色彩の大陸2~隠された策謀

谷島修一

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ソローキン反乱

公国領土内

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 大陸歴1658年3月26日・公国領土内

 ソローキン、キーシン率いる帝国軍は公国領土内を進軍していた。
 二万四千の軍なので、長い隊列となっている。

 公国領内に入ってからは、街道沿いは小麦畑が続いている。平坦な地形がかなり先まで続いており、見通しは良い方だ。もし公国軍がいれば、すぐに発見できるだろう。しかし、公国軍どころか人の姿を見ることは全くなかった。
 この土地は、セベルー川からの用水路などの灌漑設備が設置されていることもあり、この辺りは肥沃な土地となっている。
 領土の大きさはテレ・ダ・ズール公国とブラミア帝国は、ほぼ同じ。公国は帝国と同様、もともとは農業国家であった。公国は北部を除く多くの土地がなだらかな平原にとなっていて、農業に適している。北部では山脈を挟んでヴィット王国と国境を接している。
 帝国には海はないが、公国の領土には、わずかばかりだが海に面しているところがあり、そこには港湾都市ポー・スードがある。ブラウグルン共和国が存在していた時期はズーデハーフェンシュタットなどとの交易があったが、帝国に占領されてからは、それは断たれていた。また、ポー・スードから公国の首都ソントルヴィレを経由してヴィット王国につながる街道が続いており、その交易路としてもその街道沿いは発展していた。

 ソローキンは、先に偵察隊を進ませて逐次報告を上げさせているが、やはり付近に公国軍がいる気配はなかった。
 初戦以降、公国の領土内に深く進軍しているが、公国軍は姿を見せない。そのため戦闘とはならず、ソローキンは少々拍子抜けだと感じていた。公国軍は最初の戦いで恐れをなしたのか。いったいどこまで後退したというのだろうか。しかし、初戦での公国の戦いぶりを考えれば恐れるに足らない。

 途中、近くに人口数百人程度であろう小さな村が幾つかあったが、いずれも住民が見あたらないという報告があった。住民の家も、もぬけの殻だという。かなり慌てて、村を去ったらしく、家の中には食事中の食器などがまだ残っていたという。
 ということは、村人達は帝国軍の侵攻を予想していなかったということだろうか。対照的に公国軍の撤退は手際よく行われたようだが。
 幾ばくかの食料を村から調達することができたが、二万四千もの兵士の食料には、だいぶ足りない。
 最初の予定ではソローキン達は国境沿いから離れる予定はなかった。国境付近で陣を張っていた時はプリブレジヌイから補給をあてにしていたが、公国領土内を進軍すれば途中の補給はほとんどできない。結果的に補給線が長くなるため、手を打たないといけなくなった。
 まだ、国境付近に居るはずのペシェハノフに補給を指示することにし、早速、伝令を出発させた。
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