夢追人と時の審判者!(四沙門果の修行者、八度の転生からの〜聖者の末路・浄土はどこ〜)

一竿満月

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冥銭赤鬼

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 吾輩のご主人様がいつになっても日本に戻ってこない……あ~~ぁ饅頭食いてぇ~~。 
 四月十八日に秀吉が秀頼と共に御所に参内して白銀・白鳥を献上し、秀頼には中納言任官の推挙されたため、上杉景勝と毛利輝元が権中納言を辞退させて。
 四月二十日に羽柴秀頼と、前田利長が権中納言に叙任され、秀頼が従二位に、利勝を従三位に昇進させることにした。
 四月二十九日に徳川家康が細川藤孝へ羽柴秀吉が「不例」(病)により摂津国有馬湯治が延期になった旨を通知した。

 醍醐の花見のひと月ほど前から、太閤殿下は咳をすることもなくなり、元気になった。病気は完治したものであると思っていた。
 なので、花見の後暫くして太閤殿下が突然倒れたという話を聞いたときは、とにかく驚いた。
 朝、伏見城で兵たちの訓練を見学していたところ、倒れてしまったらしい。死んではいないようだが、意識を失ってしまったようだ。
 原因は不明。太閤殿下はすぐに京屋敷へと運ばれ、都にいる曲直瀬玄朔を呼び治療にあたらせた。

□□□□…………真田幸村

「太閤殿下は大丈夫なのか? 助かるのか?」

 私は曲直瀬玄朔に、太閤殿下の容体を尋ねた。
 目の前には布団で横になっている太閤殿下がいる。

「今のところ命に別状はありませんが……かなりの高熱があるみたいですね。うーんこれは……ちょっと前まで太閤殿下は体調を崩されておりましたよね……長い風邪だと思っていましたが、治ったみたいで安心していたのですが……どうやらこれは……」

 曲直瀬玄朔は少し暗い顔で呟く。

「太閤殿下の病気は治っていなかったのか?」

「ええ、恐らく太閤殿下は腹肉腫(大腸癌)という少し珍しい病にかかっております。何が原因で病になるのか分からない謎の病気です。人に移ることはありません。一度かかると、早期のものは無症状ですが、進行すると症状が出現することがあります。代表的な症状としては血便、排便習慣の変化(便秘、下痢)、便が細くなる、残便感、貧血、腹痛、嘔吐などです。腹肉腫の位置により出やすい症状は異なるとされており、硬い便が通る下行結腸や直腸の肉腫では便の通りが悪くなることによる腹痛、嘔吐が起こりやすいとされ、血便や便の狭小化も認めやすくなります。
 一方で熱が出たり便がまだ水様で固まりきっていない盲腸、上行結腸、横行結腸に出来る腹肉腫では進行しても腹部症状が目立たないことが多く、貧血や腹部のしこりと言った症状で発見されることがあります。そして、最終的に死に至る事もあります」

 腹肉腫とは聞いたことない名前の病気である。
 まあ、私は病気に詳しくはなかったので、もしかしたら知らないだけで似たような病気があったのかもしれないが。

「治るのかその病気は?」

「治す薬はありません。自然に治るのを待つしかありませんが、ほとんどの場合、治らずに半年以内に死んでしまうようです。太閤殿下は常人より丈夫ですので、普通の人より長く生き残る可能性は高いと思いますが……」

「……」
 死ぬ。

 太閤殿下は死んでしまうのか?
 私は激しく動揺した。
 いずれその時が来るとは思っていたが、いくらなんでも早過ぎはしないだろうか。

「とにかく、一度にたくさん食べすぎないようにして、一日三食に分け、規則正しく食事を摂ること。
 ゆっくりよく噛んで食べ、一回の食事を半時程かけること。
 消化の良い食品を中心に摂り、消化の悪い食品や食物繊維の多い食品は、腸閉塞を引き起こす可能性があるので控えること。
 肉類や魚類、大豆製品、卵、乳製品などは栄養価が高いため消化の良い食品を中心に毎食取り入れる。
 豆類やさつま芋などおならが発生しやすい食品や、唐辛子など刺激が強い食品を控える。
 酒は、ほどほどにすること。
 絶対に安静にしておけば、まだ持ち直す可能性もあります。太閤殿下は働き者であられますが、働こうとされても絶対に周りが止めて、寝かせておいてください。そうすればもしかしたら、死なずに済むかもしれません」

 曲直瀬玄朔は、精のつく食べ物を教えてくれたり、薬草を煎じたりしてくれたあと、帰っていった。
 安静にしていれば治るかもしれない、か。
 きっと治るだろう。
 太閤殿下は誰よりも丈夫な体を持っている。病などには負けたりしないはずだ。
 最近は、高麗との戦も意外と少なくなってきた。

