの人は効いているみたい」

「本当に?」
 にわかに信じがたい。

「催眠術といっても暗示に掛けているみたいなものだから、対象者本人が効いたと思えば、効いているのよ」

 それって、なんか、いい加減な気がするが。

「武田君もやってみる?」
 松前先輩は糸に吊るされた5円玉を持ち上げて尋ねて来た。

「い、いえ、遠慮しておきます。良く寝れてますから」
 催眠術とか、絶対、妙なことになりそうだからな。
「それより、仕事で来たんですが…」

「資料をPDFデータ化する件でしょ?」

「はい」

「そこに置いてあるスキャナーを使ってPCに取り込むのよ。そして、棚の資料を端から全部データ化していって」

 松前先輩は部屋の端の目立たないように置いてある机の上のスキャナーを指さした。
 近づいてみると、そのスキャナーもノートPC同様年季の入ったものだった。
 僕は早速USBケーブルをつなげて、作業を開始した。

 松前先輩と蠣崎先輩は、僕の作業をよそに楽し気に会話している。
 この2人、付き合っているんだよな…。
 なんか、僕がお邪魔虫みたいな感じになっている。
 僕が居てもいいのかな?
 いや、仕事だから、居てもいいのだ。
 でも、今後、この2人が生徒会室でイケないことをしているところに出くわしたら、バツが悪いよな。
 しかし、女同士って、どんな風にエロいことするんだろう…?
 雪乃なら知ってそうだから、今度、雪乃に聞いてみよう。

 そんなこんなで、1時間ばかり作業すると下校時間となったので、そそくさと先に生徒会室を退散した。
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