婚約破棄の理由は私ですか?

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その9

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暫くすると、王子様の自由恋愛を阻んだとして、皇帝や周囲の貴族たちが非難されるようになりました。世間が許さなかったのです。逆に言うと、王子様は悲劇のプリンスであり、私は悲劇のヒロインでした。

世間は私に味方してくれました。そして、キムリア様の行った工作も明るみになると、キムリア様を責める人が出始めました。

私の株はどんどんどんどん上がっていきました。ついには、私のお家に王子様がいらっしゃることになりました。王子様は私と会うことを熱望しているようでした。

私は正直どうでもよかったのですが、王子様がどうしてもとおっしゃるのであれば、付き合って差し上げようと思いました。私は結構偉かったのです。自称ですが。

後日、キムリア様が私の家にやってきて、謝罪しました。

「そんなこと、気になさらなくてよいのですよ。キムリア様!」

私はキムリア様の肩をそっと叩きました。

「結局は、正直者が救われるってことなんですね!!」

私は最後にそう言い残しました。




というわけで、私は正式に王子様と婚約することができました?
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