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その22

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「おーい……アマネはいないのか???」

「いや、いますけど。そう言うポートさんは何処にいるんですか???」

さっきから可笑しいと思っていました。確かに、昨日と同じポートさんの声がするのですが、その姿を見かけることができなかったのです。さて、これはどうしたことでしょうか。

「ポートさん、どこにいるんですか???」

「私はここにいるよ」

「ここにいるって……どこに???」

「見えないのか???ならば、ほら、机の上に置いておいたグラス……昨日、君に貸したものだが、それをかけてみなさい。そうすれば、見えるだろうさ……」

そう言われて、私はグラスをかけました。そうしますと、今まで見ていた景色が少し変わり、ポートさんの言う通り、人影を確認することができました。

ですが、ここで大きな問題が発生しました。それはつまり、ポートさんではなかった、ということです。

「あの……申し訳ないのですが、あなたは誰ですか???」

私は問いかけました。

「私は……ポートだよ???」

ポートさん、と名乗る男性は、非常に不可解な顔をしていました。

「ひょっとして……御親戚のかたですか???」

だって、すごく若くてハンサム……そうですね、私の知っている王子様の中では、最もかっこいい部類に入るでしょう、そんな人が、私の目の前に立っているわけでございますから、これが驚かずにはいられましょうか???

「だから、昨日から私はずっと、お前さんの知っているポートだよ……」

そんなはずはありません。だって、私の知っているポートさんは、そもそも老人だったわけですし、何よりも、魔法使い特有のオーラが全くなかったのですから。



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