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その1
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「科学者として、そして、魔法使いとして、お前は最悪だ!!!」
どうして、こういうレッテルを貼られなくてはならないのか、ふと、私はそんなふうに考えてしまうのです。高等学院という、貴族の英才教育を行う学校があるのですが、私アマネと、妹のイザベルは共に最優秀学生の座を争っておりました。
争っている、という表現は正確ではないかもしれません。つまり、私はどれだけ努力しても、イザベルに勝つことはできないのです。イザベルは常に学院で最も優秀な学生として尊敬され、私はイザベルには劣るものの、学院で2番目に優秀な学生のポジションを守っているわけでございます。
ミンコク王国は、魔法と科学の融合した近代王政国家として、独自の歴史を歩んでまいりました。大抵の国は、魔法のみを信奉するか、あるいは、科学のみを信じるか、このどちらかなのです。でも、どっちか一つでは必ずしも説明できない現象が、この世界には少なからず存在するのです。ですから、私たちは、敢えて争いの道を選ぶのではなく、魔法使い、科学者の両者が共存できる社会を構築したわけでございます。
そして、我がバートン公爵家は名門家系として、ミンコク王国の発展に関わって参りました。男子が生まれた場合は、皇帝陛下や王子の側近として、女子が生まれた場合は、将来の王家の婚約者として、その重責を全うしてきたわけでございます。私たちのお父様であるバートン公爵も、その伝統に違わず、現皇帝の最側近として、また、国中の魔法使いや科学者をまとめ上げる司として、忙しく働いておられるわけでございます。
そんなお父様のことを、私は幼少期から尊敬し、女として生まれたからには、王子様と婚約することが半ば運命づけられたわけでございますから、その厳しい教育も耐えてまいりました。
それにしても、私はやはり、どれだけ努力しても、妹のイザベルには敵わないのです。イザベルは常にポーカーフェイスで、その感情を顕わにすることはありませんでした。ただ、私が何か分からないことがあって、質問をしにいくと、責任もって教えてくれるので、ただただ尊敬しかありませんでした。
「なあ、アマネよ。お前はいくら努力しても、イザベルの足元にも及ばないじゃないか。困ったものだ。第一王子のシャルコー様も、お嘆きのようだぞ…………」
「シャルコー様が???それはどうしてですか???」
「お前はそんなことも分からないのか……ああ、困ったものだ。シャルコー様は完璧主義者だ。だから、婚約者は全てにおいて完璧でなくてはならないのだ。だからな、高等学院における成績が2番というのは、これは大きな問題になるわけなんだよ……」
私はこの話が信じられませんでした。確かに、全くもって、イザベルと同じレベルになるはずはありませんでした。ですが、だからと言って、私はどうしようもない、ということにはならないと思ったのです。実際問題、この世界に存在する全ての魔法と科学に関しましては、一通り学びましたし、その応用方法につきましても、超一級、つまり、自分一人の力で成し遂げることができるランクになっているわけでございます。
「ああ、どうして、お前の能力はこれほどまでなのかねえ…………」
お父様が嘆く理由がこの時は分かりませんでした。ですが、それは後々、シャルコー様に会って、ようやく分かることなのでした……。
どうして、こういうレッテルを貼られなくてはならないのか、ふと、私はそんなふうに考えてしまうのです。高等学院という、貴族の英才教育を行う学校があるのですが、私アマネと、妹のイザベルは共に最優秀学生の座を争っておりました。
争っている、という表現は正確ではないかもしれません。つまり、私はどれだけ努力しても、イザベルに勝つことはできないのです。イザベルは常に学院で最も優秀な学生として尊敬され、私はイザベルには劣るものの、学院で2番目に優秀な学生のポジションを守っているわけでございます。
ミンコク王国は、魔法と科学の融合した近代王政国家として、独自の歴史を歩んでまいりました。大抵の国は、魔法のみを信奉するか、あるいは、科学のみを信じるか、このどちらかなのです。でも、どっちか一つでは必ずしも説明できない現象が、この世界には少なからず存在するのです。ですから、私たちは、敢えて争いの道を選ぶのではなく、魔法使い、科学者の両者が共存できる社会を構築したわけでございます。
そして、我がバートン公爵家は名門家系として、ミンコク王国の発展に関わって参りました。男子が生まれた場合は、皇帝陛下や王子の側近として、女子が生まれた場合は、将来の王家の婚約者として、その重責を全うしてきたわけでございます。私たちのお父様であるバートン公爵も、その伝統に違わず、現皇帝の最側近として、また、国中の魔法使いや科学者をまとめ上げる司として、忙しく働いておられるわけでございます。
そんなお父様のことを、私は幼少期から尊敬し、女として生まれたからには、王子様と婚約することが半ば運命づけられたわけでございますから、その厳しい教育も耐えてまいりました。
それにしても、私はやはり、どれだけ努力しても、妹のイザベルには敵わないのです。イザベルは常にポーカーフェイスで、その感情を顕わにすることはありませんでした。ただ、私が何か分からないことがあって、質問をしにいくと、責任もって教えてくれるので、ただただ尊敬しかありませんでした。
「なあ、アマネよ。お前はいくら努力しても、イザベルの足元にも及ばないじゃないか。困ったものだ。第一王子のシャルコー様も、お嘆きのようだぞ…………」
「シャルコー様が???それはどうしてですか???」
「お前はそんなことも分からないのか……ああ、困ったものだ。シャルコー様は完璧主義者だ。だから、婚約者は全てにおいて完璧でなくてはならないのだ。だからな、高等学院における成績が2番というのは、これは大きな問題になるわけなんだよ……」
私はこの話が信じられませんでした。確かに、全くもって、イザベルと同じレベルになるはずはありませんでした。ですが、だからと言って、私はどうしようもない、ということにはならないと思ったのです。実際問題、この世界に存在する全ての魔法と科学に関しましては、一通り学びましたし、その応用方法につきましても、超一級、つまり、自分一人の力で成し遂げることができるランクになっているわけでございます。
「ああ、どうして、お前の能力はこれほどまでなのかねえ…………」
お父様が嘆く理由がこの時は分かりませんでした。ですが、それは後々、シャルコー様に会って、ようやく分かることなのでした……。
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