小説家お兄さんの家で養われることになった話

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それからの二人

日常 ②

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夕方、子猫のつむぎくんを連れて内海さんがやってきた。
「おじゃましまーす。柚季くん久しぶり~」
これ、よかったら食べて~と美味しそうなお菓子を貰う。
「おっきくなったね~」
内海さんはさっそく荷物を下ろし、三兄妹を再会させた。
「つむぎくん、傷が治ってよかったですね」
あれから細菌などで苦労したらしいけど、今はこうして元気に走り回れるようになっている。
三匹に夕飯をあげて、俺は自分たちの夕飯も準備する。
予め用意していたピザ生地と、たくさんの種類の具を並べた。
「よし、じゃあ二人ともおてて洗ってきてくださ~い」
幼稚園の先生風に言うと、二人もノッてくれて、
「は~い」
と手を上げてくれる。
いい歳した男3人で、何をやっているのかという目で三匹に見られる。
「わ、すごい!」
内海さんは手作りピザにとても喜んでくれた。
ピザはすぐ焼けるので、何枚でも好きな具を乗せて作れるよう、生地は小さめに丸めている。
「できたら焼くので言ってくださいね」
それぞれ生地を伸ばして、手作りピザソースを塗る。
俺の第一弾は、ベーコンとピザ用チーズ、ピーマンを乗せた。
榊さんは野菜をたっぷり乗せている。
と、その横の内海さんを見ると。
「わ、頭良い」
半分はマルゲリータ、もう半分はツナとコーンを乗せている。
「でしょ?俺こういうの好きなんだよね」
内海さんは前も思ったけど、少し子供っぽいところがある。
喜んでくれてよかった。
第一弾を焼いている間に、内海さんは第二弾のピザも作り始めた。
今度はジャガイモと照り焼きを乗せて、その上にマヨネーズをかけている。
そうこうしている間に、第一弾のピザが焼きあがった。
「わ~いい匂い」
初めてにしては上出来だ。
内海さんの第二弾もオーブンに入れて、さっそく出来上がったピザを食べる。
「ん、美味しい」
榊さんにも食べさせる。
「おいお前らいちゃついてんじゃねえ」
あーん、といつもの癖でお互い食べさせていると、内海さんにツッコまれた。
「あ、えっと…あ!ドラマもうすぐですね!テレビつけましょう!」
あたふたしてテレビをつけるが、当然まだやっていない。
「それにしてもよく考えたね」
内海さんは満足そうに自分の作ったピザを食べている。
「好き嫌いがわからなかったので、これなら自分で好きなのを乗せられるかな?って。
思った以上に楽しんでいただけてうれしいです」
うんうん、と内海さんは頷いて、ちょうど焼けた第二弾を取りに行った。
「しの、ありがとうな」
榊さんがこっそり言う。
「ん?」
なんのことか分からず、聞き返した。
「いや、なんかな。お礼が言いたくなった」
本当になんのことかわからないけれど、ありがとうと言われて嬉しくないわけがない。
「ふふ、榊さんもいつもありがとう」
 内海さんは第二弾を持って戻ってくる。
嬉しそうに切って、俺達にも分けてくれた。

ドラマが始まり、三人でテレビを見ながらお酒を飲む。
前回俺はやらかしたので、一杯までと榊さんに止められてしまった。
「自分の作った話がドラマになるなんて、不思議だな」
榊さんは感慨深そうに言った。
「ほんと、すごいよね」
内海さんは既に酔っ払ってソファーで寝ている。
「この人、会ったんでしょ?綺麗だった?」 
榊さんは原作者なので、キャストの方に挨拶をしたらしい。
「まあそりゃ芸能人だからな」
「へー、そうなんだ」
榊さんのお酒を取って飲み干す。
「おい、しの」
榊さんに怒られる。
うるさい。
「自分で聞いといて拗ねるな」
うるさいうるさい。
「もうやめとけ」
3杯目のお酒を没収される。
「寝る…」
自分で聞いて自分で拗ねて、俺ってば意味がわからない。
でも、榊さんが俺以外を見るのが嫌。
引き止める榊さんの手を振り払って、寝室へ向かった。
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