夜伽話 【ぼくのために寝取られる愛しい君】

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第二十八夜 あなたを複数でイカセまくりたい 門倉医師の治療 六回目

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 先生の車で連れて行かれたのはあの調教部屋ではなかった。そこはラブホテルで、しかも、全室がそれ専用の設備を持った施設だった。

 部屋の内装は欧州の古城の地下室を思わせるような石を模した壁。暗い照明に赤い磔台や拘束台、全面ガラス張りの和式のトイレ、これもガラス張りの浴室が浮かび上がっていた。リストのコンソレーション3番。穏やかで美しいそのピアノの調べが、その淫らな性技を待つ部屋の雰囲気に高貴な空気を漂わせていた。

 作務衣姿の先生に促され、紗和は服を脱いで全裸になった。自分で黒い首輪を着け、床に三つ指を点いて挨拶をしていると、自然に身体の中から滾るものを感じてくる。拘束台に乗るように言われた。

 診察室のリクライニングの様ではあるが、座り背もたれるシートが極端に小さい、ほとんどが赤いパイプで組まれた台に登り腰を下ろした。

「今日は、ここの毛を剃るぞ。いいな」

「・・・はい、先生・・・」

 アームに脚を載せる。するとハンドルが回された。アームが左右に開き始めた。紗和はこれからされることを想像して早くも感じ始めていた。大きく開脚された紗和の股間が完全に曝け出されるやハンドルが固定された。

 両手が自由だから自然股間を隠してしまう。それでは先生が悦ばないのをすでに知っている。だから隠した手を除けようか隠したいのか、迷ってしまう。先生がワザと両腕を拘束しなかったのを知る。戸惑う紗和を見て楽しんでいるのを知る。

 観念して両手を除ける。除けた両手を所在無げに胸の上で組んでしまう。

 先生はニヤリと笑って大きく開脚された紗和の股間に顔を近づける。ワザと息を吹きかけながら太腿の肌に口髭が触れるほど近くで、彼女のそこを視姦し、その淫靡な匂いを嗅ぐばかりに。そんなイヤらしいことをされれば、当然にゾクゾクと感じて、濡らしてしまう。

「ふふ。濡らしているな」

 先生がワザと言葉にする。その指が淫裂に触れ愛液を掬い陰核へ塗す。

「ん・・・、く・・・」

 紗和は歯を食いしばってその快感に耐えた。ラブホテルだから声は気にしなくていい。だが、あの調教部屋での施術や電車でのプレイを経て、悦びの声を抑える癖がついてしまったようだ。むやみに悦びを吼え叫ぶよりも、快感を耐える風情がより淫靡な香りを醸すのを覚えてしまっていた。

 と、先生のスマートフォンが鳴る。作務衣の懐からそれを取り出して通話に出た。

「・・・ああ。着いたか。直接来てくれ。203号室だ」

 先生は紗和の股間を弄びながら通話を切った。

「今日のゲストが着いたようだ。ひとつ、ここの剃毛は彼にやってもらうとするか」

 3人でのプレイとは聞いてはいたが、先生以外の見知らぬ男に肌に触れられ、恥毛を剃られるという気持ちの悪さと恐怖で小さな戦慄を覚えた。

 紗和の愛液で汚れた先生の指を舌で清めていると、彼は来た。

 どこにでもいるような、中肉中背の中年男。それ以外に形容のしようがない男だった。その見知らぬ男の前に自分の全裸を曝していることに恥ずかしさとわずかな昂奮があった。

「彼の紹介は、敢えてしない。彼にはきみたち夫婦のことを話してある。全部、承知してくれている。ただし、後から浅香さんにこのプレイのことを話す場合は彼の人相や風体は一切話してはいけない。彼は今だけ「峰岸」という男になる。お前を仕込んだ男の名前だ。浅香さんに話す場合も、彼を峰岸として話すといい。いいね?」

「はい・・・」

「峰岸」は何も言わずにゆっくりと頷いた。ジャケットを脱ぎ、手にした黒いバッグから道具を取り出し、それを手にして紗和の股間に椅子を引き寄せ、そこに陣取った。

 彼は鼠径部と下腹の叢に指で何やら油のようなものを塗り込んでいった。全くの見ず知らずの男に股間を曝け出し何かを塗り込まれるのは快感とは程遠い気持ち悪さしかなかった。思わず両脚を閉じたくなるが、ベルトで縛られた脚は申し訳程度しか動かなかった。

