婚約破棄の元凶は姉でした

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その7

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 お姉様と王子の住むお城は昔と違ってピカピカしていた。王子の計らいだと確信した。お姉様もさぞ嬉しいことだろう。あれは相当の金物好きであるから。

 私は覚醒した預言者のように、ぱっと目を見開いた。月が眩しい。痛々しい。この痛みを力に変えてしまいたい。

「おいっ、そこで何をしている?」

 おやおや、早速見つかってしまったか?私は客人なのだから、こいつらを始末する必要はなかったのだが、それにしてもバカなやつというのは決まって同じ面構えをしている。親方が強力だとどうしても己惚れるんだ、こういう奴らは。

「お前は何者だ!」

「貴様に名乗るほど私は落ちぶれていない。どかないなら無理やり通るまでだ」

 そうすると、槍を持って来て、私に切っ先を向けてくる。私は丸腰だから勝ち目はない。

「下がれ!」

 でも私は下がらない。客人だから?そんなのは関係ない。無性にイライラする。

「下がらないと殺すぞ!」

 私はこのまま死んでもいい。でも死なない気がする。このまま前に進もう。

「止まりなさい……本当に殺すぞ!」

 ほら、何をしているんだ?殺すなら殺せばいい!私はお姉様と王子に会うためやって来たんだ。貴様には止められない!
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