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ボーンネルの開国譚
第六話 エピネール商会
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翌日、朝からクレースの家に来ていた。
目標に対して初めての一歩を踏み出せたような気がして少し興奮で胸がドキドキしている。
「本当に安心したよ、エルフのみんなが仲間になってくれて」
「まああたりまえだな。私から言わせればやっとジンの魅力に気づいたってところだ」
しかし朝から幸せそうな顔のクレースはその場に現れたトキワにより一気に現実へと引き戻される。
「チっ、お前が何のようだ」
「まあまあそう言うなって、今日はボルのやつもいるんだぞ」
ボルとはコッツと一緒に住んでいている人間だ。いつもぼぉーっとしていて、たまに何を考えているのかわからない節がある不思議な男だが、とても頼りになり心優しい人物である。
「ヨッ」
「ボルと一緒とは珍しいな、それで要件は」
「いやあ、コイツに国のこと相談してたら資金はどうするんだって言われてな。何かいい考えがあるらしいぜ」
「ボルも協力してくれるの? 嬉しいなあ」
「僕はジンに王様になってホシイ。ジンが王様ならたのシソウ」
「それで案というのは何だ」
「ざっくりいうと、エピネール国を潰して最終的に手にイレル。カネヲ。」
エピネール国はボーンネルの東に位置している国であり、主に暮らしている種族は人族である。商業で栄える一方、周辺諸国から「あそこの王族連中は無能だ」と言われ、つけられた名は『放置国家』 人口はボーンネルより多く、エピネール商会という大商会のおかげで辛うじて持ち堪えている国だった。
「エピネールを? どうやってだ」
「エピネールの貴族階級のやつは中央教会を後ろ盾にしてエピネール商会に圧力かけてると言われテイル。でもそれはウソ。僕がちょっと調べただけでワカッタ。勝手に言ってルダケ」
「嘘だと? つまりエピネールには何の後ろ盾もないということか?」
「少なくとも中央教会はエピネールの後ろ盾にはなってイナイ。だけど誰も知らないから、エピネールの上のヤツは国民からの重税ととエピネール商会を脅して得たお金でウハウハ」
「なら王族だけなんとかしてエピネール紹介の人に協力してもらえれば」
「ああ、それに国民の重税も撤廃すればエピネールも巻き込んで商業を発展させられるな。ついでにブタ共の金銀財宝を得られれば一石二鳥だ」
「まあ、そうサクサクいくかってのが問題だな。流石に無策で突っ込むのは無理がある」
「まずは情報収集だね。インフォルを探してくるよ」
「待てジン。私を置いていくでない」
「わっ、わかったてば。はなしてよ」
そうしてトキワとボルを置き去りにしたまま二人は外に出る。
インフォルは基本的に地下に住んでいるが、決まった場所にずっと止まることはまずない。そのため地中にいるインフォルを探そうとしてもまず見つからない。ただ一人例外を除いて······
「インフォルー、よし。いないなあ」
次の瞬間、広場の近くで轟音が響き渡った。
外に出たクレースが威雷を地面に突き刺したのだ。
するとすぐさま一匹のモグラが大慌てで地面から出てきた。
「クレースはんっ! またあんたかいな! あんたはワイの家何個壊すねんッ!!」
クレースやジンはインフォルが拠点にしている場所の大体を把握しているのだ。そのためクレースはインフォルを探すのが面倒な際はこの手を使う。インフォルが家の場所を変えればいいのだが訳あってジンの家の近くに拠点を置いてるのだ。
「いちいちうるさいヤツだな。おまえが地下にいるからだろ」
クレースはインフォルにびっくりな理不尽発言をした。
インフォルからすれば、ただ住処である地下に住んでいるだけなのだ。
「せやかてクレースはん······あーもうええわ。それで要件は?」
インフォルは半ば諦めたように聞いてきた。
「隣のエピネール国について調べてもらいたいんだ。具体的にはエピネールの王族になにか強力な後ろ盾があるか、他にも何かあったら教えて」
「ジンちゃんがいうなら喜んで調べるで。まあいくらか時間はかかるやろうけど任せとき」
「わかった。じゃあ頼むね、気をつけて」
ジンはそう笑顔でいうとクレースと一緒にインフォルを見送った。
