婚約破棄された悪役令嬢はやり直したい!〜転生したら王子に溺愛された件〜その後と将来を紡ぐ物語

tartan321

文字の大きさ
25 / 90

その25

しおりを挟む
私は結局、皇帝の開いたパーティーに参加することにした。理由なんて、いちいちつける必要はない。今回の物語には、新たなマイルストーンが登場している。だから、今までのストーリーを変えることができるかもしれないと思った。

皇帝に会った時、最初の第一声は何にするべきか?皇帝に気に入られたほうがいいのか?それとも、素っ気ない態度をとって、これ以上相手にしないでくれ、と暗に伝えたほうがいいのだろうか?

もちろん、どちらがいいのか分からない。でも……私は咄嗟に思いついた。

パーティー会場は、すっかり見慣れた宮殿の一室だった。私と皇帝が最後に言葉を交わした空間だった。あの時の吐息は、熱はまだ残っているのだろうか?そんなことを考えると、おかしくてつい笑いだしてしまった。

「なに、あの人?気持ち悪いんだけど……」

「随分と田舎者の身なりだなあっ……」

周囲にいた貴族たちは、私のことをバカにし始めた。もっと盛り上がればいいと思った。このパーティーの恥晒しになればいい。すると、皇帝がやってきて、

「君みたいな女子はこの場に不釣り合いだ」

とか言って、永久に追放してくれればいい。

私はこの突拍子もない作戦を継続した。煌びやかな食事が並び始めると、私は、

「待っていましたあっ!」

と奇声を上げて、貴族たちが並んでいる列を壊し始めた。

「おいおい、何をしているんだ?」

「ちょっと、あなた!割り込まないでよ!さっきから、お行儀が悪いわね!」

お行儀が悪いだって?お生憎様!こっちは生死がかかっているのだから!のこのことぐーたら生活のできる貴族様とはわけが違うのよ!私はね、運命操作っていう、神様の実験に参加する偉大な民なんだから!

テーブルに置かれていた皿を全てひっくり返して、貴族様のキャッ―という悲鳴をBGMにして踊り出す。

「ちょっと!早くこんなの連れ出しないさよ!」

貴族たちが私の行方を指さした。

「早く捕まえてちょうだい!せっかくのパーティーを台無しにして……!」



誰もがそう思っていたはずだった。ある一人の貴族を除いては。

「あの少女は、一体何をしているのだろう?」

「感心している場合ですか!早く、あなた様の声で、あの小娘をつまみ出してくださいまし!!」

文字通り、パーティーを台無しにされた張本人は、かえって冷静だった。

「あの少女……どこかで見たことのある顔だ……」

彼はそう言った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。

ねーさん
恋愛
 あ、私、悪役令嬢だ。  クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。  気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…

断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る

黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。 (ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが

水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。 王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。 数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。 記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。 リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが…… ◆表紙はGirly Drop様からお借りしました ◇小説家になろうにも掲載しています

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ

夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」 華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!

処理中です...