 嫡男虎熊と一緒に死ぬかと思われていた加藤清正が、奇跡的に復活して高麗に渡海し、南下する連合軍の進行を止めたからだ。ちなみに、実弟の百助を養子にして後継に指名したというのは、本当のことであるらしい。
 ただ、側室の本覚院が懐妊したため、実弟を跡継ぎに指名して、荒れそうだと思ったのか一度白紙に戻した。もう少し家臣や本人と、長い議論を交わした上で、改めて決めると結論を出したらしい。
 とにかくそのおかげで、国内の戦は現状少なくなっている。戦がなければ、太閤殿下も安静にしていてくれるはずだ。私はそう思っていたのだが……

 その日の夜、花見の前日に亡くなった承禎(六角義賢)殿の死因が毒による暗殺だという……。時期的にこの上なく悪い報告を受けた。

 その翌日、太閤殿下は目を覚ました。
 目覚めたはいいが、あまり元気ではなさそうだった。気怠そうにしていて、熱もまだ下がっていない。病気のことは全部は伝えるとショックを与えるかもしれないので、死ぬ可能性があるということは、現在は伏せておいて、とにかく安静にしているようにと言った。

 本人もよほどきついのか、大人しく指示に従った。

「今の太閤殿下にあの事を伝えるのは、やめておいた方がいいかもしれませんね」

「そうだな……」

 私は治部(三成)と話し合って、太閤殿下に承禎が暗殺されたという件を伝えないことに決めた。
 余計な心労をかけて病気が悪化したら大変だからである。

「それで……豊臣家はこれからどうなると思う?」

 私はそう尋ねた。
 ちなみに今はいつも勉強をしている部屋に、石田三成とそれから大谷吉継を呼んで話し合いをしている。

 治部(三成)は当然として刑部(吉継)も、こういう話し合いでいい意見を言ってくれるようになっている。

「うーん、戦は間違いなく起こると思うな」

「やはりか」

「秀頼様はまだ幼い、今太閤殿下が亡くなれば、内府殿(家康)が必ず動くでしょ? 戦わないと決まらないな」

「刑部(吉継)もそう思うか」

「はい、戦は起こるでしょう」

 やはり、太閤殿下がこの時点で死んでしまったら、天下は動くと見て間違い無いだろう。
 太閤殿下は読み書きが不得手であり、それを補うべく耳学問の師として御伽衆を多く揃えた。その御伽衆の一人である承禎殿が暗殺された。
 承禎殿は都や近江の国、大名の情勢や地理など、実際的な情報を提供するのが役割だったが、特に元家臣の橘内(山中長俊)と協力して甲賀衆を使い徳川殿と伊賀衆の情報を進講したり、他家へ使者に立ったりするなどの役割が主となっていた。

「問題はいつ起こるかですがね。ただ死因が暗殺ということだけあって、すぐに戦い始める可能性はゼロにちかいでしょう」

「なるほど……しかし、こんな時期に暗殺されるなんて、誰が暗殺者を差し向けたんだ」

「承禎殿を殺したものは一度は捕らえたらしいのですが、情報を聞き出す前に自害したらしく、誰が黒幕かは謎のままです」

「内府殿が犯人なのか?」

「どうだろうね。あくまで現時点では、暗殺しても意味がない気がする。承禎殿が何か内府殿の秘密を知っったのか、誰かに打ち明けていて、それを内府殿が聞いていたという可能性もあるけど。あと、ほかの大名の刺客という可能性もある。承禎殿を殺せば甲賀衆が混乱するのは、目に見えていたからね。まあでも、外部から暗殺者を差し出して、暗殺を成功させるなんて、難易度がかなり高いから、それも違うかも知れない」

 外部犯の可能性ありか。

 どちらにせよ、暗殺者が死んでしまった以上、本当のことを知るのは難しいだろうな。

「犯人探しは考えても分からないし、分かったところでどうにもならないので、ここまでにしましょう。問題は戦が起こってから、どうするかです。太閤殿下はしばらく戦に出られるようなお体ではありません」

 治部(三成)と刑部(吉継)には、太閤殿下の診断結果を話してある。

「治部が兵を率いるわけにはいかないのか?」

「と、とんでもないですよ、そんなこと。確かに私は以前に比べて少しは戦えるかもしれませんが、豊臣家の人達にも受け入れられてきましたが、兵を率いるなんてのは無理です。秀頼様が行くしかありません。兵は豊臣家に忠誠を誓って戦っております。そのため、太閤殿下か秀頼様がいなくては、兵の士気が落ちてしまうのです」

 士気、か……やはり太閤殿下が戦場に出られない以上、秀頼様が行くしかないか。

 果たしてちゃんとやれるか疑問であるが、やれなければ豊臣家が滅んでしまう。やるしかないのである。

「まあ、戦う前に、恐らく内府殿から招集がかかるでしょうね。今後高麗の出兵と日本国全体として、どういう方針で行くのか、決めるための会議が行われるでしょう」

「それにも……秀頼様は出ない方がいいな」

「ええ、話し合いだけとはいえ、出るべきではないでしょう」

(うーん、会議となるとやはり治部殿が代表として出ざるを得ないだろうな……いきなり出てちゃんとやれるのだろうか……何というかいきなり問題が山積みになってきた……昨日までさほど忙しくなかったのに)
 私は思わず頭を抱える。

