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その2
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結局、サリーに言われた通り、私はパーティーに参加することにしました。それにしても、私はこのパーティーに参加して1つ思ったことがあります。あまり声を大にして言いたくありませんが、はっきりいって、パーティー会場に入ること自体がふさわしくないのではないかと思いました。一応、公爵令嬢と言う肩書きがありますから、私がパーティーに参加したら、周りの貴族たちは、そういう目で私を見ることになります。
みすぼらしさのランキングを行ったら、間違いなく私が一番だったのでございましょう。これほどよれよれのドレスを着ている令嬢なんて、いませんでしたから。それに、まともな宝石なんて身に着けていませんし。最も、私の場合は豚に真珠でしょうが。一応は公爵令嬢でございますが、そのほぼ全てをサリーが独占していたわけでございますから……まあ、仕方のない話と言えば、それまででございましたが。
「お姉様?ほら、こちらにいらっしゃってください!!!」
どういうわけだか、サリーが大声で私のことを呼んでいました。私は少し恥ずかしかったのです。そもそも、貴族がこのように華やかなパーティーで大声を出すというのは、いささか、はしたない行いだと考えられていました。もしも、私が大声を出したら、会場に居合わせた貴族たちはみな、私の方を凝視することでしょう。そして、軽蔑の眼差しが注がれることになるはずです。
しかしながら、サリーがそのようなことをしても、誰も気に留めませんでした。彼女の場合、その類まれなる華やかさが、煩わしさやはしたなさを凌駕してしまうのです。彼女の行いを咎める人間なんて、ほとんどいなかったはずなのです。
ココからの話は大部奇妙に感じられるかもしれません。しかしながら、私があの会場でどのように振る舞ったのかは、あまり細かく覚えていないのです。これは一種の記憶喪失とでも言えば良いでしょうか?
そう、まるで展開が夢のように急速に切り替わったものでございますから、何にも覚えていないのでございます。
「こちらにいらっしゃるのは、第一王子のマキロン様です!」
第一王子……そんなお方がどうして私とお会いになるのか、全くもってさっぱり分かりませんでした。
「初めまして。私の婚約者マリア……」
ああ、そうです。私にはマリアと言う名前があるのでした。名前で呼ばれたのは随分と久しぶりな気がしました。
私はとりあえず、
「ああ、どうも、ありがとうございます」
と答えました。
いいえ、本当にマキロン様は、婚約者と言っておられたようなのですが、私には残念ながら、その記憶がございませんでした。そもそも、こういった行事に疎い私にとって、昨今の王室事情など、知る由もありませんでした。そのような話は本来、サリーのような令嬢にうってつけの話なのでございますから。
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「お姉様?ほら、こちらにいらっしゃってください!!!」
どういうわけだか、サリーが大声で私のことを呼んでいました。私は少し恥ずかしかったのです。そもそも、貴族がこのように華やかなパーティーで大声を出すというのは、いささか、はしたない行いだと考えられていました。もしも、私が大声を出したら、会場に居合わせた貴族たちはみな、私の方を凝視することでしょう。そして、軽蔑の眼差しが注がれることになるはずです。
しかしながら、サリーがそのようなことをしても、誰も気に留めませんでした。彼女の場合、その類まれなる華やかさが、煩わしさやはしたなさを凌駕してしまうのです。彼女の行いを咎める人間なんて、ほとんどいなかったはずなのです。
ココからの話は大部奇妙に感じられるかもしれません。しかしながら、私があの会場でどのように振る舞ったのかは、あまり細かく覚えていないのです。これは一種の記憶喪失とでも言えば良いでしょうか?
そう、まるで展開が夢のように急速に切り替わったものでございますから、何にも覚えていないのでございます。
「こちらにいらっしゃるのは、第一王子のマキロン様です!」
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ああ、そうです。私にはマリアと言う名前があるのでした。名前で呼ばれたのは随分と久しぶりな気がしました。
私はとりあえず、
「ああ、どうも、ありがとうございます」
と答えました。
いいえ、本当にマキロン様は、婚約者と言っておられたようなのですが、私には残念ながら、その記憶がございませんでした。そもそも、こういった行事に疎い私にとって、昨今の王室事情など、知る由もありませんでした。そのような話は本来、サリーのような令嬢にうってつけの話なのでございますから。
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