***********************************
その後クレースとは一度分かれてガルと一緒にゼフじいの鍛冶場に入っていった。
ゼフじいと話したいのとボルの案を伝えにいくためだ。
「ガッハッハ。また面白いことを考えついたな、ジン」
静かだった鍛冶場にゼフの大きな笑い声が響き渡る。
「ボルが考えてくれたんだけどね。それでゼフじいはどう思う?」
「ワシはいい考えだと思うぞ。ただ油断はするなよ。エピネールには有名な魔法使いがおるとは聞いたことがある」
「うん、気をつける」
ガルは「バウっ」とゼフに嬉しそうに吠えた。
「じゃあ私たちこれからエルフのみんなに会いにシュレールの森に行ってくるね」
そう言ってジンとガルはシュレールの森に向かう。
着くとすぐに先程分かれたクレースがリンギル達と話している姿が目に入ってきた。
「なるほど。ではエピネールの国の資金源を断ってボーンネル領と合併させるということですね」
「ああ、ざっくり言えばそんな感じだ。それでどう思う」
「確かにエピネールは国王がいますけれども、実際に治めているような感じはないですわね。以前エピネールに行きましたけれど、城下町の建物もそれほど煌びやかでないわりに城だけ無駄に豪華でしたわ」
「やはりな、少しつつけば国は壊れるだろう」
「おーい、みんなー!」
クレースはジンを見るなり目を輝かせて抱きつき頬擦りする。
「ああ、ジン今日もかわいいなあ私に会いに来たのか?」
ガルはやれやれと言った顔である。
「ち、違うよ。エルフのみんなに挨拶とエピネールの件を話そうと思って」
「ああ、それならちょうど今話をしていたところだ」
「とはいうものの、貴族どもがおいそれと国や財宝を渡すとは考えられない
何かしらの抵抗はしてくるだろうなあ」
「クレース、私とエピネールの国の様子を見に行かない?何かわかるかもしれないしさ」
「なるほど、ジンと隣国でデートかそれはいいな是非行こう。今から行こうっ」
クレースは興奮気味にそういうと優しく手を握ってきた。
「では我らは森で警備をしておく。またいつ魔物が出るかわからないのでな」
「うん、じゃあ行ってくるね」
そうしてエピネール国へと向かうためすぐにシュレールの森を後にした。
***********************************
「でもエピネールまで結構距離あるしどうしよっかな~」
そうわざとらしくクレースに言ってみた。
その言葉を聞いてクレースはニヤリと笑う。
「可愛いなぁ。ほら私にしっかりつかまっておけ」
ガルを抱きかかえるとそのままクレースにお姫様抱っこをされる。
心の準備をする前に地面はひび割れ、風を感じた。
クレースがその場から消えた途端、遅れたように音が聞こえてくる。
今はインフォルが留守にしてくれて助かった。
クレースは目にも止まらぬスピードでエピネールの方角へと向かう。これが急いでいるときの最速の移動手段なのだ。クレースは走っている途中も私とガルに強烈な風圧が来ないように配慮してくれる。そのおかげで快適にクレース号のドライブを楽しめるのだ。
通常エピネールは、ボーンネルから歩いても丸一日はかかる。
しかしジンたちはものの一時間ほどで着いてしまった。そして近づくにつれて何人か人の姿が見えてきた。
エピネール国の入り口では検問所が設置されていたのだ。
「やっぱり検問があるね。武器を持ってたら入れてくれないかな?」
インフォルは地下を通ったため検問所は難なく通ったのだ。
「いいや、通行人がいない間に見回りのやつを眠らせよう」
しばらく待つと検問所を通る人がいなくなった。その間にクレースは魔法で見回り兵を眠らせる。
「ざるだな。誰でも入れる」
「えへへ、なんだか申し訳ないなぁ」
こうしてジンたちは問題なくエピネールに入国した。
検問所を潜り中に入ると、街路を歩く人々の姿が目立ちある程度は活気が見られる。
しかしルースのいった通り、建物自体は平凡なものであった。
「······何か聞こえない?」
「だな」
少し城下町を歩いていると何やら慌ただしい声が聞こえてきた。
「この貧民めがっ 余を誰と心得る! 余は最高位の公爵家であるぞっ!!」
「ご、ごめんなさい」
どうやら女の子が貴族の歩いている前に立っていたのを貴族は激怒したようだ。こう言う場所ではわりと見かける光景だ。
「お前如きの愚民が余の道を遮るでないわ! 喜べ、誇り高き余の奴隷として一生こき使ってやるわ!!」
