Maria

Ⅲ

刑務所

一体何人の男が自分とヤっているのか
見当もつかない。
自分の周りに
何十人もの男が立っているからだ。

彼女はただ、
快楽に溺れながら
虚しさを貪っている。
まぁ、
自分の行動の意味を、
本当の意味を理解している者など
神ぐらいしかいないであろうからして
彼女は自分の虚しさには
多分気付いていない。

マ「もっとぉ…もっとぉぉぉ！」

すると、
部屋の扉が開き男が立っていた。
中が暗かったから瞳孔も開いたままで
全く男の顔が見えない。

　「おい、そろそろ行くぞ」
マ「あら、貴方♪」
キ「これからオメテオトルの案内で
　　この国で一番大きい刑務所に行く。
　　囚人を視察しに行く、
　　とでも言えるだろうがな。」
　「あの……」
キ「なんだ？」

キリストと話していると、
マリアの相手をしていた男の一人が
気まずそうにキリストに聞いた。

　「貴方の御婦人にすみません。」

やはり人妻に手を出すのは
気が引けていたのか、
皆下を俯いていた。

キ「別に構わん。
　　俺はそんなこと気にしない。
　　あと30分で出発だ。
　　準備しておけ。」
マ「はぁ～い♪」

扉が閉まる。

マ「………」
　「マリア様？」
マ「さぁ、あと30分ヤりましょ？」
　「え、良いんですか？」
　「時間は30分ですよ？」
マ「あの人の30分は
　　30分よりちょっと後って意味よ♪」
　「はぁ…」
マ「で、次のお相手はだぁれ？」
　「じゃあ、俺が」
マ「あ、おっきい♪
　　はやくぅ～」

マリアは次の男に抱きついた。

マ「イれて？」

彼女の性欲処理の相手も
30分で終わる。
男達は焦ってるのか、
翻弄されてるのか。
溶けそうな目をしていた。