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その2
ところで、父がキャシーを私の嫁に選んだ理由がどうも釈然としなかったのだが、その答えはキャシーの父にあった。キャシーの父は、私の父が未だ王子であったころ、軍師として作戦の立案に関わっていた。彼の編み出す戦法は、勝ちパターンにはまれば大勝、その代わり、負けパターンにはまれば惨敗という感じだった。ある種のギャンブルである。しかしながら、父は最後までキャシーの父に戦を頼った。
キャシーの父が突然姿を消したとき、父は大層驚いたという。しかしながら、不思議なことに、それ以降父が戦いで負けることはなかったという。父はキャシーの父を戦の神様と称えた。
すると、その娘であるキャシーは女神さまになるのだろうか?これは私の推測に過ぎない。しかしながら、キャシーと婚約して、私も戦に勝ち続けた。
私はキャシーの愛し方を知らなかった。しかしながらキャシーは愛を求めなかった。
「王子がこの世界の覇者になるのを見届けたいのです」
いつもこんな感じである。夫婦になって何かする……そういうことじゃなくて、キャシーはとにかく私に勝利をもたらすことしか考えていなかった。
ちょうど一年前、私は第二帝国と戦うことを運命づけられた。我が第一帝国に侵攻の兆しあり、との情報が届けられた。父は私に全てを委ねた。
「この国の運命はお前の手の中にあるのだ」
父は軍議の場でそう言い残し去っていった。帝国同士という、大きなスケールの戦いを経験したことはなかった。ちんけな田舎村の反乱を鎮めるのが正直やっとだった。そんな私が指揮したところで勝ち目は無かった。
「失礼いたします……」
軍議で普段耳にすることのない女の声……キャシーだった。
「キャシー様!」
軍人たちがざわつき始めた。私もキャシーに問いただした。
「どうしたんだ、いったい?」
「王子様。これから夜の契りを結びたく参上いたしました」
夜の契り……私は一瞬頭が真っ白になった。
キャシーの父が突然姿を消したとき、父は大層驚いたという。しかしながら、不思議なことに、それ以降父が戦いで負けることはなかったという。父はキャシーの父を戦の神様と称えた。
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私はキャシーの愛し方を知らなかった。しかしながらキャシーは愛を求めなかった。
「王子がこの世界の覇者になるのを見届けたいのです」
いつもこんな感じである。夫婦になって何かする……そういうことじゃなくて、キャシーはとにかく私に勝利をもたらすことしか考えていなかった。
ちょうど一年前、私は第二帝国と戦うことを運命づけられた。我が第一帝国に侵攻の兆しあり、との情報が届けられた。父は私に全てを委ねた。
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父は軍議の場でそう言い残し去っていった。帝国同士という、大きなスケールの戦いを経験したことはなかった。ちんけな田舎村の反乱を鎮めるのが正直やっとだった。そんな私が指揮したところで勝ち目は無かった。
「失礼いたします……」
軍議で普段耳にすることのない女の声……キャシーだった。
「キャシー様!」
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