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ラブホテル

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私の大好きな彼氏から呼び出されたのは、なんとラブホテルだった。

そこで、私たちは大いに愛し合った……と言いたいのだが、そう上手くはいかなかった。

どうしてか?

それは、私が彼としている間に、彼は携帯電話で別の女と話をしていたから。

「ずいぶんと酔狂なことをする人ね!」

私は彼にまたがりながらそう言った。

「ああ、君のふやけたラーメンみたいな身体を、女に見せびらかしているんだ!」

「へええ、あなたって、そう言う趣味だったの?」

「いいや、そんなことはないんだけどな、どうも楽しくて……」

「その女は、一体どう言う人なのかしら?」

「ああ、大学時代からの古い友人なんだよ。名前を……おはると言ってね、なかなか面白いおなごなんだ」

「それで、私の裸をどうするつもりなの?」

「決まっているじゃないか?私から逃げられないようにするための保険だよ。おはるは金持ちのご令嬢だからな、婚約するにはちょうどいいんだ。ただ……あいつは上品だから割れ物注意というわけで、お前としてるみたいなのができないんだよ。だから……つまらないって、おおい、聞いているか?返事を……」


私はこの世界の歪んだ痴女。

彼の上で何度も何度もギッタンバッコンして、最後は、彼の唇を思いっきり塞いだ。


こんなの、ちっとも愛じゃない。単なるゴミクズの混じり合いに過ぎないのだから。
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