「ど、どうかお許しくださいベルベット様! わざとではないのです、どうかご慈悲をッ!!」
どうやら女の子の父親のようだった。
あたりには野次馬が集まっており、悔しがるものの誰もが口を出せずにいた。
「何をいう。このベルべットの奴隷にしてやろうと言っているのだぞ。光栄に思うが良いわッ」
貴族はそう言って気持ちの悪い高笑いをすると父親を蹴り飛ばして女の子を掴もうとする。
『雷震流、遠雷の煌』
しかしその直前、貴族の腕に稲光が走りボトッと地面に何かが落ちる音がした。
「うぅ、腕がぁ、余の腕がぁ!」
クレースが貴族の右腕を切り落としたのだ。
「だ、誰かそいつをひっとらえよっ。即刻打首にするのだぁ! 余は公爵家のベルベットであるぞぉ!!」
貴族はクレースの方を確認すると強く睨んで言い放った。
この国で貴族、それも公爵家に逆らうことは自殺行為である。
しかしクレースにそんなことなど関係なかった。
「ベルベット? 知らんわ、気色の悪い名前だな。さっさとくたばれ肉片が」
「肉っ!?」
あまりの失礼さにベルベットはその場で固まった。
ベルベットについていた衛兵はいつの間にかクレースの圧に蹴落とされて尻餅をついている。
この状況で貴族の立場は無意味でありクレースに逆らえるものなどいなかったのだ。
「やっやりすぎだよ、クレース。女の子は無事なんだからさ、騒ぎになる前にどこかにいこ」
「····分かった」
「ありがとう! お姉さんっ」
女の子と父親は二人に丁寧にお礼をした。
そうして父親に治癒魔法をかけるとその場から離れていった。
「まったく、あいつはなんだ。自分のことを神様とでも思っているのか」
「国の人たちは貴族には逆らえない感じだったし、やっぱり貴族には中央教会の後ろ盾があると信じ切っているみたいだね」
ガルも二人の意見に首を降って頷く。
「ちょっといいか? さっき貴族の野郎をスカッとやってくれたのはそちらの獣人さんだな?」
話をしているジンたちに人間の男が話しかけてきた。
「そうだが、なにか用か?」
ジンより少し年上くらいの青年は、その言葉を聞いて嬉しそうに笑った。
「ああ、俺はヴァンってんだ。このエピネールで商人をやっている。さっきはスカッとしたぜ、ありがとな。それでいきなりなんだが、あんたたちの強さを見込んで頼みがあるんだ」
「すまんがこちらもやることがある」
「クレース、少しならいいでしょ」
「······いいぞ」
「すまん、ありがとな。まあざっくりいったら······この国を乗っ取ってくれねえか?」
突然の言葉に二人は「えっ」となった。
「商人をやってるからだろうなあ、わかるんだよ。見たやつの人となりってやつが。お前たちは悪いやつじゃないってさ。他人のために動けるやつってのは、きっと身近な奴にも優しくできるんだ。俺みたくあと先のこと考えて動けないでいたやつとは違う」
「何を言っている。そんなことしなくても考える前に動けばいいだけだろう。その結果何が起こっても、私がなんとかしてやる」
「······かっけえな、あんた」
ヴァンはそう言って苦笑いした。
「それでこの国のことなんだけど、ここにはもともと中央教会の後ろ盾なんてないんだ」
「へっ? まじで?」
ジンの言葉にヴァンは呆気に取られたように返事する。
「うん。だから一緒に救おうよ、この国を。私たちは初めからその気だよ」
「へっ、面白えじゃねえか。このヴァン・クルーレン何でも協力するぜ」
こうしてジンたちはヴァンという協力者を得たのであった。
あたりは少し暗くなっていたのでジンたちは一度ヴァンと別れ、今日はエピネールの宿に泊まることにした。
「あんたちは、今日貴族の腕を切った人かい?」
宿を取ろうとしていると、受付の女性がクレースにそう言ってきた。
「ああ、そうだが何か問題か?」
「いいや、滅相もない。ただとてもスッキリしたよ。みんなどうかしたくてもできなかったからね。宿代は結構だよ、ゆっくりしていきな」
「さすがクレース」
「それで部屋の方はひとつでよかったかい?」
「ああ、ぜひ一つにしてくれ、是非! ベッドは大きく丈夫なもので頼む」
「はいよ」
クレースは興奮気味に言って部屋を予約した。
部屋に荷物を置くと疲れていたためジン、ガル、クレースたちは仲良く宿にある温泉に入っていた。
(ジンとお風呂か!······やった!!)
