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その20
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「お加減はいかがですか?」
王子とお姉様のいない世界で私は王になった(と想像している)。
いざこうして世界を手に入れてしまうと、かえってつまらないというか、全てが思い通りといいのは悪くないが、たまには反骨精神むき出しでやってくる人というのを見てみたくなる。
あっ、お姉様は今の私みたいなことを考えていたんだろうか?
「貴方様に新しい求婚者がやってまいりましたよ」
どこぞやの貴族たちが私の元へやってくる。私は……一度婚約破棄された半端者だから、殿方たちと新しい物語を紡ぐ気は毛頭ない。
「初めてお目にかかります」
それでも会わないわけにじゃいかないから、
「ごめんなさい。顔が好みじゃないの」
みたいなことを言って断る。
「そんな……私の顔が気に入らないですって?」
時には声を荒げる方もいらっしゃる。なるほど、一瞬しか見ないけれどそれは嘘だった。少なくとも私が言えるレベルじゃなかった。
「わかりました。さようなら!」
こんな具合で殿方たちは帰っていく。さて、遊びは終わった。私の仕事は国の政ではない。有能な伴侶を見つけて私は後継を産む、というのが執事たちの願いなようだった。
王子とお姉様のいない世界で私は王になった(と想像している)。
いざこうして世界を手に入れてしまうと、かえってつまらないというか、全てが思い通りといいのは悪くないが、たまには反骨精神むき出しでやってくる人というのを見てみたくなる。
あっ、お姉様は今の私みたいなことを考えていたんだろうか?
「貴方様に新しい求婚者がやってまいりましたよ」
どこぞやの貴族たちが私の元へやってくる。私は……一度婚約破棄された半端者だから、殿方たちと新しい物語を紡ぐ気は毛頭ない。
「初めてお目にかかります」
それでも会わないわけにじゃいかないから、
「ごめんなさい。顔が好みじゃないの」
みたいなことを言って断る。
「そんな……私の顔が気に入らないですって?」
時には声を荒げる方もいらっしゃる。なるほど、一瞬しか見ないけれどそれは嘘だった。少なくとも私が言えるレベルじゃなかった。
「わかりました。さようなら!」
こんな具合で殿方たちは帰っていく。さて、遊びは終わった。私の仕事は国の政ではない。有能な伴侶を見つけて私は後継を産む、というのが執事たちの願いなようだった。
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