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第10話 信じる者は救われる⁉ ヴァージニアのメリル ①
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わたしはイングランドという国のスノーフレークという町に生まれました。
イングランドはヒデヨシ様のおられた日本国と同じ島国です。環境面ではこの世界とにています。
それはともかく。
一家は両親に3歳年上の兄に弟と妹、そして昨年生まれたばかりの赤ん坊の7人家族でした。
父の名前はジョセフで母はマリアといいます。
両親は敬虔に神様を信仰しており、神様の教えに従い慎ましく質素な暮らしをしていたのですね。
そんな折、わたしが13歳の時。
両親の信仰する神様に対して、以前からある伝統的な考え方が主流になってきて、新興勢力として私達は弾圧され始めたのです。
父はイングランドでは牧師という人々を導く仕事をしていました。
ですから昔ながらの考え方の信仰に改宗しない父との間で意見の対立を生み始めていました。
そしてその事により最悪な場合は命の危険すら感じ出す程激しいものに変わっていくのは時間の問題だと両親は思っていました。
両親の予感は的中してしまいます。
父の友人が熱心な信仰から「悪魔」だと言われたのです。それから町の中で磔にされて家族全員【火あぶり】にされ生きながら焼き殺されました。
この悲惨な仲間の死から父は信仰を続ける為にある決断をしたのです。
それは移民でした。
移民とは遠く離れた異国の地に移り住むことです。
海の向こうの彼の地はアメリカ大陸にあるニューイングランドという新大陸の地名です。
ニューイングランドには私達みたいに信仰心から迫害された人達が故郷を捨て作った町が沢山あるということでしたので、父の選択で移住を決めたのです。
私達の信仰では家長である父の判断は絶対でしたので母は黙って荷造りして夜逃げするかのように荷馬車で港に向かいました。
港に着くと私達と同じ境遇の家族が何十組と新天地での生活に希望と不安を持って長い航海に出発をしたのです。
当初の予定では新大陸までは30日程の船旅で着くと言われていましたが、実際はその3倍近くの87日かかりました。
日数がかかった大きな理由は船の動力源で予想以上に風向きが悪く無風の日も多かったからです。あとは嵐に見舞われたり、船内に疫病が蔓延したりと予期せぬ出来事が度々起こったからです。
最後の方は水も食糧も底をつき、あと何日か到着が遅れたら全員飢餓で死んでいたと思います。
それは、それは過酷な船旅で赤ん坊だった弟は60日目に母の乳がずっと出なくて栄養不足から病にかかり、数日後に息を引き取りました。
そして弟の亡骸を海に流してる途中に家族で神様に「どうして、主はこのような試練を私たちにお与えになられるのですか。信仰心が、足りないとおっしゃるのか」と天に向かって恨み事を言ってしまいお祈りした次第です。
それでも私達家族は恵まれていた方でした。
新大陸に着いた時には一緒に旅をしてきた家族の何組かは家長が病気や飢えで亡くなり途方にくれてる人達も大勢いたからです。
父である家長が亡くなるのは新大陸において死活問題で、特に私達の信仰においてはジョセフ=男が中心でマリア=女は家長を支える教えですから尚更でした。そういった家長を失うという不幸に見舞われた家族がこの先どうなるのか? などと両親が食事の時に話をしていましたが、その日の宿代に困るほど逼迫して全財産のほとんどを注ぎ込んだ私達にはなす術もなく、ただ新天地で良い人に巡り合うか、暮らしていけるだけの職業に就ける事を神様にお祈りしてあげる事しか出来ませんでした。
私達は質素な宿で一晩を過ごすと、次の日には沢山ある入植地の一つだったヴァージニアという町を目指して出発しました。
馬車代を得る為に故郷から持ってきていた金の燭台を母には内緒で売り当面の資金に父はしたようです。
宿で三日間旅の疲れを取ってから私達は新天地のヴァージニアに向かいました。ヴァージニアまでは港から馬車で半日ほどの距離でした。
ヴァージニアに着いてからは、この地のリーダーである牧師さんのところに挨拶に行き、町の近くに住居を借りました。
諸々の費用は母のアクセサリーなど金目の物を父が母に黙って売却しました。
得たお金で新生活の為の土地や家や家畜等最低限必要な物を買い揃えたのです。
そうして私達は新生活を始めたのですが……。
ヴァージニアに移り住んで1年が経った頃。
私達家族はとても飢えていました。
理由は私達の所有している土地がとても痩せた大地で農作物が育つには不向きだったからです。
それは土地が痩せているだけの問題だけではなく気候的にも温暖とはいい難く1年の半分以上がとても寒く農作物には適さないとすぐに分かりました。それでも工夫して肥料を入れたのですが種を蒔いても芽さえ出ない事も多く、出ても大きくなる前に枯れてしまいました。
そのような不作は我が家だけの問題ではなく、他所の家族も同じような状態ですが、農作物が取れない分、男手が狩りに出て鹿やウサギ等を捕まえて補っていました。
ですが、我が家の男手で家長の父は狩猟が昔から苦手で食卓を賑わす事はほとんどありません。