クレースは冷静に振る舞おうとしていたがさっきからジンのことをずっと真っ赤な顔で照れながら見ている。
「どうしたの?」
そういえば、クレースとお風呂に入るのは何気に久しぶりだ。
たまに家まで入りに来るけど最近は色々とあって入れていなかった。
「お、おいで。寒いだろ」
「うん。顔赤いよ、大丈夫?」
そんな二人をよそにガルは気持ちよさそうに湯船に浮かんでいた。
「へへへぇ」
しばらくジンを抱きしめてクレースは幸せなジンとのお風呂タイムをのぼせるまで過ごしたのであった。
お風呂を上がるとジンたちは予約していた大きなベッドに座ってゆっくりした。
「ヴァンは商人と言っていたからな、多少なりとも情報網があるだろう。あいつ経由で情報をばら撒けばいずれ上のブタどもの耳にも届くだろう」
「うゅ、しょうだね」
クレースはジンを自分の胸で強く抱きしめていた。
「はにゃにてくれない?」
「こんなに可愛いいきものを離してたまるか」
お風呂からずっとジンを離さないままだった。
クレースの拘束から何とか抜けベッドで横になる。
「あぁ、何て可愛いんだ。流石私の妹だなぁ」
「いもぅとじゃないってば」
ガルを抱きかかえて横になるとクレースが後ろから抱きしめてきた。
クレースの胸部は大きいので強く抱きしめられると窒息しかねないほどだ。
(ね、寝にくい)
その夜は若干の苦しさを感じつつフカフカのベッドで眠りをついたのだ。
目標に対して初めての一歩を踏み出せたような気がして少し興奮で胸がドキドキしている。
「本当に安心したよ、エルフのみんなが仲間になってくれて」
「まああたりまえだな。私から言わせればやっとジンの魅力に気づいたってところだ」
しかし朝から幸せそうな顔のクレースはその場に現れたトキワにより一気に現実へと引き戻される。
「チっ、お前が何のようだ」
「まあまあそう言うなって、今日はボルのやつもいるんだぞ」
ボルとはコッツと一緒に住んでいている人間だ。いつもぼぉーっとしていて、たまに何を考えているのかわからない節がある不思議な男だが、とても頼りになり心優しい人物である。
「ヨッ」
「ボルと一緒とは珍しいな、それで要件は」
「いやあ、コイツに国のこと相談してたら資金はどうするんだって言われてな。何かいい考えがあるらしいぜ」
「ボルも協力してくれるの? 嬉しいなあ」
「僕はジンに王様になってホシイ。ジンが王様ならたのシソウ」
「それで案というのは何だ」
「ざっくりいうと、エピネール国を潰して最終的に手にイレル。カネヲ。」
エピネール国はボーンネルの東に位置している国であり、主に暮らしている種族は人族である。商業で栄える一方、周辺諸国から「あそこの王族連中は無能だ」と言われ、つけられた名は『放置国家』 人口はボーンネルより多く、エピネール商会という大商会のおかげで辛うじて持ち堪えている国だった。
「エピネールを? どうやってだ」
「エピネールの貴族階級のやつは中央教会を後ろ盾にしてエピネール商会に圧力かけてると言われテイル。でもそれはウソ。僕がちょっと調べただけでワカッタ。勝手に言ってルダケ」
「嘘だと? つまりエピネールには何の後ろ盾もないということか?」
「少なくとも中央教会はエピネールの後ろ盾にはなってイナイ。だけど誰も知らないから、エピネールの上のヤツは国民からの重税ととエピネール商会を脅して得たお金でウハウハ」
「なら王族だけなんとかしてエピネール紹介の人に協力してもらえれば」
「ああ、それに国民の重税も撤廃すればエピネールも巻き込んで商業を発展させられるな。ついでにブタ共の金銀財宝を得られれば一石二鳥だ」
「まあ、そうサクサクいくかってのが問題だな。流石に無策で突っ込むのは無理がある」
「まずは情報収集だね。インフォルを探してくるよ」
「待てジン。私を置いていくでない」
「わっ、わかったてば。はなしてよ」
そうしてトキワとボルを置き去りにしたまま二人は外に出る。
インフォルは基本的に地下に住んでいるが、決まった場所にずっと止まることはまずない。そのため地中にいるインフォルを探そうとしてもまず見つからない。ただ一人例外を除いて······
