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出会い〜恋人になるまで
食卓
しおりを挟む"しの"と名乗ったその青年は、家に帰るなりすぐに家事を始め、部屋の隅々まで綺麗に掃除をした。
一人暮らしであまり気にいていなかった窓枠や、冷蔵庫とキッチンの隙間など、本当に隅から隅までを綺麗にしてくれた。
夕飯の時間になると、レシピも見ずに包丁を握り、テキパキと何品も作っていく。
これは、ちゃんと雇ってお金を払わないといけないレベルだ。
「よし、できたから食べよ、榊さん」
買ったばかりのエプロンを身につけ、テーブルに料理を運んでくれる。
春巻きや、美味しそうなスープ。
高菜のチャーハン、生ハム入りのサラダ…。
お店に行くより美味しそうな夕飯だ。
「すごいな、家事代行サービスのバイトでもしてたのか?」
俺が聞くと、しのは俯いてエプロンを握った。
何かまずいことでも聞いたか…。
「…バイトは違うやつ。でも、家事は元々好きだから、得意かも」
さ、はやく食べよ~。
と妙に明るいテンションで、エプロンを脱いだ。
「いただきます」
二人で手を合わせ、自分の皿に取り分ける。
どれも美味しそうだ。
「ん、美味いな」
チャーハンはぱらぱらで、スープも優しい味がする。
しのが作った料理は、店に出してもおかしくないほどの出来栄えだ。
ここまでの才能があって、どうして家が無くなるほど落ちぶれてしまったのだろうか。
それを聞くのはやめておこう。
所詮、昨日出会ったばかりの男だ。
男と言うには華奢で、かわいらしい顔をしているが。
俺の隣で美味しそうに飯を食う姿は、小動物のようで愛らしい。
これで家事も完璧なのだから、やはり家に入れて正解だった。
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