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その3
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しばらくして、皇帝から連絡が入った。本来ならば、王家の人間に嫁ぐ令嬢は、王宮に呼び出されて皇帝に拝謁することがルールになっていた。しかしながら、私の場合は特殊だった。皇帝、王妃、皇太子、王子、その他の主要貴族、並びに令嬢たちが一団となって、私の根城、つまり、神殿にやって来た。皇帝は、いつものおじさん雰囲気ではなく、正装を着込んでいた。そして、神殿の階段は昇らずに、一番低いところに跪いた。
「神の詔を司ります神官の第一子パミーナ様、婚約の儀に相成りまして、ただいま参上仕りました次第にございます……」
皇帝はきちんとした、まどろっこしい挨拶を数分続けて、私に合図をした。
「あの……私も正装の方がよかったですか?」
私は両親に尋ねた。と言うのも、この場にいる人間はみな、正装やそれに準ずる衣装で列席していたため、自分だけ非常にアウェーな感じがした。この式典の主人公は私だというのに、私はまるでこの場に似つかわしくなかった。
「でも、それがパミーナでしょう?」
二人とも、そんなことはあまり気にしていないようだった。だから、私も気にしないことにした。
「それでは、ただいまより、パミーナ様と婚約いたしますランクシャー帝国第一王子のチャールズを紹介いたします……」
皇帝がそう言い終えると、チャールズという男が、皇帝の後ろから隣に歩み出た。
「神の詔を司ります神官の第一子パミーナ様、婚約の儀に相成りまして、ただいま参上仕りました次第にございます……」
皇帝はきちんとした、まどろっこしい挨拶を数分続けて、私に合図をした。
「あの……私も正装の方がよかったですか?」
私は両親に尋ねた。と言うのも、この場にいる人間はみな、正装やそれに準ずる衣装で列席していたため、自分だけ非常にアウェーな感じがした。この式典の主人公は私だというのに、私はまるでこの場に似つかわしくなかった。
「でも、それがパミーナでしょう?」
二人とも、そんなことはあまり気にしていないようだった。だから、私も気にしないことにした。
「それでは、ただいまより、パミーナ様と婚約いたしますランクシャー帝国第一王子のチャールズを紹介いたします……」
皇帝がそう言い終えると、チャールズという男が、皇帝の後ろから隣に歩み出た。
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