「インフォルー、よし。いないなあ」
次の瞬間、広場の近くで轟音が響き渡った。
外に出たクレースが威雷を地面に突き刺したのだ。
するとすぐさま一匹のモグラが大慌てで地面から出てきた。
「クレースはんっ! またあんたかいな! あんたはワイの家何個壊すねんッ!!」
クレースやジンはインフォルが拠点にしている場所の大体を把握しているのだ。そのためクレースはインフォルを探すのが面倒な際はこの手を使う。インフォルが家の場所を変えればいいのだが訳あってジンの家の近くに拠点を置いてるのだ。
「いちいちうるさいヤツだな。おまえが地下にいるからだろ」
クレースはインフォルにびっくりな理不尽発言をした。
インフォルからすれば、ただ住処である地下に住んでいるだけなのだ。
「せやかてクレースはん······あーもうええわ。それで要件は?」
インフォルは半ば諦めたように聞いてきた。
「隣のエピネール国について調べてもらいたいんだ。具体的にはエピネールの王族になにか強力な後ろ盾があるか、他にも何かあったら教えて」
「ジンちゃんがいうなら喜んで調べるで。まあいくらか時間はかかるやろうけど任せとき」
「わかった。じゃあ頼むね、気をつけて」
ジンはそう笑顔でいうとクレースと一緒にインフォルを見送った。
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その後クレースとは一度分かれてガルと一緒にゼフじいの鍛冶場に入っていった。
ゼフじいと話したいのとボルの案を伝えにいくためだ。
「ガッハッハ。また面白いことを考えついたな、ジン」
静かだった鍛冶場にゼフの大きな笑い声が響き渡る。
「ボルが考えてくれたんだけどね。それでゼフじいはどう思う?」
「ワシはいい考えだと思うぞ。ただ油断はするなよ。エピネールには有名な魔法使いがおるとは聞いたことがある」
「うん、気をつける」
ガルは「バウっ」とゼフに嬉しそうに吠えた。
「じゃあ私たちこれからエルフのみんなに会いにシュレールの森に行ってくるね」
そう言ってジンとガルはシュレールの森に向かう。
着くとすぐに先程分かれたクレースがリンギル達と話している姿が目に入ってきた。
「なるほど。ではエピネールの国の資金源を断ってボーンネル領と合併させるということですね」
「ああ、ざっくり言えばそんな感じだ。それでどう思う」
「確かにエピネールは国王がいますけれども、実際に治めているような感じはないですわね。以前エピネールに行きましたけれど、城下町の建物もそれほど煌びやかでないわりに城だけ無駄に豪華でしたわ」
「やはりな、少しつつけば国は壊れるだろう」
「おーい、みんなー!」
クレースはジンを見るなり目を輝かせて抱きつき頬擦りする。
「ああ、ジン今日もかわいいなあ私に会いに来たのか?」
ガルはやれやれと言った顔である。
「ち、違うよ。エルフのみんなに挨拶とエピネールの件を話そうと思って」
「ああ、それならちょうど今話をしていたところだ」
「とはいうものの、貴族どもがおいそれと国や財宝を渡すとは考えられない
何かしらの抵抗はしてくるだろうなあ」
「クレース、私とエピネールの国の様子を見に行かない?何かわかるかもしれないしさ」
「なるほど、ジンと隣国でデートかそれはいいな是非行こう。今から行こうっ」
クレースは興奮気味にそういうと優しく手を握ってきた。
「では我らは森で警備をしておく。またいつ魔物が出るかわからないのでな」
「うん、じゃあ行ってくるね」
そうしてエピネール国へと向かうためすぐにシュレールの森を後にした。
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「でもエピネールまで結構距離あるしどうしよっかな~」
そうわざとらしくクレースに言ってみた。
その言葉を聞いてクレースはニヤリと笑う。
「可愛いなぁ。ほら私にしっかりつかまっておけ」
ガルを抱きかかえるとそのままクレースにお姫様抱っこをされる。
心の準備をする前に地面はひび割れ、風を感じた。
クレースがその場から消えた途端、遅れたように音が聞こえてくる。
今はインフォルが留守にしてくれて助かった。