 彼の、「峰岸」の目はじっと紗和のそこに注がれている。そう思うだけでたまらなかった。気持ちの悪さと恐怖が徐々に消え、代わりに恥ずかしさが醸す昂奮がぐんぐん高まってゆく。紗和は目を閉じてその羞恥の快感に耐えた。

 やがて、ヒヤリとした感触が恥骨の上にあり、じー、じょり、じょり、と独特の音がしてくる。「峰岸」は先生の指示に忠実に、ビジネスライクに刃を使い、紗和の股間を無用に刺激したり愛撫したりはしなかった。そのことが余計に彼女の羞恥を煽った。衆人環視の電車の中で卑猥なオモチャで感じているときと同じ感覚。「峰岸」が無表情でその作業に没頭するほどに、濡れた。

 と、唇の上に重量感のある熱いものが置かれた。目を開けなくても、紗和にはそれがなにか、わかった。もう何度も奉仕を捧げたその逸物は、独特の強烈な男の匂いを放っていたからだ。目を閉じたまま、口を開いて舌を這わせ、舌を使い、唇で食んだ。

「美味しいか、紗和」

「はい・・・、先生」

 この「峰岸」はどう思うだろうか。見知らぬ男の前に恥部を曝し恥毛を剃らせながら別の男の男根を舐めしゃぶる女をどう思っているのだろうか。下劣な最下等の女と蔑み、見下しているのだろう。そう思うほどに羞恥と被虐の苦痛、その快感に襲われる。

 だがむしろこのほうがよかった。冷たい刃物による剃毛行為に一方的に感じさせられるより、気が紛れた。むしろ自分から積極的に奉仕をすることで、羞恥の苦しさから逃れることができる。紗和は思いきり大胆に、先生のそのエラの張ったゴツゴツの逸物を、舐めた。

 やがて「峰岸」はその作業を終えた。剃り跡を馴染ませようとするのか、再びオイルが塗られたが、それは剃る前とは違ってゆっくりねっとりと紗和の肌をなぞり、明らかに剃り跡の保護のためでないとわかる触り方、そして剃ったところとは違う個所にもオイルを塗しながら、もうはっきりと愛撫とわかる刺激を加えていった。もちろん、アナルにも・・・。


 

「峰岸」を仮称する男の見当を譲治はすでにつけていた。紗和に促され、彼女の陰部を指で愛撫しながら耳に直接吹き込まれる「夜伽話」を聞きつつ・・・。

 男はきっと、先生と出会ったバーに最初にいた、バーテンダーだろうと。

 キョーコの夫であり、「先生が世話をしている者」だろうと。彼が先生のこうしたプレイの助っ人として登場することは自然だと思った。それにキョーコの件もある。

 意図したわけではなかったが、かつて譲治は成りゆきで「峰岸」に扮したバーテンダーの妻、キョーコを犯した。彼とはキョーコのプレイの後、あの「文化住宅」の前で会って会釈もしていた。当然譲治がキョーコをプレイの具にしたことも知っているだろう。先生の指示であるにせよ、その意趣返しのために積極的に今日のプレイに加わったと考えてもおかしくはなかった。

 彼は思っただろう。これで「お相子」だ、と。

 キョーコを犯しておきながら、譲治は理不尽にもあのバーテンダーに微かな怒りを覚えた。あんな女と紗和が対等であってたまるか、と。そう思うと、その怒りを紗和への奉仕に転化し、なお一層、愛する妻を愛でずにはいられなかった。

 身体を倒し、紗和の股間に顔を埋め、その叢の無くなったツルツルの股間に舌を差し伸べた。

「その『峰岸』もきみを犯したの?」

「・・・ええ・・」

 と、紗和は答えた。

「前も、・・・後ろも、です」

 心臓が切り刻まれるかのような痛みを覚えた。

 紗和もまた身体を倒し、すでに痛いほど張りつめて硬くなっている譲治の屹立を再び口に含んだ。

「早く聞かせてくれ。それから、どんなプレイをしたんだ!」

 譲治の中では、施術はもう完全にSM性愛行為の「プレイ」になっていた。

 痛みに耐え、譲治は話の続きを催促した。紗和は幹の下側や側面に舌を使いながら、夫の尻を抱えるようにして男根を喉奥深く咥え込んでは唇で扱いていった。
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