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09 マイプレイルーム
港に程近い、休日の倉庫街。
いつもはフォークリフトやトラックが行き交う道。車を降りる前に首輪をつけられ、後ろ手のままリードを引かれ、歩かされる、レナ。
人通りがほとんどないからいいものの、スカートが下ろされているからいいものの。股間には震える淫具が、ずっとレナのクリトリスを刺激し続けている。
「ん・・・、んあ、・・・っく、はうっ・・・、く、んんん・・・」
しかも裸足で、二人の正装した男女に引かれているのは、まるで罪人の引き回しのようだった。
ビルの正面を入り、誰もいない受付を通り過ぎると、エレベーターがあった。そこを通り過ぎ、ビルの側面、隣のビルの壁沿いに、摺だけで隔てられた薄暗い長い通路を歩く。ある黒いドアの前で、ご主人様は立ち止まった。鍵を回し、ドアを開ける。
真っ暗。
入口際の壁のスイッチが押される。LEDの青白い光が、ちょっとしたサロン風になっているそのスペースを照らした。少し、カビ臭かった。
ご主人様は入って来たドアをロックし、サロンを跨いだ向こう側のドアのレバーを下ろした。分厚いドアが開き、まだ揮発性の臭いを発する接着剤の匂いが漂い出た。
部屋の向こう、天井近くに小さな明かり取りがあった。おぼろげながら見えていた室内は、点灯された照明で、明確に浮かび上がった。
「これが、本当のプレゼントだよ、シオリ。今日から、ここが、お前専用のプレイルームだ」
そう言って、レナに部屋のキーを見せ、首輪の金具にそれをさげた。
「こけら落とし、って言うのかわからんが、そのゲストが、カエデというわけさ」
どのくらいの広さだろう。
暗いモノトーンで統一された、がらんとした四角い部屋。よく見ると、正面の明かり取りのある壁、左右のそれにも、いくつかの鉄製の輪や、手摺棒が取り付けられていた。
高い天井は断熱材が剥き出しになっていて、その下を縦横に鉄のパイプが何本か交差していた。パイプを辿って壁際には、フックがついた滑車がいくつかぶら下がっている。
ご主人様が背後の分厚いドアを閉めると、生活ノイズ、つまり、空気の流れる音、外界の数多の騒音の残りかす、煩いほどのカモメの声・・・。そういう雑音が一切、遮断された。
「ここは元、音楽スタジオみたいなもんだったらしい。どこかのボンボンが親にねだって自分の音楽道楽のために作ってもらった。贅沢なもんだ。完全防音。シャワールームまである」
ご主人様が換気のスイッチを入れた。微かなごーっという音が聞こえてきた。
「ところが親が破産して、ボンボンは泣く泣く手放した。それから僕のものになって、いろいろ、あちこち改造して、今、お前のものになった。そういうわけだ。嬉しいか」
レナは唖然として何も言えずにいた。どんなリアクションを取ったらいいのか全くわからなかったのだ。愛人にこんなプレゼントをもらえる女子高生など、そういないだろう。
「あ、ありがとう、ございます」
そう応えるのが精いっぱいだった。
それを微笑ましく思ったのか、カエデさんはクスっと笑った。
「じゃあ、ゲストのプレイと行くか」
ジャケットを脱いでスカートを取り去ったレナは、シャツはそのままに再び後ろ手に拘束された。その間、カエデさんはあっさりと服を脱ぎ、全裸になった。
背はレナよりも少し低かったが、ボリューム感溢れるグラマーな肢体を隠そうともしていなかった。陰毛も、黒々とした濃いものが、ちゃんと、ある。
三十歳を少し過ぎたくらい、健康的とすら見える熟れた肉体が眩しかった。
カエデさんは、フローリングの床に正座し、三つ指をついて、
「よろしくお願いします」
と、言った。
ピシッ!
「ああっ! ・・・う、う」
空気を切り裂く鞭の音と苦痛を耐える悲鳴とを聞きながら、
レナは苦悶の表情を浮かべ、低い唸り声を漏らし、脂汗を流していた。拘束された手枷を壁の輪に繋がれ、両足を大きく開かされて立たされた。
股間には、卵の代りに、初めて見る奇妙な形をした、最初のプレイで入れられたものに比べるとずいぶん小ぶりな白いディルドを挿入され、バンドで固定された。スイッチが入れられると、
「ああっ! うわあっ、クッ、うう、あ、あ」
悶絶寸前の強烈な刺激がレナの股間を襲った。閉じようとした両脚は、車の中でと同様、両足首を拘束した足枷に阻まれ、鎖を鳴らしただけだった。
これは厄介なものだった。
レナのある一点を正確に強弱付けて刺激してきた。それに、クリトリスも。それが間欠的にオンオフを繰り返し、レナを責め続けるもののイカせてはくれないのだった。最初のプレイですでに潮を吹いたレナは、また襲ってきたその感覚に、怯えた。
あ、出る。
「あ、あ、あ、で、でちゃううっ!」
大量の液体が股間から放出されて、床に撒かれた。その水溜りに、恥辱に悶えるレナの顔が映った。
ご主人様は少しも振り向いてくれなかった。
それどころか、壁際の手すりに捉まり、豊満な尻を大きく突き出して鞭を受け続けるカエデさんへの打擲に完全に没入していた。
放置?
これはそういうプレイだったのか。
ただ、おもちゃで偽りの悦びに無理矢理反応させられ、安い快感で悦ばされている。惨めな、自分。そう、自分を卑下している間にも、幾本もの赤い筋が、カエデさんの尻や背中や太腿を縦に斜めに走っていた。
「あああーっ!・・・・。も、もっと、もっと下さいっ。っあ、ああああーっっっ!」
ブログでカエデさんが咥えていたのは、先が何本ものひも状の皮で房になっていた鞭だったが、これは違う。レナには知識がないからよくわからなかったが、本格的なものであることは理解できる。
写真の中のカエデさんの肌はただほんのり赤くなっているだけだった。だが、目の前の彼女の尻に刻まれた筋にはミミズ腫れができ、血さえ滲んでいる。あんなにも壮絶な鞭打ちを受けながら、なおも新たな鞭を受けようとしている。
レナは、ご主人様とカエデさんの繋がりの濃さ、強さに、強烈に嫉妬していた。
僕は、女性の苦痛に歪んだ顔、苦しみにあえぐ顔、悲しみに沈んだ顔、切なさに身悶えする顔。そういう顔に、興奮するんだ。そういう表情にしか、興奮しないんだ。
ご主人様。少しでいいから、振り向いて下さい。私にも、愛を下さい。
股間の快感以上に、惨めさがレナの心を身悶えさせ、苦しませた。
「ひああああああーっ! ! !・・・・っっ、ううっ・・・」
カエデさんの足が崩れ、壁際に、蹲った。絶頂を迎えて小刻みに震える豊満な尻の奥の、黒い茂みの中が濡れ光っている。ご主人様はそんなカエデさんの様子を見て、何か声を掛け、肩をさすった。そして、初めて、振り向いてくれた。
レナの前に立ち、黒いブリーフを脱いで、その巨大な肉棒を扱いて見せた。
「欲しいか、シオリ」
「はい・・・。欲しいです。ご主人様の肉棒が、欲しいです」
淫具が外された。ご主人様はレナの股間の溢れ出る潤いを掬い取り、ペニスに塗し扱いた。そして瞳を見つめたまま、レナの待ち望んでいた狂暴なモノが、ぐにゅっ、と、狭い入り口を押し広げて、這入って来た。
「うぐわっ!・・・・っい、ああーっ!」
圧倒的な快感に、逃げようとして、踵が浮き、爪先立った。だがその程度では、とてもその巨大な肉棒を避けられるわけはなかった。仰け反らせたおとがい。口の端から流れ出る、よだれ・・・。強烈な圧迫感が巨大な快感となって沸き起こり、体中を駆け巡った。
「嬉しいか、シオリ」
「う、嬉しいです」
体の奥まで突いてくる快感の激しさに狂う。
「何で、嬉しいんだ」
「ご主人様に、れ・・・、シオリの、オ●ンコを、おか、していただいてる、から、です」
数度、抜き差しを繰り返し、レナの昂まりが最高潮に達する前に、それは、ずるんと抜かれた。
え?
そのままご主人様はカエデさんの元に戻り、声を掛けていた。
「カエデ。鞭が欲しいか」
「もっと、もっと下さい。お願いします。もっと、ムチを下さいっ!」
そんなサイクルが数度、繰り返された。感じるだけ感じさせられて、最後までイカせてもらえない。「お預けの刑」とでも言うのだろうか。
ご主人様の、あの肉棒の味を散々教え込まれ、味わった身には残酷な仕打ちだった。
これじゃ、前に逆戻りだ。性感を高められて、ロクに満足もさせてもらえないままあっさり捨てられた、去年の年末の繰り返しだ。プレゼント、と言いながら。レナのためのプレイルームと言いながら。その、レナだけの特別な場所での最初のプレイでヒロインを演じているのは、自分ではなく、カエデさん。他のスレイヴではないか。
何度目かの挿入の最中、ご主人様は股間の快感を必死に貪ろうとする、レナの蕩けた、陶酔した顔をグイと上に向けた。
「クッ・・・。ああ、うう・・・」
「苦しいか。何度も責めを中断されて、イカせてもらえない。堪らないだろう。これはな、僕が一番大好きなプレイの一つ。そのための、ただの予行演習に過ぎない。
もっと、お前の苦しむ顔が見たい。お前の、その嫉妬と苦痛に歪んだ顔が、見たいんだ。もっと焦れろ。もっと、苦しめ」
残酷な言葉で、またもや絶頂を待たずにご主人様の肉棒は出て行き、打ち捨てられた。
酷い・・・。
再度、またも、おもちゃを突っ込まれ、放置される。
目の前ではなおも鞭を求めるカエデさんが、苦痛を最高の快感に変え、喜悦の声を上げながら、全裸を打ち振るわせて悶えている。
「ああーっ! いいのォっっ! いいっ! もっと、もっと鞭をォっっ!!!」
鞭を打たれただけで、カエデさんは何度も達していた。
体中を赤い筋で染めながら、白い豊満な胸と尻を打ち振るわせながら、ときおり膝を追って蹲りながら、なおも鞭を求めて尻を突き出す。ブログの写真以上の、それとは比べ物にならないほどの、おぞましく、恐ろしいほどのエロス、淫靡さが、際立っていた。
そして、全裸でカエデさんを打ち続ける逞しいご主人様の背中。
自分には中途半端な愛しかくれないのに、カエデさんには何度も絶頂を与え、様子を気遣う。
惨めだ。
顔を落としたレナの足元に、雫が落ちた。止めどない、あとから溢れる涙が落ちてゆくのを、ただ見ていることしかできなかった。
ふいに鞭の音が止み、目の前にご主人様の巨大なモノが再び立った。
またか・・・。
諦めの境地の中、おずおずと顔を上げた。目の前に、目を閉じて小刻みに震えているご主人様の、サキさんの顔があった。サキさんの舌が流れるレナの涙を掬い、吸った。震えながらレナを抱きしめるサキさんの肩を、思い切り抱きしめられないのが、悔しかった。
と、レナの手首の枷が外された。レナはその場に伏せにされ、顔を床に抑えつけられた。そこには、それまでにレナが嫌というほど垂れ流して来た潮が、もう冷えて水溜っていた。
サキさんは、ご主人様となって、言った。
「舐めろ。舐めてきれいにしろ」
頭より、体が先に反応した。粗雑に扱われ、惨めに堕ちる屈辱が、レナを震わせ、痙攣させた。ご主人様の足が、レナの頭を抑える。
「さあ、どうした。舐めろ。自分の垂れ流したものだぞ」
レナは頭を回して、頬をつけた。
その頬を、驚くほど冷たいご主人様の足が、踏んだ。レナは、いつの間にか、高みから、見下ろしていた。カエルのように這いつくばり、自らの淫水漬けになって裸の尻を震わせている自分を。
被虐の中で、レナは、絶頂した。
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