クレースは目にも止まらぬスピードでエピネールの方角へと向かう。これが急いでいるときの最速の移動手段なのだ。クレースは走っている途中も私とガルに強烈な風圧が来ないように配慮してくれる。そのおかげで快適にクレース号のドライブを楽しめるのだ。
通常エピネールは、ボーンネルから歩いても丸一日はかかる。
しかしジンたちはものの一時間ほどで着いてしまった。そして近づくにつれて何人か人の姿が見えてきた。
エピネール国の入り口では検問所が設置されていたのだ。
「やっぱり検問があるね。武器を持ってたら入れてくれないかな?」
インフォルは地下を通ったため検問所は難なく通ったのだ。
「いいや、通行人がいない間に見回りのやつを眠らせよう」
しばらく待つと検問所を通る人がいなくなった。その間にクレースは魔法で見回り兵を眠らせる。
「ざるだな。誰でも入れる」
「えへへ、なんだか申し訳ないなぁ」
こうしてジンたちは問題なくエピネールに入国した。
検問所を潜り中に入ると、街路を歩く人々の姿が目立ちある程度は活気が見られる。
しかしルースのいった通り、建物自体は平凡なものであった。
「······何か聞こえない?」
「だな」
少し城下町を歩いていると何やら慌ただしい声が聞こえてきた。
「この貧民めがっ 余を誰と心得る! 余は最高位の公爵家であるぞっ!!」
「ご、ごめんなさい」
どうやら女の子が貴族の歩いている前に立っていたのを貴族は激怒したようだ。こう言う場所ではわりと見かける光景だ。
「お前如きの愚民が余の道を遮るでないわ! 喜べ、誇り高き余の奴隷として一生こき使ってやるわ!!」
「ど、どうかお許しくださいベルベット様! わざとではないのです、どうかご慈悲をッ!!」
どうやら女の子の父親のようだった。
あたりには野次馬が集まっており、悔しがるものの誰もが口を出せずにいた。
「何をいう。このベルべットの奴隷にしてやろうと言っているのだぞ。光栄に思うが良いわッ」
貴族はそう言って気持ちの悪い高笑いをすると父親を蹴り飛ばして女の子を掴もうとする。
『雷震流、遠雷の煌』
しかしその直前、貴族の腕に稲光が走りボトッと地面に何かが落ちる音がした。
「うぅ、腕がぁ、余の腕がぁ!」
クレースが貴族の右腕を切り落としたのだ。
「だ、誰かそいつをひっとらえよっ。即刻打首にするのだぁ! 余は公爵家のベルベットであるぞぉ!!」
貴族はクレースの方を確認すると強く睨んで言い放った。
この国で貴族、それも公爵家に逆らうことは自殺行為である。
しかしクレースにそんなことなど関係なかった。
「ベルベット? 知らんわ、気色の悪い名前だな。さっさとくたばれ肉片が」
「肉っ!?」
あまりの失礼さにベルベットはその場で固まった。
ベルベットについていた衛兵はいつの間にかクレースの圧に蹴落とされて尻餅をついている。
この状況で貴族の立場は無意味でありクレースに逆らえるものなどいなかったのだ。
「やっやりすぎだよ、クレース。女の子は無事なんだからさ、騒ぎになる前にどこかにいこ」
「····分かった」
「ありがとう! お姉さんっ」
女の子と父親は二人に丁寧にお礼をした。
そうして父親に治癒魔法をかけるとその場から離れていった。
「まったく、あいつはなんだ。自分のことを神様とでも思っているのか」
「国の人たちは貴族には逆らえない感じだったし、やっぱり貴族には中央教会の後ろ盾があると信じ切っているみたいだね」
ガルも二人の意見に首を降って頷く。
「ちょっといいか? さっき貴族の野郎をスカッとやってくれたのはそちらの獣人さんだな?」
話をしているジンたちに人間の男が話しかけてきた。
「そうだが、なにか用か?」
ジンより少し年上くらいの青年は、その言葉を聞いて嬉しそうに笑った。
「ああ、俺はヴァンってんだ。このエピネールで商人をやっている。さっきはスカッとしたぜ、ありがとな。それでいきなりなんだが、あんたたちの強さを見込んで頼みがあるんだ」
「すまんがこちらもやることがある」
「クレース、少しならいいでしょ」
「······いいぞ」
「すまん、ありがとな。まあざっくりいったら······この国を乗っ取ってくれねえか?」