最初の頃は母も父に遠慮して、食卓が質素過ぎて家族の者が満足に胃袋を満たす事が出来なくても神様の与えられた試練だと思い食事前のお祈りも父に畏まり、皆で食卓を囲む事が出来る幸せを神様に感謝していました。
イングランドはヒデヨシ様のおられた日本国と同じ島国です。環境面ではこの世界とにています。
それはともかく。
一家は両親に3歳年上の兄に弟と妹、そして昨年生まれたばかりの赤ん坊の7人家族でした。
父の名前はジョセフで母はマリアといいます。
両親は敬虔に神様を信仰しており、神様の教えに従い慎ましく質素な暮らしをしていたのですね。
そんな折、わたしが13歳の時。
両親の信仰する神様に対して、以前からある伝統的な考え方が主流になってきて、新興勢力として私達は弾圧され始めたのです。
父はイングランドでは牧師という人々を導く仕事をしていました。
ですから昔ながらの考え方の信仰に改宗しない父との間で意見の対立を生み始めていました。
そしてその事により最悪な場合は命の危険すら感じ出す程激しいものに変わっていくのは時間の問題だと両親は思っていました。
両親の予感は的中してしまいます。
父の友人が熱心な信仰から「悪魔」だと言われたのです。それから町の中で磔にされて家族全員【火あぶり】にされ生きながら焼き殺されました。
この悲惨な仲間の死から父は信仰を続ける為にある決断をしたのです。
それは移民でした。
移民とは遠く離れた異国の地に移り住むことです。
海の向こうの彼の地はアメリカ大陸にあるニューイングランドという新大陸の地名です。
ニューイングランドには私達みたいに信仰心から迫害された人達が故郷を捨て作った町が沢山あるということでしたので、父の選択で移住を決めたのです。
私達の信仰では家長である父の判断は絶対でしたので母は黙って荷造りして夜逃げするかのように荷馬車で港に向かいました。
港に着くと私達と同じ境遇の家族が何十組と新天地での生活に希望と不安を持って長い航海に出発をしたのです。
当初の予定では新大陸までは30日程の船旅で着くと言われていましたが、実際はその3倍近くの87日かかりました。
日数がかかった大きな理由は船の動力源で予想以上に風向きが悪く無風の日も多かったからです。あとは嵐に見舞われたり、船内に疫病が蔓延したりと予期せぬ出来事が度々起こったからです。
最後の方は水も食糧も底をつき、あと何日か到着が遅れたら全員飢餓で死んでいたと思います。
それは、それは過酷な船旅で赤ん坊だった弟は60日目に母の乳がずっと出なくて栄養不足から病にかかり、数日後に息を引き取りました。
そして弟の亡骸を海に流してる途中に家族で神様に「どうして、主はこのような試練を私たちにお与えになられるのですか。信仰心が、足りないとおっしゃるのか」と天に向かって恨み事を言ってしまいお祈りした次第です。
それでも私達家族は恵まれていた方でした。
新大陸に着いた時には一緒に旅をしてきた家族の何組かは家長が病気や飢えで亡くなり途方にくれてる人達も大勢いたからです。
父である家長が亡くなるのは新大陸において死活問題で、特に私達の信仰においてはジョセフ=男が中心でマリア=女は家長を支える教えですから尚更でした。そういった家長を失うという不幸に見舞われた家族がこの先どうなるのか? などと両親が食事の時に話をしていましたが、その日の宿代に困るほど逼迫して全財産のほとんどを注ぎ込んだ私達にはなす術もなく、ただ新天地で良い人に巡り合うか、暮らしていけるだけの職業に就ける事を神様にお祈りしてあげる事しか出来ませんでした。
私達は質素な宿で一晩を過ごすと、次の日には沢山ある入植地の一つだったヴァージニアという町を目指して出発しました。
馬車代を得る為に故郷から持ってきていた金の燭台を母には内緒で売り当面の資金に父はしたようです。
宿で三日間旅の疲れを取ってから私達は新天地のヴァージニアに向かいました。ヴァージニアまでは港から馬車で半日ほどの距離でした。
ヴァージニアに着いてからは、この地のリーダーである牧師さんのところに挨拶に行き、町の近くに住居を借りました。
諸々の費用は母のアクセサリーなど金目の物を父が母に黙って売却しました。
得たお金で新生活の為の土地や家や家畜等最低限必要な物を買い揃えたのです。
そうして私達は新生活を始めたのですが……。
ヴァージニアに移り住んで1年が経った頃。
私達家族はとても飢えていました。
理由は私達の所有している土地がとても痩せた大地で農作物が育つには不向きだったからです。
それは土地が痩せているだけの問題だけではなく気候的にも温暖とはいい難く1年の半分以上がとても寒く農作物には適さないとすぐに分かりました。それでも工夫して肥料を入れたのですが種を蒔いても芽さえ出ない事も多く、出ても大きくなる前に枯れてしまいました。
そのような不作は我が家だけの問題ではなく、他所の家族も同じような状態ですが、農作物が取れない分、男手が狩りに出て鹿やウサギ等を捕まえて補っていました。
ですが、我が家の男手で家長の父は狩猟が昔から苦手で食卓を賑わす事はほとんどありません。
最初の頃は母も父に遠慮して、食卓が質素過ぎて家族の者が満足に胃袋を満たす事が出来なくても神様の与えられた試練だと思い食事前のお祈りも父に畏まり、皆で食卓を囲む事が出来る幸せを神様に感謝していました。
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