3 / 27
その3
しおりを挟む
私と王子の関係について、その詳細を説明する必要はないだろう。ただ一言伸べるとすれば、決して悪くはなかった。なんだかんだで、馬が合うということだった。
さて、私とお姉様の戦いについて語らなければなるまい。私はお姉様を妬んでいない。ただ、結果として全てを捨てることになった自分が可哀想で、これ以上傷つけることはできない。死ぬのはいいが、それは私に申し訳ない。生きようとしている組織に申し訳ない。こんな私のせいで……命を授けてくださった神様、私はまだ笑っています……。
お姉様は、私と王子の逢瀬を逐一観察していた。
「だって、マリーの初恋でしょ?姉として見守るのは当然よ?」
なるほど。お姉様は嘘をつくのが苦手だった。昔から嘘をつく時は必ず笑う。それ以外は、梅雨に塗れた木の葉だった。つまり、お姉様が嘘をつけば、お姉様にとって物事が非常に有利になる。私は必ず負ける。
「お姉様……妹の恋に口を出さないでいただきたいものですわ」
「私はあなたのことが心配なのよ?マリー。相手は仮にも一国の王子でしょう?いくらあなたが美しいからって……あなたはまだ子供だから分からないでしょうけど」
お姉様は咳払いを一つした。子供なのはお姉様の方でしょう、と言うのを我慢しながら聞き続けた。
「これは普通のことじゃないわよ?王子と恋に落ちるだなんて……そう、普通じゃないの!」
理由になってないでしょう……反論の材料が雪のように積もり続けた。しかしながら、ダムの口を開ける方法はとっくに忘れてしまった。間もなく圧に負けて全てが崩壊するんだろうな、と思った。
さて、私とお姉様の戦いについて語らなければなるまい。私はお姉様を妬んでいない。ただ、結果として全てを捨てることになった自分が可哀想で、これ以上傷つけることはできない。死ぬのはいいが、それは私に申し訳ない。生きようとしている組織に申し訳ない。こんな私のせいで……命を授けてくださった神様、私はまだ笑っています……。
お姉様は、私と王子の逢瀬を逐一観察していた。
「だって、マリーの初恋でしょ?姉として見守るのは当然よ?」
なるほど。お姉様は嘘をつくのが苦手だった。昔から嘘をつく時は必ず笑う。それ以外は、梅雨に塗れた木の葉だった。つまり、お姉様が嘘をつけば、お姉様にとって物事が非常に有利になる。私は必ず負ける。
「お姉様……妹の恋に口を出さないでいただきたいものですわ」
「私はあなたのことが心配なのよ?マリー。相手は仮にも一国の王子でしょう?いくらあなたが美しいからって……あなたはまだ子供だから分からないでしょうけど」
お姉様は咳払いを一つした。子供なのはお姉様の方でしょう、と言うのを我慢しながら聞き続けた。
「これは普通のことじゃないわよ?王子と恋に落ちるだなんて……そう、普通じゃないの!」
理由になってないでしょう……反論の材料が雪のように積もり続けた。しかしながら、ダムの口を開ける方法はとっくに忘れてしまった。間もなく圧に負けて全てが崩壊するんだろうな、と思った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
54
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる