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20 コマリは説得した。全裸で。
しおりを挟むそれまでメールとかLINEを使わなかった大洋くんは勤め先である病院とコマリのだけは見るようになった。
ルナちゃんが来たこと。また彼女のグチを聞いたこと。やっぱ、あんま眠れてないこと。前見たく小鞠の部屋で寝てること、待ってるね、いっぱいシテね、をLINEした。
大洋くんの部屋の合鍵も持つようになった。
彼の部屋で裸エプロンして夕ご飯のハンバーグを捏ねていると、
「ただいまあ」
すぐに玄関に行ってイケ面にチューしてついでにカギかけた。またルナちゃんが起きてきて、
「お盛んですね」
をされないように。
そのまま小鞠はハンバーグに戻り、大洋くんはハダカになってやっぱり襲ってきた。
「ああ~ん・・・」
エプロンの両側からチチを揉まれ、乳首を捏ねられた。
「いまハンバーグ捏ねてるのにぃ~ん・・・」
「捏ねるより捏ねられる方がスキなくせに」
「いや~ん♡」
「さて、コマリのおまめのころがしを味わうとするかな」
「そん、いま・・・、ああ~ん♡」
大洋くんのおくちが敏感な背中を伝い降りてお尻へ、その奥へと・・・。
「ほどよくドレッシングが利いてるね。このドレッシングがまた、いいんだよなあ」
「あん・・・、やあ~ん、そこ、・・・はあん♡」
ビクビク、ゾクゾク。止まらない。あ、ダメ・・・。
小鞠はそれ以上ハンバーグを捏ねられなくなってガラスのボウルの中のひき肉とタマネギの刻んだのとを両手で握り締めてはまたグチョグチョ掴んで快感に耐えた。でも、もう、這い上ってくる快感に耐えられなくて気持ちよすぎて膝が震えすぎ。も、ダメ、持たない・・・。手についたお肉がもったいないから出来るだけこそげて水道で手ジャーしてシンクの縁を掴んだ。でも、ダメだった。ガクガクの膝が、落ちた。落ちたのに、まだおくちとべろでベロクチョされてるぅ~んんん・・・。
・・・逝った。
「ああ、も、そ、そんなに、転がさないでェ~ん・・・。やああんっ!」
「転がされるの、スキなくせに。何言ってんだ!」
「ああ、もうゆるしてェんん! 怒らないでェんん!」
「怒っちゃうぞお、ぼくわっ!」
確かに、「イカリくん」はイカっていた。イカっている「イカリくん」をなんとか宥めなくては・・・。小鞠の意図を察した大洋くんがお尻の下に滑り込んで仰向けになった。彼のイケ面に跨って彼のチクビちゃんをペロペロしたげた。でも長くは続かない。自分の乳首もペロペロされて、敗北。
これはもはや速攻で「イカリくん」を宥めなくては・・・。
どうどう。宥めるつもりで「イカリくん」の胴を握って撫で擦り、おくちでレロレロ。チュッチュしたげた。でも、ダメだった。「イカリくん」はますますイカって、さらにおまめ転がされてさらにチューッと吸われて、玉砕。これは早めにフィニッシュさせないとコッチが持たないと思い、「イカリくん」に跨った。
で、完全敗北。
大洋くんまだぜんぜん元気なのに、もうダウン。だけど、さらにそこをガシガシやられた。
「も、ダメ。ホントに、ダメェ~ん♡ あっ、あっ、イク、またイク、狂っちゃう、オカしくなっちゃうああんっ!」
「なに、もっとオカして? よっしゃー! ぼく、がんばっちゃうぞーっ!」
「いやあ~んんんんんっ!」
背中に出されたのをシャワーで流してたら大洋くん入ってきてまたサレた。
それでやっと落ち着いたみたい。よかった。本当にそれ以上ヤラれるとマズかった。彼の実家で一晩オアズケした影響がこれほどとは思わなかった。
で、とりあえず服着て一度自分の部屋に戻った。ルナちゃんはまだ寝てた。
ルナちゃんの分は焼かずにラップして冷蔵庫入れて、二人でハンバーグとサラダとパン。一本だけ大洋くんが持ってきたシャブリを開けてカンパイした。
「どうしよう。ねえ、どうしたらいい?」
もちろん、ルナちゃんのことだ。本当は楽しかった彼の実家での出来事を回想しながらのディナーになるはずだったけれど、あまりにも可哀そうで放っておけなかった。
「う~ん。・・・でもなあ、こればっかりはなあ・・・」
「お相手の人のこと訊いた? なにしてる人?」
「いや、訊いてないなあ・・・」
「ねえ。お兄ちゃん頼って来たんだよ。ちゃんと真剣に考えてよ」
「そんなこと言われてもさあ・・・」
「一度会ってみようよ、四人で。その人に。お食事会でもしてさ」
「会ってどうするの」
「まだ考えてない。けど、一般論じゃ解決しないでしょうに。情報が少なすぎるよ」
「そりゃー、まあ、そうだなあ・・・」
「要は、彼も裸族になれば問題ないわけでしょう。まず、その人のコトを知らなきゃ、アドバイスも出来ないよ」
「まあ、そうだよなあ・・・」
大洋くんてば意外とアニキ甲斐のない人だなあと思った。
でも、考えてみれば子供のころからああいうルナちゃんを見て来てるお兄さん。一筋縄ではいかない妹を誰よりも知っているから、でもあるのかもしれない。昨夜お母さんも言ってた。「悪く言えば八方美人で見栄っ張り」
