夢追人と時の審判者!(四沙門果の修行者、八度の転生からの〜聖者の末路・浄土はどこ〜)

一竿満月

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暗中飛躍

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 吾輩はご主人と一緒に伊勢国飯野郡宮田村に戻った。
 そして、『酒が欲しい。 酒!』とご主人に言った。
 すると、ご主人が「酒の原料は?」 米から日本酒、葡萄からワイン。
「そうだ、聚楽第の葡萄を育てた苗がある」と言ったので思い出した。
 ワインは吾輩が葡萄を口に含んで、天界に行って酒解神(さかとけのかみ)に頼めば大丈夫。
 後は葡萄を潰して醗酵させるだけ。
 そのことをご主人に話すと…… 黙って頷き、そしてご主人はそのまま村に葡萄畑を作った。
 ご主人は先日、爺様からの手紙を読んでから、黙々と野菜作りを研究している。
 どうも、秀吉の小さく瘦せこけた顔から、飛び出すかのような両目が異様に見え、身体も細く瘦せ衰えてきた様子から、そう長くは持たないと心配する内容だったようだ。
 文禄三年四月一日に太閤秀吉が入京し京都所司代の前田玄以邸宅を訪問して、石川五右衛門について詰問した。
 四月十五日に太閤秀吉が大坂城で小便を漏らす。
 四月二十二日に太閤秀吉が目の治療のために摂津国有馬に湯治中の京極竜子へ療養についての指示を与え、全快の折は秀吉自身か孝蔵主が迎えに行く予定を通知した。
 四月二十四日に太閤秀吉が摂津国有馬湯治中の京極竜子より返事の手紙が届いたので、早速その返事を送付。
 四月二十八日に関白秀次が聚楽第より大坂城に登城し、本丸において太閤秀吉に謁見、ついで秀吉と共に二之丸の豊臣秀頼と対面し、秀次は太閤秀吉父子・北政所・淀殿にそれぞれ進物を贈呈した。
 この頃に太閤秀吉が摂津国有馬湯山の御所坊・池坊・二ノ湯の三軒を新御殿とする。
 四月二十九日に太閤秀吉、摂津国有馬に湯治のため赴く。
 同日に徳川家康が摂津国有馬湯治に赴いた太閤秀吉への見舞いとして平岩親吉を派遣した。
 四月末日に金森長近、足の不調を訴えた太閤秀吉を新館から湯屋まで背負う。

■■■■…………
 日本軍の先鋒武将で外交担当でもありながら、開戦当初から早くも和平の道を模索して、命がけで早期和平に持ち込もうとしたキリシタン大名の小西行長が秀吉と明国との間に入って双方に偽の国書を送ったことはこれは侵略が到底不可能であることを熟知していた行長が、何としてでも和平により明国と高麗との外交や貿易を復活させようと思っていたからですが、行長の次に高麗に上陸した加藤清正が、秀吉からの命令通りに他の都市を破壊しまくり、何と行長が高麗国王に宛てた手紙を託した武将を殺してしまった。
 こうなると高麗国王の行長に対する信用は一気に地に堕ちましたので、以後しばらく行長ははなかなか和平交渉のきっかけをつかむことが出来なくなってしまいます。
 もちろん清正も、行長がしようとしたことをあらかじめ分かった上での行動だった訳ですが、肥後国を南北で分け合った形で治めていた大名である両者は、元々そりが合わなかった。
 それに、清正は血縁である主君秀吉の意向に素直に従った部分と、元来の土地本位である農本主義でしたから、商業や貿易により国家を富ませていこうとする行長や三成が支持する重商主義には非常に批判的だった。
 当時の世界はいわゆる大航海時代も後半を迎えており、スペインがかつて飛躍的に台頭したような植民地拡大政策は、かえって本国に多大な負担を及ぼすような時代に推移していく転換点にありました。植民地に侵攻してそこの人間を服従させて虐げながら酷使するようなやり方よりも、海外のポイントとなる地点に貿易拠点を置いて貿易により利益を上げていく重商主義の方向性を採用したイギリス・オランダが台頭しつつあったのです。そんな海外事情を行長は熟知していたわけですから、行長は豊臣政権の中で最も視野の広い見識を持っており、当然高麗出兵による土地拡大政策が失敗に終わることも充分予測していた。
 だからこそ行長は出兵当初から和睦交渉を準備し、三成ら三奉行が戦況を見に高麗に来訪した時も、この戦が到底継続できないことを三成に訴えた。
 行長の的確な情勢判断と、それに沿った新たな政権構想(外交と交易を主軸に置く重商主義)に共感した三成は、その時から二人で秀吉を騙してでもこの高麗出兵を早期に終結させることに尽力していた。

□□□□…………石田三成
 このままでは太閤なき後の立場が危ういと、早期に撤収して茶々様・拾様に取入ろうと思っている。
三成は近江国坂田郡石田村に、この地の土豪・石田正継の三男として誕生し、幼名は佐吉(さきち)と呼ばれた。
 三成は、武将として戦ったのは少しで、彼はもっぱら、裏方に徹していた。
 戦の裏方で、兵一人に対し必要な兵糧や弾薬の量を細かく計算して、運ばせるのが三成の主な役目で、戦うこと自体も大切ですが、しかしそれを支える食料や武器の補給がなくては、戦い続けることはできません。
 兵站の管理という役割というのは、ある意味、戦うこと以上に重要だったわけで、そのことを、さすが天下人、秀吉はわかって眼をかけていた。
 そして天正十九年に秀吉は三成に近江佐和山十九万石の領地を与えました。
後に「三成に過ぎたるもの」のひとつとして挙げられる佐和山城は、畿内と東国の交通の要衝でした。
 戦では裏方を務める一方、平時には三成は奉行職にありました。
 奉行は政務を執り行う役職であり、大谷吉継(おおたによしつぐ)や増田長盛(ましたながもり)ら五奉行の筆頭として共に、三成は日々政務に励んだ。
 また、秀吉が行った検地の奉行や島津家の取次なども務めました。
 しかし、主に後方で補給を担当していた三成は、前線で戦う武将たちとはどうもウマが合いませんでした。もともと融通が利かないところもあり、面白みがないと言えばない人物だったので…情に訴えれば動く前線の武闘派たちには、本当に嫌な奴と思われていた。
 高麗出兵の時には、総奉行として、現地軍と日本にいる秀吉の連絡役や、後に講和交渉役を務めた三成ですが、小西行長と二人で秀吉を騙してでもこの高麗出兵を早期に終結させることに尽力していたのに、加藤清正はひとり快進撃を続け、大陸奥地まで突っ走りましたが、それは組織としては問題でした。
 また、高麗出兵自体が無益だと考えていた三成は、兵や兵糧の消耗を避けるため早く撤収したいところでもあったんです。けれど清正はとにかく結果を出したいから攻め続けたい…と、ことごとく考えが相容れなかった。
 そんなことがあり、三成は秀吉に「清正が和睦の邪魔をして困ります」という報告をし、これに怒った秀吉は清正を帰国させ、謹慎処分を下すように仕向けた。
 そして、佐和山の上に、本丸・二の丸・三の丸・西の丸の城郭を築き、琵琶湖の湖岸の松原に島左近を始め、家臣の屋敷が構えられた。
 
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