1 / 1
廃棄場監督の声
しおりを挟む
この国の王子様は令嬢と婚約した場合、直ぐに婚約破棄をするという変わった癖をお持ちです。婚約破棄された令嬢たちは行き場を失い、仕方なく婚約廃棄場に来ることになります。おや、新しい令嬢がお見えになりました。
「ようこそ御出でくださいました」
「ようこそ、じゃないわよ!何、この豚箱みたいな空間は?」
「豚箱、と言うよりはごみ箱でしょうか」
「ごみ箱って……何言ってるのよ!私を誰だと思っているの?」
「はいっ、心得ておりますよ。第135代王妃のカレン様……ですよね?」
「そうよ!それなのに、どうしてここへ来ないといけないわけ?」
「別に私どもが強制しているわけではありませんよ。他に行き場所がありましたら、そちらへ行っていただいて結構でございます」
「それは……」
「なければこちらの方がよろしいかと思います。あなた様のお仲間もたくさんいらっしゃいますし」
「お仲間って……?」
「元王妃の皆様ですよ」
「なんですって!」
カレン様が驚くのも無理はありませんでした。元王妃の皆様は最初自分の住処を探すのですが、結局行き場所がないので、ここへ戻ってくることになるのです。
「どうして?王子様に捨てられた者と一緒にいなければいけないの?」
そこですか……。
「あなた様も同じではありませんか?」
「どうしてよ?」
カレン様は怒りだしました。私に言われても仕方のないことなのですが……。
「私は王妃よ!」
「元王妃ですね」
「何を言ってるの?私は王妃なの!王子様の計らいで一週間お暇を頂いたの!」
なるほど、カレン様は何も分かっていないようだ。
「今頃第136代王妃が誕生しているでしょう」
「どうしてそうなるのよ!」
「お暇とはそういうことです」
「そんなことないわ!」
カレン様が暴れ始めたので止めようとしましたが、言うことを聞かないので仕方なく印籠を出すことにしました。
「一応こういう者ですので……」
カレン様の目が凍り付きました。はい、私は一応王子様の甥にあたるものでございます。王家の人間に対する傷害は令嬢と言えども重く罰せられるので、カレン様は自らの行いを悔い始めました。
「お願いいたします。どうかご勘弁を!」
許すも許さないも、私には関係ありません。私は単にここの管理人をしているだけですから。
「わかって頂ければ結構。それでは末永く御贔屓に……」
「あの、伯爵様?」
そうそう、私は一応伯爵なのです。念のため。
「なんでしょう?」
「お話は大方理解しましたが、私のような娘が入るには少し……いかがなものかと」
はあっ、こういう令嬢が一番困るんですね。廃棄場の秩序を乱す可能性が極めて高い。本当なら適当な身寄りを見つけてお引き取り願うのがいいのですが、まあ、無理でしょう。
「大丈夫ですよ。あなたにはお似合いです。あなたみたいなゴミ令嬢が住むのには最適だと思います。他の方々もあなた様と似たような方ばかりですから。直ぐお友達になれると思います。よろしいですね?」
「…………………」
もう疲れたので、ドアを閉めちゃいました。本日新たに加わったカレン様の名前を刻んで、はいはい、今日はもう終了です。
「ようこそ御出でくださいました」
「ようこそ、じゃないわよ!何、この豚箱みたいな空間は?」
「豚箱、と言うよりはごみ箱でしょうか」
「ごみ箱って……何言ってるのよ!私を誰だと思っているの?」
「はいっ、心得ておりますよ。第135代王妃のカレン様……ですよね?」
「そうよ!それなのに、どうしてここへ来ないといけないわけ?」
「別に私どもが強制しているわけではありませんよ。他に行き場所がありましたら、そちらへ行っていただいて結構でございます」
「それは……」
「なければこちらの方がよろしいかと思います。あなた様のお仲間もたくさんいらっしゃいますし」
「お仲間って……?」
「元王妃の皆様ですよ」
「なんですって!」
カレン様が驚くのも無理はありませんでした。元王妃の皆様は最初自分の住処を探すのですが、結局行き場所がないので、ここへ戻ってくることになるのです。
「どうして?王子様に捨てられた者と一緒にいなければいけないの?」
そこですか……。
「あなた様も同じではありませんか?」
「どうしてよ?」
カレン様は怒りだしました。私に言われても仕方のないことなのですが……。
「私は王妃よ!」
「元王妃ですね」
「何を言ってるの?私は王妃なの!王子様の計らいで一週間お暇を頂いたの!」
なるほど、カレン様は何も分かっていないようだ。
「今頃第136代王妃が誕生しているでしょう」
「どうしてそうなるのよ!」
「お暇とはそういうことです」
「そんなことないわ!」
カレン様が暴れ始めたので止めようとしましたが、言うことを聞かないので仕方なく印籠を出すことにしました。
「一応こういう者ですので……」
カレン様の目が凍り付きました。はい、私は一応王子様の甥にあたるものでございます。王家の人間に対する傷害は令嬢と言えども重く罰せられるので、カレン様は自らの行いを悔い始めました。
「お願いいたします。どうかご勘弁を!」
許すも許さないも、私には関係ありません。私は単にここの管理人をしているだけですから。
「わかって頂ければ結構。それでは末永く御贔屓に……」
「あの、伯爵様?」
そうそう、私は一応伯爵なのです。念のため。
「なんでしょう?」
「お話は大方理解しましたが、私のような娘が入るには少し……いかがなものかと」
はあっ、こういう令嬢が一番困るんですね。廃棄場の秩序を乱す可能性が極めて高い。本当なら適当な身寄りを見つけてお引き取り願うのがいいのですが、まあ、無理でしょう。
「大丈夫ですよ。あなたにはお似合いです。あなたみたいなゴミ令嬢が住むのには最適だと思います。他の方々もあなた様と似たような方ばかりですから。直ぐお友達になれると思います。よろしいですね?」
「…………………」
もう疲れたので、ドアを閉めちゃいました。本日新たに加わったカレン様の名前を刻んで、はいはい、今日はもう終了です。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】
繭
恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。
果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?
貴方の幸せの為ならば
缶詰め精霊王
恋愛
主人公たちは幸せだった……あんなことが起きるまでは。
いつも通りに待ち合わせ場所にしていた所に行かなければ……彼を迎えに行ってれば。
後悔しても遅い。だって、もう過ぎたこと……
偽りの愛の終焉〜サレ妻アイナの冷徹な断罪〜
紅葉山参
恋愛
貧しいけれど、愛と笑顔に満ちた生活。それが、私(アイナ)が夫と築き上げた全てだと思っていた。築40年のボロアパートの一室。安いスーパーの食材。それでも、あの人の「愛してる」の言葉一つで、アイナは満たされていた。
しかし、些細な変化が、穏やかな日々にヒビを入れる。
私の配偶者の帰宅時間が遅くなった。仕事のメールだと誤魔化す、頻繁に確認されるスマートフォン。その違和感の正体が、アイナのすぐそばにいた。
近所に住むシンママのユリエ。彼女の愛らしい笑顔の裏に、私の全てを奪う魔女の顔が隠されていた。夫とユリエの、不貞の証拠を握ったアイナの心は、凍てつく怒りに支配される。
泣き崩れるだけの弱々しい妻は、もういない。
私は、彼と彼女が築いた「偽りの愛」を、社会的な地獄へと突き落とす、冷徹な復讐を誓う。一歩ずつ、緻密に、二人からすべてを奪い尽くす、断罪の物語。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる