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その18
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メリーは死んだ。私は皇帝の手によって逮捕された。まあ、当然のことだろう。
「クリス……私は何か間違えたのだろうか……」
随分と珍しい発言だった。私はこの発言を聞けただけでも嬉しかった。皇帝にも罪の意識が芽生えたのだ。後は、私が処刑台で皇帝のことを語ればお終い……そう思った。
王族が罪を犯した場合、帝国刑法に則ると、皇帝自らが犯人を尋問し、罪を決めるルールになっていた。従って、私は側室抜きで、最後に皇帝と話す機会が設けられた。
取り調べの部屋には、先客がいた。参考人として呼ばれたゲーベンだった。
「ゲーベンよ……そなたとクリスの関係はどんなものなのだ?」
裏切者……私はゲーベンを睨み付けた。
「間違いありません……私はクリス様と不義を働きました……」
ゲーベンはあっさりと罪を認めた。うそっ……意外な成り行きに、私は驚きを隠せなかった。後で聞いた話だが、皇帝はメリーの死をいち早く究明したかったらしい。だから、私とゲーベンの不義については不問と言うことになったらしい。しかしながら、形式上は書き残しておかなければならないので、早く認めたほうが、ゲーベンにとっても特になるように計らったそうだ……。なんて、都合のいい話だろう。
「それでは、私はこれで……」
ゲーベンは不気味に笑っていた。もはや、人を捨ててしまったのだろう。後日、ゲーベンが死んだという知らせが入るまで、私は独房の中で彼の最後の顔を思い起こしては、募る恨みをぶつけていた。
私の取り調べには、長い時間がかかった。殺しの動機、私が何を考えていたのか、皇帝は全く分からなかったはずだ。だからこそ、もう一度胸に手をあてて考えて欲しかった。
最後の、本当に最後の別れ際、
「最後に言い残すことはあるか?」
と問われたので、私はこう答えた。
「今さら、罪を軽くしろなどと、言うつもりは一切ございません。私もこうして由緒ある王族の一員になったわけでありますから、潔く死の運命を受け入れましょう。しかしながら、私はあなた様が犯した罪を墓場まで持っていくつもりはございません……。最後は悪あがきを致します。処刑台に上って、民衆が私の死に歓喜を注ぐ前に、私はあなた様の罪を全て告白したいと思います……」
皇帝は、
「お前の好きにすればいい」
とだけ言った。
「クリス……私は何か間違えたのだろうか……」
随分と珍しい発言だった。私はこの発言を聞けただけでも嬉しかった。皇帝にも罪の意識が芽生えたのだ。後は、私が処刑台で皇帝のことを語ればお終い……そう思った。
王族が罪を犯した場合、帝国刑法に則ると、皇帝自らが犯人を尋問し、罪を決めるルールになっていた。従って、私は側室抜きで、最後に皇帝と話す機会が設けられた。
取り調べの部屋には、先客がいた。参考人として呼ばれたゲーベンだった。
「ゲーベンよ……そなたとクリスの関係はどんなものなのだ?」
裏切者……私はゲーベンを睨み付けた。
「間違いありません……私はクリス様と不義を働きました……」
ゲーベンはあっさりと罪を認めた。うそっ……意外な成り行きに、私は驚きを隠せなかった。後で聞いた話だが、皇帝はメリーの死をいち早く究明したかったらしい。だから、私とゲーベンの不義については不問と言うことになったらしい。しかしながら、形式上は書き残しておかなければならないので、早く認めたほうが、ゲーベンにとっても特になるように計らったそうだ……。なんて、都合のいい話だろう。
「それでは、私はこれで……」
ゲーベンは不気味に笑っていた。もはや、人を捨ててしまったのだろう。後日、ゲーベンが死んだという知らせが入るまで、私は独房の中で彼の最後の顔を思い起こしては、募る恨みをぶつけていた。
私の取り調べには、長い時間がかかった。殺しの動機、私が何を考えていたのか、皇帝は全く分からなかったはずだ。だからこそ、もう一度胸に手をあてて考えて欲しかった。
最後の、本当に最後の別れ際、
「最後に言い残すことはあるか?」
と問われたので、私はこう答えた。
「今さら、罪を軽くしろなどと、言うつもりは一切ございません。私もこうして由緒ある王族の一員になったわけでありますから、潔く死の運命を受け入れましょう。しかしながら、私はあなた様が犯した罪を墓場まで持っていくつもりはございません……。最後は悪あがきを致します。処刑台に上って、民衆が私の死に歓喜を注ぐ前に、私はあなた様の罪を全て告白したいと思います……」
皇帝は、
「お前の好きにすればいい」
とだけ言った。
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