全裸のルナちゃんは開けっぴろげでサバサバ系のいい女だと思うんだが、服を着ると変身しちゃうんだろうな。
大洋くんなら気にしないことまで気にしちゃう子だからなんだろう、と。だからその分全裸の解放感の重要度が大きいのだルナちゃんの中では。それを取り上げられると辛過ぎるのだろう。かと言ってそれを相手に伝え理解を求める勇気が出ないのだ。嫌われたくないから。だから全裸の世界と着衣のそれとのギャップがどんどん広がっちゃうんだろうな。広がりすぎてお股裂けそうになって、どうしようもなくなってるんだろうな。なんとなく、小鞠にも理解できるような気がした。
「ルナちゃんてさあ、お酒飲める方?」
大洋くんはセックスとハンバーグに大いに満足してくれて八時には寝た。自分のカラダと料理に満足してくれて眠ってくれるオトコがいるって、幸せだと思う。
一緒に添い寝して幸せをさらに漫喫しかったがルナちゃんも気になる。優しいコマリ。再びショーパンにTシャツ被って自分の部屋に行った。
ルナちゃん、まだ寝てた。おいおい。大丈夫か。もう十二時間以上は寝てるぞ。
寝てる彼女の額に手をやる。熱はない。ちゃんとイキしてるし。熟睡してるんだ。
どうせ三時には起きる。とりあえずそれまで寝かそう。
一度パソコンを立ち上げ、クラウドにアクセスして仕事の溜まり具合をチェックしてから彼の部屋に戻り全裸になって彼にぴとして寝た。
夢も見ない深い良質の睡眠をたっぷりとって目覚めた。
「おはよ、タイヨウくん」
「おはよ。する? するよね」
おはよう代わりのまったりとしたえっち。をする前に、もう一度纏わりつく大洋くんを剥がして自分の部屋に行く。うん。寝てる。
安心して彼の部屋に戻り、えっち・・・♡
最近、小鞠は濡れやすい。自分から彼のを握って誘導してしまう。
「コマリ、エッチになったね」
「タイヨウくんのせいだよお」
「エッチなコマリ、カワイイ・・・。あ、すっごい、締まる・・・」
「ああん。タイヨウくんの、きもちい・・・。もっと、動いて」
「でもさ、コマリ完全にクセんなってるよね。ぼくの腰に脚絡ますの」
「だって、大好きなんだもん、ああっ、もっと、んん、もっと、突いてああん・・・♡」
「相変わらず、お盛んですね」
・・・カギ、忘れた。早くえっちしたくて焦ってた。
で、やっぱり、ルナちゃんは戸口で正座してた。
ルナちゃんがタイヨウくんの部屋で朝ご飯を作ってくれてる間に溜まっている原稿を二つ三つ片付けて彼の部屋に戻った。
「アニキの冷蔵庫ロクなモン入ってなかったからさあ・・・」
そう言いつつ、コンビーフとホウレンソウの炒め物をおかずにタイヨウくんの好きな納豆ご飯にお豆腐とお揚げのお味噌汁がちゃんとできてた。お母さんの味と同じなのは、小さいころからちゃんとお手伝いしてた証拠。ルナちゃん、可愛くていい子だあ・・・。
「おいしいよ、ルナちゃん!」
「ありがと」
昨日、小鞠の部屋に入るなり倒れるようにベッドに突っ伏し、たっぷり寝たせいかルナちゃんは元気だ。片手で長い髪をかき上げてあったかご飯にハフハフパクついた。
「よく寝たね」
「コマリさんのベッド、すっごいよく寝れるのお」
「はは・・・。気に入ってもらえたのは、いいけどね。・・・はは」
たまにならいいが、毎回だと小鞠も困るし、ルナちゃんのためにもいいことではないと思う。
「ねえねえ。ところでさ、いつなの?」
「いつ、って?」
大洋くんが聞き返した。
「お二人の、結婚♡ それで実家行ったんでしょ」
「ああ・・・」
大洋くんはお味噌汁のお椀をずずーっと吸って、ことりと置いた。
「コマリ、いつにする?」
素で訊かれていささか困った。あ、もうそういう段階なのね、と。
ブドウ園広いね、とか、大きなお風呂きもちかった、とか、優しくていいお父さんとお母さんだね、・・・とか。そういう話でまったりする間もなく、展開が早すぎだな、と。
でも、ルナちゃんのことがある。
眠れないほど悩んでいる小姑就任予定のカレシの妹の問題を解決してからでないと、浮かれるわけには、イカンじゃないか。
「ね、ルナちゃん。ハッキリ言うね。あたしとタイヨウくんのことよりもさ、まずルナちゃんが落ち着かないと、あたしも落ち着かないよ。ね、一度四人でさ、お食事会しない? お相手の人がどういう人か、あたしも知りたいよ」
「・・・ああ、・・・うん」
途端にテンションだだ下がりのルナちゃん。
「あたしなんかでよければ相談に乗ってあげたいんだけど、それにはお相手の人のこと知りたいじゃない。同い年? 年上? 年下? どのくらいのお付き合いなの? お仕事してる人?」
「・・・彼、お菓子屋さんなの」
お茶をずずーっと飲んで、ルナちゃんは言った。仕草が兄妹そっくりで、少し笑えた。
「・・・なに?」
それまで気乗り薄だった大洋くんが急に興味を示した。
「年上の人。アニキと同じくらいかな。お菓子屋さんでパティシエしてる人」
「是非会おう。即、会おう。その人に紹介してくれ、ルナ。な、いつにする?」
ルナちゃんと二人で、思わず顔を見合わせた。
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