王子は婚約破棄を泣いて詫びる

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その15

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「あらそうですか」

   キャシーは素っ気なく答えた。だってそうじゃないか。どのあたりを放浪していたのか知らないが、彼女はきっと何人もの男を抱いたはずだ。そんな人間と一夜を共にする事は王としてできない。

「分りました。まぁそれはどちらでもいいことです。それはそうと王様」

   キャシーが初めて私のことを王様と呼んだ。そうだ、私はもう王なのである、と実感した。

「私が見聞きしたことによれば、第3区域で不穏な動きが起きているようですよ?ご存知ありませんか」

   第3区域、父がよく言っていた。第3区域に住む人間は、少なからず王政に不満を抱いていると。我が帝国の中で最も貧しい地域だった。私は彼らとも共生する世界を目指したいと思っている。しかしながら、彼らはそれを許さない。彼らは常に私の命を狙っているようだ。警戒の目は光らせている。しかしながら、時々現地の警察が何者かに殺されている。犯人の目星はおおよそついている。だが証拠がない。彼らの知能は非常に高い。そのうちこの城に攻め込んでくるかもしれないとは思っていた。キャシーの言うことが本当だとすれば、そろそろその時が来たのかもしれない。

「まぁ私の見た目によれば、彼らは非常にちんけな存在です。そう思いませんか?いくら知能があっても、数ではかないません。彼らがそれぞれ1人100人ずつ殺したとしても、こちらにはまだ数十万の兵士がいます。 しかしながら、王様?準備はぬかりのないように……」

   それにしても、キャシーが内情を全て知っているのが不思議だった。
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