婚約破棄された悪役令嬢はやり直したい!〜転生したら王子に溺愛された件〜その後と将来を紡ぐ物語

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その21 運命のマイルストーン

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「突然どうしたのですか?」

見渡す限り、緑の続く大草原。いつ瞳を閉じても変わらない景色。風がそっーと吹き抜けて、ここまでおいで、と言っている。

「ここにいるとね、煩わしいことを全て忘れることができるの」

「いいところですね……」

「あなたも田舎がお好きなの?」

「帝都はあまり好きではありません。人ばかり多くて、こうした草原なんてありません。唯一宮殿の中にお庭があったそうなのですが、父から入るなと言われておりますのでね。噂によると、世界で最も調和のとれた空間だそうですけれど。残念ながら……」

世界で最も調和のとれた空間……なるほど、上手いことをいうと思った。確かに、ここよりも美しかった。いや、どことも比較することはできなかった。あそこだけ特別だったのだから。皇帝が私に下さった空間……なんとなく懐かしかった。

「私ね、決めたの。今すぐ、あなたと婚約してあげるわ!」

「……何ですって!?」

リチャードは驚いた。当たり前だ。あれほど、婚約を待って欲しいと言っていたと思ったら、今度は婚約の話を持ち出すのだから……私も随分都合のいい女だと思った。

そうしないと、私が、お父様が救われないから!

「どうして急に、そんなことを……?」

「いやなの?」

「いいえ……私はあなたに一目ぼれだったので……」

なるほど、これほど狼狽えているのを見ていると分かる。リチャードはまだ女と交わったことがない。当たり前かもしれないが、あの皇帝の子とはとても思えない。

「ならばいいじゃない!ねっ?ここで暮らしましょうよ!」

「ああっ……えええっと……」

なんだよ……随分と優柔不断な男だなあっ。こうなったら実力行使か?

私は試しにリチャードを倒してみた。草むらにいい具合に倒れこんだ。

「ちょっと……何をするんですかあっ?」

「決まっているじゃない?婚約するんでしょう?口付けよ!」

「そんな……僕、始めてなんですよ!」

「だからなによ?」

「なにって……ちょっと待ってください……!!」

落ちた。簡単だ。恋はゲーム……。

リチャードの赤い唇に達するまで残り1センチのところまで迫った、そのとき。

「クリス!何をしているんだ!!」

思わぬ邪魔が入った。
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