突然の言葉に二人は「えっ」となった。
「商人をやってるからだろうなあ、わかるんだよ。見たやつの人となりってやつが。お前たちは悪いやつじゃないってさ。他人のために動けるやつってのは、きっと身近な奴にも優しくできるんだ。俺みたくあと先のこと考えて動けないでいたやつとは違う」
「何を言っている。そんなことしなくても考える前に動けばいいだけだろう。その結果何が起こっても、私がなんとかしてやる」
「······かっけえな、あんた」
ヴァンはそう言って苦笑いした。
「それでこの国のことなんだけど、ここにはもともと中央教会の後ろ盾なんてないんだ」
「へっ? まじで?」
ジンの言葉にヴァンは呆気に取られたように返事する。
「うん。だから一緒に救おうよ、この国を。私たちは初めからその気だよ」
「へっ、面白えじゃねえか。このヴァン・クルーレン何でも協力するぜ」
こうしてジンたちはヴァンという協力者を得たのであった。
あたりは少し暗くなっていたのでジンたちは一度ヴァンと別れ、今日はエピネールの宿に泊まることにした。
「あんたちは、今日貴族の腕を切った人かい?」
宿を取ろうとしていると、受付の女性がクレースにそう言ってきた。
「ああ、そうだが何か問題か?」
「いいや、滅相もない。ただとてもスッキリしたよ。みんなどうかしたくてもできなかったからね。宿代は結構だよ、ゆっくりしていきな」
「さすがクレース」
「それで部屋の方はひとつでよかったかい?」
「ああ、ぜひ一つにしてくれ、是非! ベッドは大きく丈夫なもので頼む」
「はいよ」
クレースは興奮気味に言って部屋を予約した。
部屋に荷物を置くと疲れていたためジン、ガル、クレースたちは仲良く宿にある温泉に入っていた。
(ジンとお風呂か!······やった!!)
クレースは冷静に振る舞おうとしていたがさっきからジンのことをずっと真っ赤な顔で照れながら見ている。
「どうしたの?」
そういえば、クレースとお風呂に入るのは何気に久しぶりだ。
たまに家まで入りに来るけど最近は色々とあって入れていなかった。
「お、おいで。寒いだろ」
「うん。顔赤いよ、大丈夫?」
そんな二人をよそにガルは気持ちよさそうに湯船に浮かんでいた。
「へへへぇ」
しばらくジンを抱きしめてクレースは幸せなジンとのお風呂タイムをのぼせるまで過ごしたのであった。
お風呂を上がるとジンたちは予約していた大きなベッドに座ってゆっくりした。
「ヴァンは商人と言っていたからな、多少なりとも情報網があるだろう。あいつ経由で情報をばら撒けばいずれ上のブタどもの耳にも届くだろう」
「うゅ、しょうだね」
クレースはジンを自分の胸で強く抱きしめていた。
「はにゃにてくれない?」
「こんなに可愛いいきものを離してたまるか」
お風呂からずっとジンを離さないままだった。
クレースの拘束から何とか抜けベッドで横になる。
「あぁ、何て可愛いんだ。流石私の妹だなぁ」
「いもぅとじゃないってば」
ガルを抱きかかえて横になるとクレースが後ろから抱きしめてきた。
クレースの胸部は大きいので強く抱きしめられると窒息しかねないほどだ。
(ね、寝にくい)
その夜は若干の苦しさを感じつつフカフカのベッドで眠りをついたのだ。
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「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
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『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
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#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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