子持ちの同僚の弁当に口出ししたらなぜか俺がママに任命されました

よる

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本編

みんなで楽しくお風呂屋さん

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「ぷかぷか~」
涼介と陽日は、2人で仲良くお風呂に浮かんでいる。
夕方、お風呂の順番はどうしようかと話していたところ、
「この人数だと時間かかるし、みんなで銭湯行こうよ」
と次男の啓太が提案し、全員で近所のスーパー銭湯に来た。
母親と長女の舞は2人で女湯に行き、それ以外の全員で男湯に入っている。
「涼介くんバタ足できるー?」
6歳の陽日が背もたれに座って足をバタバタと動かし、それを涼介に見せた。
「こら、ここはプールじゃないからダメだよ」
すかさず啓太が止めに入り、拗ねた陽日が林田に慰められに行った。
「ふふ、まだまだはるくんも甘えん坊だね」
林田の膝の上でぎゅ、と抱きついて甘える陽日を見て、啓太が呆れたようにため息をついた。
「兄ちゃんと母さんにだけだよ、俺と舞には反抗してくるからね」
お調子者な三男は、ぷく、と頬を膨らませて啓太に威嚇した。
そして、傍で林田と陽日の様子を見ていた涼介が寂しそうに
「ママ…」
と呼ぶ。
「ん?涼介くんも抱っこしようか、おいで」
林田が手を広げると、嬉しそうに陽日の横に入った。
啓太は甘える2人を見て、小さい頃のことを思い出す。
林田が小学6年生の時に生まれた啓太は、舞が生まれるまで4年間兄を独り占めしていた。
どこへ行くにも兄の後をついてまわり、初めての弟に小学校が終わるとダッシュで帰宅して遊びにも行かず啓太を眺めていた林田にそれはそれは可愛がられ。
抱っこもたくさんしてもらったし、おやつも分けてもらった。
寝る時はかならず一緒の布団に入り、お風呂で頭を洗ってもらう。
大好きな兄にそうしてもらった日々を思い出すと、なんだか寂しい気持ちになった。
大学を出ると同時に家を出て、それからは数ヶ月に1回しか会えなくなった。
ほぼ長男のような気持ちで、毎日妹と弟の面倒を見ている。
「啓太も昔はこうやってぎゅーするの好きだったよね、それが今は俺より大きくなったなんて」
林田はそんな啓太の気持ちに気がつき、
「抱っこはできないけど、頭撫でるくらいならしてもいい?」
と言って片腕で2人を支えて啓太の頭を撫でた。
啓太は涙が出そうになるのを堪え、久しぶりに弟として可愛がられる気持ちを思い出す。
何年経っても温かい林田の手を、きっといつまでも忘れないのだ。

お風呂から上がると、先に出て着替えを済ませた舞が母親の横でコーヒー牛乳を飲んでいた。
「洸希たちも飲みな~」
母親は全員分のコーヒー牛乳と、陽日と涼介の牛乳を買ってくれる。
「ありがとうございます、いただきます」
全員分自分で払おうと思っていた西條は、申し訳なく思ったがありがたくいただくことにした。
瓶を開け、ごくごくと喉に流し込む。
涼介と陽日がちょこん、と木の椅子に並んで飲む姿を写真におさめる。
2人は口の周りを白くさせ、
「ぷは~」
と言ってみんなを笑わせた。
帰りは暖まって眠気に負けた陽日と涼介を、西條と啓太が抱っこして夜道を歩いた。
林田は舞と手を繋ぎ、舞は嬉しそうにスキップをしている。
その様子を、1歩後ろで母親が目を細めて眺めていた。
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