婚約破棄のち魔法使いに愛されて復讐します〜悪役令嬢が処刑されても生きていた件〜

エリーの仕置

「さて、今までお姉さまに対して働いた無礼をわびてもらいましょうか？」

エリーはマルサスをにらみつけた。

「ううっ……なんだこれは？苦しいぞ……」

エリーはどうやらマルサスの首をしめているようだった。

「こんなのお姉様が受けてきた苦しみに比べたら軽いものでしょう! 」

「苦しい……頼むから助けてくれ！償いなら何でもする……何でもするから命だけは助けてくれ！」

「まあっ！今更命乞いですか！」

エリーは本当にマルサスを殺そうとしているようだった。何故だろうか？マルサスが死ぬことを別に構いはしない。でも、エリーが殺人者となるのは、なんとなく後味が悪い……ユフィーはそう思った。

「死ね！このカスが……」

「エリー！待って！」

ユフィーが口を入れたのが驚きだったのか、

「お姉様？どうしたのですか？」

と聞き返した。

「マルサスを殺さないで！」

ユフィーは言った。するとどういうわけだか、エリーの力が抜けて、あれだけ苦しそうな顔をしていたマルサスが解放されたようだった。