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第7話・ザービンコワの依頼
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その後、現金輸送馬車で襲撃されてから約一か月が経った。私の傷もなんとか癒えて、通常の任務に戻れるようになった。
警察は似顔絵を手掛かりにズーデハーフェンシュタットで襲撃犯を指名手配としているが、見つかっていない。また、軍が近隣の町や村でも捜索に入っているようだが、今のところ手掛かりは無いとのことだった。
私が襲われた事件以降に、二度、現金輸送馬車を首都に向けて出発させたが、それらは襲撃されることなく無事だったということだ。
今日は、私と傭兵部隊は軍と合同で街中の巡回を行った。夕刻、城の中庭に戻って来て部隊を解散させると、ザービンコワが待ち構えているのが見えた。
こういう時、彼女は私に何か用がある時だ。今日は怒っていないようだが。私は彼女に歩み寄って声を掛ける。
「何か御用でしょうか?」
「メリナの事で相談があって」
「はい」
「彼女をいつまでも軍の医務室で面倒を見るのは彼女の為にも良くないのではと考えて、ルツコイ司令官と相談したのだけど、彼女を別の場所に移そうということになったのよ。具体的に言うと孤児院に送って、そこで生活をしてもらおうと思っています。それで、あなた、孤児院の出身だったでしょう?」
「そうです」
「それで、あなたにお願いしたほうが早いと思って」
「何がでしょうか?」
「孤児院のことよ。あなたが居た孤児院にメリナを連れて行って話をして来て欲しいのよ」
「私が?」
「なにか問題が?」
「いえ、ありません」
私は、両親を早くに亡くし六歳から身寄りがなかったので孤児院に預けられていた。十三歳の時、“師”であったセバスティアン・ウォルターに見出されるまで、そこで生活をしていた。
しかし、私が孤児院に居たとはいえ、そこを去ってからは近くを通ることはあっても、実際に一度も訪問することがもう無かった。孤児院を去ってから、もう二十年が経つ。先生たちも私が知っている人が残っているかどうか。
相変わらずザービンコワは、強引な人だ。しかし、いい機会なので久しぶりに孤児院を訪問してみようと思い、彼女の依頼を承諾した。
「では、明日の朝一番に医務室まで、彼女を迎えに来てくれる?ルツコイ司令官には言っておきます」
「わかりました」
私は答えて彼女と別れようと背を向けると、彼女は追加で声を掛けてきた。
「ねえ、ちょっと待って」
私は振り返った。
「はい?」
「よかったら、近いうちに、また “ミーラブリーザ”に行かない?」
“ミーラブリーザ” は、以前、休みの時に二人で何度か行ったことのあるカフェだ。最初は私が案内したのだが、彼女は甚《いた》くお気に入りのようだった。
「ええ、構いませんよ」
私は微笑んで答えた。
警察は似顔絵を手掛かりにズーデハーフェンシュタットで襲撃犯を指名手配としているが、見つかっていない。また、軍が近隣の町や村でも捜索に入っているようだが、今のところ手掛かりは無いとのことだった。
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今日は、私と傭兵部隊は軍と合同で街中の巡回を行った。夕刻、城の中庭に戻って来て部隊を解散させると、ザービンコワが待ち構えているのが見えた。
こういう時、彼女は私に何か用がある時だ。今日は怒っていないようだが。私は彼女に歩み寄って声を掛ける。
「何か御用でしょうか?」
「メリナの事で相談があって」
「はい」
「彼女をいつまでも軍の医務室で面倒を見るのは彼女の為にも良くないのではと考えて、ルツコイ司令官と相談したのだけど、彼女を別の場所に移そうということになったのよ。具体的に言うと孤児院に送って、そこで生活をしてもらおうと思っています。それで、あなた、孤児院の出身だったでしょう?」
「そうです」
「それで、あなたにお願いしたほうが早いと思って」
「何がでしょうか?」
「孤児院のことよ。あなたが居た孤児院にメリナを連れて行って話をして来て欲しいのよ」
「私が?」
「なにか問題が?」
「いえ、ありません」
私は、両親を早くに亡くし六歳から身寄りがなかったので孤児院に預けられていた。十三歳の時、“師”であったセバスティアン・ウォルターに見出されるまで、そこで生活をしていた。
しかし、私が孤児院に居たとはいえ、そこを去ってからは近くを通ることはあっても、実際に一度も訪問することがもう無かった。孤児院を去ってから、もう二十年が経つ。先生たちも私が知っている人が残っているかどうか。
相変わらずザービンコワは、強引な人だ。しかし、いい機会なので久しぶりに孤児院を訪問してみようと思い、彼女の依頼を承諾した。
「では、明日の朝一番に医務室まで、彼女を迎えに来てくれる?ルツコイ司令官には言っておきます」
「わかりました」
私は答えて彼女と別れようと背を向けると、彼女は追加で声を掛けてきた。
「ねえ、ちょっと待って」
私は振り返った。
「はい?」
「よかったら、近いうちに、また “ミーラブリーザ”に行かない?」
“ミーラブリーザ” は、以前、休みの時に二人で何度か行ったことのあるカフェだ。最初は私が案内したのだが、彼女は甚《いた》くお気に入りのようだった。
「ええ、構いませんよ」
私は微笑んで答えた。
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