「が、頑張れ」

「刑部……やけに他人事だな……」

「え、えーと、秀頼様は私が全力で補佐をしますので。刑部も他人事みたいに思っていないで、ちゃんと治部の手助けをしなさい」

 大谷吉継は頷いた。

「それと承禎殿が死んだという情報は、太閤殿下にはこれから先ずっと一切伝えない方がいいか」

「そうですね……承禎殿が死んだことを伝えると、病気なのにはりきってしまわれるかもしれませんからね。曲直瀬玄朔に言われた通り、安静にしておられるなら、情報がバレることもないでしょうが。仮にバレたときは、かなり怒られるでしょうけどね」

「怒られるくらいなら安いものだ」

 太閤殿下は怒ると確かに怖いが、この状況でそれを怖がるわけにはいかないだろう。

「まずは内府殿から招集がかかるまでは、ある程度時間はあるだろう。それまで私は秀頼様へ戦の勉強や、剣術の稽古などをしておかなくてはな……」

「はい、教えることならお任せください」

 私は、しばらくの間、いつもより多めに秀頼様の勉強や稽古に励んだ。

 ◇◇◇◇

 三成から、至急伏見城へと来いという内容が書かれた書状が届いた。
 書状が届いてから私は伏見の町へ向かった。

 招集されたものは、岳父の刑部(吉継)と内記(小鳥遊政信)、その他、大老と奉行衆など立場の上の家臣たちだ。

 高齢の小鳥遊政信は行くべきか悩んだが、どうも戦場での活躍やその掴みどころのない性格から、他家の者から恐れられているらしい。彼を従わせているというところを見せることにより、他家から認められる可能性が高まるということで、招集を決めたらしい。

 ちなみに返答の手紙は出していないので、向こうは私が来ることを知らない。

 至急集まれと書状に書いてあったので、受け取ったあと、すぐに伏見に向かった。そのため、返信を出している時間などなかったからだ。
 伏見の町に到着し、城郭に囲まれた区画へと入る。
 その中を進み、城へと到着した。
 そこで門番に止められる。
「この先は伏見城。太閤殿下がお住まいになっている場所です。許可のないものを通すわけにはいきません」

 許可証などは貰っていない。
 どういうことだ?

 前田大納言(利家)殿など大老や奉行衆は顔が知られていますので、そのまま通る事が出来ましたが、大坂城詰めの多い左衛門佐(幸村)殿では厳しいかもと治部が言ってたのを思いだして……

「何と。通れないのか?」

 刑部(吉継)もそれなりに知られてはいるのですが、門番の人は知らないみたいですね。城から誰か重臣を呼んできて貰えば、通れると思います。

 私は治部(三成)のアドバイス通り、

「私は真田左衛門佐信繁。訳あって石田治部少輔三成殿の招集に応じてここに来た。疑うのなら一度城に私の話を伝えて、誰か重臣を連れてきて確認させてくれ。私は知らずとも家臣たちは知っているだろう」

 そう言った。

 門番は私の言葉を聞いて、少し困ったような表情になる。対応に戸惑っているみたいだ。外見的にまだ若いように見えるので、どうすればいいのか分からないのだろう。

 すると、少し年配の兵がやってきた。
 門番はその兵に事情を伝えると、その年配の兵がこちらを確認してきた。
 その瞬間、目を丸くして、

「あ、あれは! 信濃の赤い死神!!」
 そう叫んだ。
 内記を見ながら言っているようだ。

「冥銭赤鬼の前でその呼び方は……。昔のことゆえやめてほしいのぉ」

 不愉快そうな表情で小鳥遊政信は呟く。

 そんな物騒な二つ名がついていたのか。初めて聞いたぞ。

「そ、それにあっちの人は、神算鬼謀の鷹蝶ノ紋!」

 今度は刑部(吉継)を見てそういった。

「神算鬼謀なのか?」

「……いや……特別な謀を真似をした覚えは……まあ、戦場なので謀はしていますが。不本意な呼ばれ方ですね」

 刑部(吉継)も不満顔である。

 そのあと、二人を従えている私が真田幸村であると、分かってくれたみたいで、城の入り口まで案内してくれることになった。
 伏見城は新しい城で、大きな城ではなく小さめの城である。城と聞いてイメージする鉄壁の守りとは無縁の城であった。

 城の入り口まで行くと、若い男が入り口の前に立っていた。見るだけで高価と分かる衣装を着ている。徳川家の家臣だろうか。それも結構立場が上の。私たちを案内している兵士が、「少しお待ちください」と言って、その男に話しかけに行った。

 話をした後、その若い男が慌てて私たちの元に駆けて来て、

「太閤殿下がご病気になったとは本当ですか!?」と尋ねてきた。

「本当ですが、あなたは?」

「ああ、失礼しました。初めまして真田左衛門佐殿、私は徳川家、家臣の一人である、本多中務大輔忠勝の次男、本多平九郎でございます」

 やはりそうだったか。どこか父親に似ている。

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